原田義昭環境相は16日の記者会見で、水質浄化などに対する科学的根拠がないと指摘される「有用微生物群」(EM菌)について、「これまで、効果があるとの科学的な検証を承知していない」と述べ、作用に否定的な考えを示した。 EM菌を巡り、平井卓也・科学技術担当相が3日と10日の記者会見で、超党派の「有用微生物利活用推進議員連盟」の幹事長で…
原田義昭環境相は16日の記者会見で、水質浄化などに対する科学的根拠がないと指摘される「有用微生物群」(EM菌)について、「これまで、効果があるとの科学的な検証を承知していない」と述べ、作用に否定的な考えを示した。 EM菌を巡り、平井卓也・科学技術担当相が3日と10日の記者会見で、超党派の「有用微生物利活用推進議員連盟」の幹事長で…
平井卓也・科学技術担当相は10日、科学的根拠がないと指摘されている有用微生物群(EM菌)を推進する議員連盟の幹事長を務めていることについて、議連の解散を含めて検討する考えを示した。閣議後の記者会見で「議連は活動停止状態と聞いている。まだ解散していないので、今後どうするかを考える」と述べた。 EM菌は、水質浄化などに効果があると宣…
伊藤忠彦副環境相のツイッターへの投稿。「EM菌団子を半田運河に投入しました」と書き込んでいる=ツイッターから 20年以上前から水質浄化などに効果があると宣伝されながら、科学的な裏付けがないと指摘される「有用微生物群」(EM菌)について、伊藤忠彦副環境相(54)=自民、衆院愛知8区=がフェイスブックやツイッターに「(イベントで)運河に投入した」と投稿したところ、研究者を含む多くの人から批判が寄せられ、伊藤氏は一部の投稿を削除した。 EM菌は1990年代に琉球大教授(当時)が有用性を提唱したが、2016年2月、当時の丸川珠代環境相が国会で「水質浄化に効果があるとの科学的検証データを承知していない」と答弁している。伊藤氏は毎日新聞の取材に「恥ずかしいが、過去の対応を知らなかった」と釈明した。
かつて自著に「自分の気持ちに素直に従って自由に行動しています」と記した安倍昭恵氏(56)。森友問題を巡る軽率な言動が批判を浴びても、その人生哲学には幾分の揺らぎもなかったようだ。今度は“トンデモ科学”という新たな火種に接近しているというのである。 「昭恵さんとは先日のイベントでご一緒しました。昭恵さんは来るかどうかわからないので、口外しないように言われましたね」 こう語るのは「胎内記憶」の存在を唱え、講演や執筆活動をしている産婦人科医の池川明氏(63)だ。子供… この記事は有料記事です。 残り2175文字(全文2407文字)
先月、医師でジャーナリストの村中璃子(りこ)氏が日本人として初めて、英国の科学誌ネイチャーなどが主宰する「ジョン・マドックス賞」を受賞した。「ネイチャー」は、多くのノーベル賞級の業績を紹介し、自然科学系の研究者にとってはここに論文が載ることが目標になるような世界トップレベルの学術誌だ。 ジョン・マドックスは、時の権威に逆らうような研究を積極的に取り上げ、議論を喚起するという英国的反骨精神で同誌を育てた名編集長だったという。この賞が与えられるのも「公共の利益に関わる問題について健全な科学とエビデンスを広めるために、障害や敵意にさらされながらも貢献した個人」。実際、今回の候補者リストには、その活動によって死刑宣告を受けたり、投獄されたり、暴力をふるわれたりしたという人の名前が並んでいる。 未開の地での呪術医との戦いならともかく、先進国でそんなことが起きるものかと思うかもしれないが、過去6年の受
科学者は間違える。野口英世は黄熱病菌を見つけたと思いこんだまま、その黄熱病に倒れた。病原体は菌でなくウイルスで、当時の顕微鏡では見えるはずがなかったのに「見えて」しまったのだという。火星の「運河」をはじめ、そういう例は数多い。 個人でなく科学界全体が間違えた例もある。1966年に旧ソ連の科学者が「水の特殊な状態」として提唱した「ポリウオーター」は世界で認められ、多くの関連論文も出た。しかし徐々に反論が増え、7年後に破棄される。関連特許で大もうけという欲が、長期化した原因とも言われている。 「科学絶対神話」という言葉が、科学を絶対と思い込む行いへの皮肉だとしたら、それは正しい。しかし「科学の絶対性」を科学者が信じているという意味なら、それこそありえない「神話」だ。「正しさは確率であり、絶対はない」と骨身にしみているのが科学者。だから科学的になるほど「絶対」という言葉を使いたがらない。
