野田佳彦首相が主要20カ国・地域(G20)首脳会議の場で消費税増税を国際公約し、「財務省政権」との批判の声がしきりに聞こえてくる。今、財務官僚たちは「政と官」「消費税増税」などについてどんな思いで職務に励んでいるのか。本音を聞いてみた。【江畑佳明】 ◇政治不信--窮迫の国家財政、背負う政治家、あまりに少ない ◇天下り--すねに傷…国民の信頼、完全に失ってしまった ◇消費税増税--自分の子どもが、後に困ることにならぬよう 財務官僚といえば、東大法学部を出た日本一の頭脳を持つエリート……のイメージ。そんな優秀な人材が集まりながら、政府はなぜ借金総額1000兆円を抱えるまでの財政赤字になったのか。 「結局、政治家に『ダメ』とは言えない仕組み。本当に反抗したら、クビが飛んじゃいますよ」 40歳代の財務官僚(男性)は「政と官」の関係をこう表現した。 「お前、俺を落選させるつもりか!」。自民党政権時代
毎日新聞は5、6両日、全国世論調査を実施した。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への交渉については「参加すべきだ」が34%で、「参加すべきではない」(25%)を上回った。ただ、「わからない」も39%に上った。10月31日にベトナム政府と正式合意した原発輸出に関し、日本による外国への原発輸出の賛否を聞いたところ、「賛成」は31%にとどまり、「反対」の65%を大きく下回った。 TPP交渉を巡り、野田佳彦首相は12日から米ハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)での参加表明に意欲を示している。TPP交渉参加問題については「関心がある」との回答が70%を占め、「関心がない」(28%)を大きく上回った。有権者が高い関心を示す一方で、参加の是非は「わからない」との回答が多く、政府が判断材料を十分に提供できていない現状が浮き彫りになった。 TPP交渉参加の是非を支持政党別でみると、民主支
選挙事務所で支持者らと抱き合って当選確実を喜ぶ西平良将氏=鹿児島県阿久根市で2011年1月16日午後9時5分、矢頭智剛撮影 新人のリコール団体元監事、西平良将氏(37)が前市長、竹原信一氏(51)を破って初当選を決めた、16日の鹿児島県阿久根市の出直し市長選。2年半近く続いた竹原市政に終止符を打ったのは、議会ではなく、リコール運動を展開した市民だった。だがこの間、市は二分され、乱発した専決処分など竹原市政の「負の遺産」も残る。2月20日には議会解散を問う住民投票も控えており、市政の正常化には、まだ時間がかかりそうだ。【河津啓介、村尾哲、馬場茂】 「長い長い1年間でした。いろんな方に協力してもらい、こういう結果を勝ち取りました。感謝です」 初当選を決めた西平氏は、同市港町の選挙事務所で、共に歩んだ若い仲間に謝意を示した。市長リコール運動から共に活動し、選対責任者を務めた川原慎一氏(42)は「
NHK紅白歌合戦に2年連続出場した人気声優で歌手の水樹奈々(30)が初の自叙伝「深愛」を誕生日の21日に幻冬舎から発売する。 歌手デビュー10周年を迎え筆を執ったもの。5歳から父親に演歌のスパルタ教育を受けていたことをはじめ、いじめや貧乏生活、セクハラ体験を初告白した。 声優で初めて紅白に出場し、オリコンチャート1位も獲得するなど、その人気はアニメファンにとどまらない水樹が、初の自叙伝でありのままの自分をさらけ出した。 歌手としての原点は演歌。歯科技工士だった父が果たせなかった演歌歌手の夢を水樹に託した。5歳から始めた猛特訓は「巨人の星」のようなスパルタぶり。父が自宅の仕事場で義歯を削る大騒音の中、その横で毎日10曲以上歌い続けた。 「マイクに頼っては演歌歌手にはなれない。のどを鍛えるには劣悪な環境でこそ価値がある」という父親の信念と「泣きたい時は誰にも気づかれないようにひとりで泣いた」と
高齢化が進み、医療が高度かつ複雑になる中、顕在化する看護師不足。離職者が多いことが大きな原因で、結婚・出産や勤務の過酷さを理由に職場を去る女性看護師が相次ぎ、採用が追いつかないのが実情だ。背景には、女性の社会進出が進んでいなかった時代と同様、キャリアを積んでも昇給幅が小さいなど、結婚による大量退職を前提とした構造があるとの指摘もある。【福永方人】 ◇夜勤月9回以上 子育てと両立困難 「夜勤を含むシフトをこなしながらの子育ては本当に大変」。3人の子を持つ群馬県立小児医療センターの看護師、白井桂子さん(49)は訴える。「3人とも小さかった時は心身共にきつく、子供に当たってしまうこともあり、毎日仕事を辞めようと思っていた」 看護師約190人の同センターでは、離職者が07、08年度はいずれも15人、09年度は5人。20代後半~30代前半の女性が結婚や出産などを機に離職するケースが多いが、産休・育休
