小学校の時少年野球をやっていた。滅茶苦茶嫌で、週末に近づくと毎週悲壮な気分になっていた。特に嫌だったのが、コーチが意味不明な事をいう事。『ボールを良く見て打て。』やってみればすぐ分かるが、ピッチャーの手から離れた瞬間ならまだしも、打つ瞬間自分を横切る球を見ながら、さらにバットを振るなんて出来るわけが無い。しかしなぜか6年生になる頃には、ちゃんと打てるようになっていた。しかしやっぱり球なんか見えていない。自分の体を横切る頃には球が見えなくなるのは同じなのだが、何故かバットが当たるようになっていた。 アフォーダンス的な観点から言うと、『バットが球を見ていた』とでも言うのだろうか。ピッチャーの動き、球の初速、偶然バットが球に当たったときの触感。そういう物が経験で組み合わさり、球が打てるようになる。ちなみに目が反応を受け取ってから筋肉が動作を始めるまで0.1秒程かかるそうなので、『ボールを見ていた