今年3月で東日本大震災より6年--七回忌となる。その日、恐ろしいほど多くの「縁」が突然断ち切られた。画面越しとはいえ、あの日の光景は忘れられない。個人、家族を超え、コミュニティーまでもが深い傷を負った。その日に思いをはせ死者を悼むのは、同時代に生きた日本人なら当たり前のことだ。 3月にはテレビや新聞でもいろいろな特集が組まれるだろう。毎年、その日のヒューマンストーリー、光の当たらなかった多くの苦難が掘り起こされてきた。 しかし、もしそこに「忘れないために」というような枕ことばが付くなら、私は違和感を抱く。年忌は死者を忘れないためのもの。しかし、「その日」被災した「その地」は、今も活動している多くの若者が未来を描いている地でもある。
今月1日に日本学術会議から「子どもの放射線被ばくの影響と今後の課題」という報告書が発表された。日本学術会議は我が国の人文・社会科学から理学・工学までの全分野の代表者からなる、いわば「学者の国会」。政府に対する政策提言から世論啓発までを役割としている。 報告書が対象としている東京電力福島第1原発事故については、既に多くの論文や調査結果などが蓄積されている。国連科学委員会の報告でも、放射能由来の公衆の健康リスクについて「今後もがんが自然発生率と識別可能なレベルで増加することは考えられない」と結論が出ている。 学術会議の報告でも、被ばく量はチェルノブイリ原発事故よりはるかに小さいという評価が改めて示されているが、特に不安の多い子どもへの影響に焦点を絞っている点が重要だ。「福島第1原発事故による胎児への影響はない」としており「上記のような実証的結果を得て、科学的には決着がついたと認識されている」と
接種へ科学的議論を 副反応(副作用)と見られる重篤な神経症状が起きたとして、子宮頸(けい)がん予防のためのHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの定期接種の積極的勧奨が中止となり、今月で丸4年となった。この間、接種の利益に関する情報が途絶える一方、そのリスクを訴える情報がネット中心に広がっている。今やワクチンに疑問を持つ人の方が多いようだ。だが現実にはワクチンの有効性と安全性を示す知見が蓄積されている。次世代の健康を守るため、接種に向けた議論を科学的に進める段階にきていると考える。 今月11日、産経新聞朝刊1面に「子宮頸がん高まるリスク ワクチン勧奨中止から4年」との記事が掲載された。記事はニュースサイトに転載されたが、そのコメント欄に目をみはった。匿名で書き込まれた意見には「定期的に検診を受ければ大丈夫。ワクチンは必要ない」といった内容が目立ったからだ。
「酵素万能」のトンデモ説にだまされないために【後編】 酵素は生き物が生命活動を行うために必要不可欠なものです。しかし、酵素を食べても特別な栄養素として働くことはありません。前編に引き続き、酵素をテーマに取り上げます。 ダイエット効果はあるのか 最近、ダイエット(減量)効果をうたった酵素サプリメントが増えてきています。ある商品の宣伝ビデオでは、「粘りのあるでんぷんのりが入ったボウルに酵素サプリメントを溶かした液体を入れてかき混ぜると、サラサラの液体になり、気になる糖質を酵素の力で分解します!」という説明が流れます。 「このサプリを飲めばごはんを食べ過ぎても分解してしまうから大丈夫」と思ってしまいそうですが、実際にはそんなに都合のよい話はありません。ごはんをよくかんでいると甘みがでてくるのと同じで、唾液に含まれる消化酵素により、でんぷんの一部が麦芽糖のような甘みのある物質まで分解されたためです
「酵素万能」のトンデモ説にだまされないために【前編】 はじめまして。医療プレミアで連載をさせていただくことになりました管理栄養士の成田崇信と申します。私たちが生きていくためには食事から栄養を取ることが不可欠ですが、最近では食べものに含まれる機能性成分が注目され、病気の予防やより健康になることを期待し、サプリメントなどを利用する人も増えているようです。ところが、期待の大きさ故なのでしょうか、学問的には効果がきちんと検証されていない成分や食事方法が、「効果抜群の魔法の食事法」のように紹介されることもしばしばです。身近なようで意外と知らない栄養学や食事と健康のお話を分かりやすく説明したいと思っています。手始めとして、初回と2回目は健康ブームで注目されている「酵素」について取り上げたいと思います。
子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に運動障害などが生じた問題で、厚生労働省研究班は26日、全国の病院を対象にした疫学調査で、接種を受けたことがない人にも、副作用として報告されたのと同様の症状が出ているとの結果を公表した。調査結果からは接種を受けた人と受けていない人を単純に比較できず、接種と症状の因果関係は判断できないとした。 厚労省は2013年4月からワクチンを公費負担による定期接種としたが、副作用報告が相次いだため、同年6月に接種の呼びかけを中止した。調査結果は26日午後の厚生科学審議会の部会で報告されるが、呼びかけを再開するかどうかについて、厚労省は「部会では接種勧奨の議論はしない」と説明している。
