反出生主義者は考える おれは反出生主義者を自称している。 べつに「反出生主義検定試験」があって、「あなたは2級に合格しました」という話もないのだから、自称も他称もないのだろうが。 そんな反出生主義者のおれではあるが、日々、「反出生主義とはなんだろうか」と考えている。 本当に毎日? と、問われると、「いや、今日は『イジらないで、長瀞さん』のことばかり考えていました」ということもあるかもしれない。 こんなところで自分の趣味を晒すこともない。 それでも、考えている。 とくに、反出生主義に反対する意見を見たりすると、「ああ、そういうことではないのだけれど」と思うときに、よく考える。 もちろん、おれはだれか師匠について反出生主義の流派に属しているわけでもないので、「それは違うのだ」と言い切ることもできない。 どこか歯切れが悪くなることもある。 それでもおれは、その日のおれなりに考えていることを書くこ