まず、「ジュネーブ宣言」というのは1924年に国連で採択された宣言です。 主として子どもを適切に保護することを謳ったものです。第一次世界大戦で多くの子どもが命を失ったことを反省して採択されました。 1959年採択の「児童の権利宣言」は、1948年の世界人権宣言の子どもバージョンと言えます。差別禁止や教育への権利が強調されますが、いまだ保護の対象という域に留まります。 「子どもの権利条約」は、児童の権利宣言が有名無実になっているとの危機感から、ポーランドが起草した国際条約で、1989年に採択されます。 権利条約は国際人権規約に規定された市民的自由権の条項を限定的ながら子どもに当てはめ、思想良心の自由や、表現の自由など、権利行使の主体としての子ども観があらわれました。 権利条約は条約であるので、締約国にそれを遵守する義務が発生します。 また、締約国は報告審査義務を負い、数年に一度、国連子どもの