東京電力福島第1原発をバスで視察する福島高校の生徒。建屋のカバーが取り外されたばかりの1号機について、東電福島復興本社の石崎芳行代表(右)から説明を受けた=福島県大熊町で2016年11月18日、岸慶太撮影 福島県立福島高校(福島市)の生徒13人が18日、東京電力福島第1原発を視察し、廃炉作業が進む原子炉建屋や免震重要棟などを見学した。東電は入構の条件を「原則18歳以上」としており、高校生の視察は原発事故後初めて。同校側の要望を受け、保護者の同意などを条件に許可した。東電は今後、18歳未満の視察を個別事情に応じて認めていく方針。 視察したのは、同校スーパーサイエンス部などに所属する1、2年生で、原発事故後の風評被害や被ばくによる健康への影響について学んできた。廃炉や事故処理を見届ける若い世代として、復興の課題について考えを深めるのが目的という。
9月25日1面「ダム底 高濃度セシウム」と3面「たまる汚染 募る不安」「質問なるほドリ ベクレルって何?」の記事と図に複数の誤りがあり、訂正やおわびを3度掲載しました。異例の対応に至ったことについて、毎日新聞は第三者機関「開かれた新聞委員会」に見解を求めましたので、経緯を報告します。 記事は東京電力福島第1原発事故後、放射性セシウムがダム底の土にたまり地元で不安の声が出ていることを受け、環境省のデータを基に底土のセシウム濃度の現状を調べ、実態把握や対策の必要性を提起したものです。 この中で、環境省の公表資料で表層水のセシウム濃度が検出できる下限値を下回ったことを示すデータを記者が読み誤り、検出されたものとして表記しました。上司もチェックできませんでした。
理解してから接種する−−「ワクチン」の本当の意味と効果【1】 あらゆる医療行為のなかでワクチンほど物議を醸すものはないのでは……。これは私が臨床現場で日々感じていることです。がんにどのような治療をすべきか、糖尿病への糖質制限は是か非か、サプリメントの効用をどう考えるか、などよく議論になるテーマはほかにもあります。しかし、これらは「今ある病気に対する治療のリスクとベネフィット」あるいは「大きな副作用のない予防医学」などに関するものです。 インフルエンザワクチンを注射する医師=福岡市中央区で2016年1月7日、和田大典撮影 しかし、ワクチンに関しては根本的に違う側面があります。元々、病気がなくて元気な人に接種するものであり、その感染症にかからなかったとしても、ワクチンを接種したからかからなかったのか、ワクチンに関係なく感染しなかったのかを判別することができません。つまり、個人レベルで見ると、接
「水素水」と表示された商品が小売店やネットで数多く見られるようになってきた。医薬品ではないため、効果・効能を表示することはできず、作用も詳しくは解明されていない。科学的に見て、何がどこまで分かったかを知っておきたい。 ●世界で研究進む 水素は無味無臭のガス。フランスでは以前からダイバーが潜水病の予防にも吸引していたが、作用はよく分かっていなかった。太田成男(しげお)・日本医科大大学院教授(細胞生物学)が2007年、培養細胞の実験で水素が有害な活性酸素を効率よく除去することを解明し、「ネイチャー・メディシン」(電子版)に発表した。ラットの脳の血流を一時的に止めて、再び血流を再開させると活性酸素が発生するが、そのときに水素ガスを吸わせると脳の障害が抑えられることを示した。 活性酸素は細胞や遺伝子を傷つけ、動脈硬化などの引き金になる。この実験が世界から注目され、以後、日本、中国、米国などで本格的
県民健康調査 東京電力福島第1原発事故後、福島県が当時18歳以下の子供らを対象に実施している県民健康調査で、県の検討委員会は15日、甲状腺がんと確定した子どもが100人を超え、全国の甲状腺がんの罹患(りかん)率(がんと診断される人の割合)に基づいた推計を大幅に上回ることから、「数十倍多い甲状腺がんが発見されている」との中間まとめの最終案を大筋で了承した。放射線の影響については「考えにくい」と評価しながらも、「現段階で完全に否定できない」としている。 検討委は疫学やがんの専門医ら有識者で構成。最終案は、2011年10月から昨年4月末まで対象者約37万人のうち約30万人が受診した1巡目の検査結果に基づく。全国の患者の推計によると、検査で見つかる甲状腺がんは福島県の18歳以下で2人程度とされるが、1巡目では100人ががんと確定し、15人が「がんの疑い」とされた。
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