過激な性描写の漫画やアニメとどう向き合うべきかで論争が繰り広げられてきた東京都の青少年健全育成条例の改正案は、出版業界や漫画家らの激しい反発にもかかわらず成立した。最大会派の民主は6月の都議会で反対して改正案を否決に追い込んだが、今回は、子を持つ親ら「声無き多数派」(幹部)への配慮を優先させて賛成に回った。【石川隆宣】 都が最初に議会に改正案を提案したのは2月。当初はすんなり可決される見通しだったが、3月に著名な漫画家が「表現規制だ」と反対を表明すると状況が一変。登場人物を「非実在青少年」と造語で規定して規制対象にする内容に「あいまいだ」と批判が集中した。結局、6月議会で石原都政の条例案としては初めて否決された。 都側はこの後、問題がありそうな漫画を持参してPTAや地域団体を中心に説明会を81回実施。民主の指摘に修正や削除で譲歩し、改正案を練り直した。 賛否を決めるために開いた10日の民主
11月28日投開票の金沢市長選で初当選した山野之義氏(48)の陣営関係者が、公職選挙法で配布が禁じられている文書図画とされる簡易ブログのツイッターで、投票を呼びかけていたことが分かった。削除を求めた市選管の指導を聞かず、投票当日にも呼びかけていた。選挙結果は小差で、ネット運動が影響を与えた可能性が高く、公選法改正の動きや来春の統一地方選に向けて波紋を呼びそうだ。【宮嶋梓帆、宮本翔平】 市長選には5人が立候補し、新人の前市議・山野氏が5万8204票で当選。現職市長として全国最多タイの6選を目指した山出保氏(79)は5万6840票と、差はわずか1364票だった。投票率は35.93%で前回(27.39%)から8.54ポイント跳ね上がった。 市選管が問題視するツイッターを書き込んだのは、陣営のネット戦略を担当したIT関連会社社長(48)と山野氏の秘書。社長は告示(11月21日)後の23日、「金沢市
「今日、釈放されます」。臨時国会召集を1週間後に控えた9月24日午前、仙谷由人官房長官から在日中国大使館の孔鉉佑公使に電話で連絡が入った。沖縄県・尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船に衝突した中国漁船の船長釈放を那覇地検が発表したのは同日午後2時半。釈放決定は首相官邸中枢から中国側に事前通報されていた。 当時の政府の説明では、仙谷氏は官邸で柳田稔法相(当時)と協議中の午後0時半、法務省から連絡を受けた滝野欣弥官房副長官から検察の釈放判断を知らされたことになっていた。官邸は「検察判断」を強調していたが、実際には周到に仕組まれた政治判断だったことが、複数の関係者の証言から次第に明らかになってきた。 事件が起きた9月7日、海保を所管する前原誠司国土交通相(当時、現外相)は海保が15分ほどに編集した衝突時のビデオ映像を見て「ただちに逮捕、ただちにビデオも公開すべきだ」と官邸に報告した。中国の反発を警戒す
市役所を出た後、事務所に到着した竹原信一市長=鹿児島県阿久根市で2010年12月5日午後8時47分、山下恭二撮影 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(51)の解職請求(リコール)の是非を問う住民投票が5日、投開票され、解職賛成票が有効票の過半数を占め、竹原市長は失職した。議会を招集せずに専決処分を乱発する強引さで批判を招いた「竹原市政」に対し、市民が初めて「ノー」を突き付けた。当日有権者数は1万9756人、投票率は77.35%だった。 出直し市長選は1月中旬にも実施される。すでに、竹原氏と、市民団体「市長リコール委員会」監事、西平良将氏(37)の2人が出馬を表明している。 住民投票は「リコール委」が有権者の過半数の1万197人分の署名を集め、10月にリコールを本請求した。 「リコール委」など反市長派は集会や街頭宣伝で「竹原市政は改革ではなく破壊。独善的すぎる」と解職賛成を呼び掛けた。竹原氏は市
毎日新聞社は24日、大学、公共図書館向けの新しい記事データベースサービス「毎索(まいさく)」を始めると発表した。1872(明治5)年の創刊時から1999年までの紙面イメージを収録。明治維新後すぐの太陰暦と太陽暦が併記された「東京日日新聞」(毎日新聞の前身)の紙面も見ることができる。また、新聞社として初めて、世論調査結果を公開する。26日まで、横浜市で開催中の「図書館総合展」(主催:図書館総合展運営委員会)でシステムを展示、公開している。2011年4月から提供を始める。 「毎索」には過去の紙面イメージのほか、1987年以降に毎日新聞に掲載された記事の本文、89年10月以降に経済誌「エコノミスト」に掲載された記事、世論調査データベースが収録されている。新機能として、1989~99年の紙面イメージは、パソコン画面でページをめくるように閲覧する機能をつけた。また、毎日新聞とエコノミストの検索機能を
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