社会にコミットしていない主人公から見えてくるもの 落合陽一(以下、落合):あの映画、主人公が昼寝していくファンタジーの世界と、戻ってくるアニメの中の現実と、僕らが今いる現実と三部構成になっておりまして。3本のトラックが頭の中で「えっ、これどういう意味なんだろう?」ってすごい頭を使うんですけど。めっちゃ大好きなんですよね。 西村真里子(以下、西村):でも3.11をきっかけに、なにもないことがファンタジーであるという思いで創られたということで。現在求められている物語は、逆にヒーローがバシッと助けるものではなくなってきているということですか? 神山健治(以下、神山):今現実に起きていることに目をつぶっていれば、まだまだハッピーなんですよ。 西村:起きているけど目をつぶってた。 落合:安心していればいい。 神山:なのでまず、社会にコミットしていない主人公を描いていくことで、なにが見えてくるだろうと