帰国直後、妻の深結(みゅう)さん(手前左)や両親(後列)と再会を喜び、おにぎりなどの食事をとる安田純平さん=2018年10月25日、深結さん提供 シリア北部でイスラム武装組織に拘束されていたフリージャーナリストの安田純平さん(44)が10月下旬、3年4カ月ぶりに解放された。日本政府はカタールとトルコが解放のために動いたことを明らかにし、安倍首相が両国に謝意を伝えた。国内では「政府と国民に迷惑をかけた」と安田さんを批判する声が「自己責任論」として再燃している。身代金の支払いについて政府は否定しているが、「カタールが支払った」という情報が出て、それがまた「自己責任論」を助長している。 身代金の情報も、「自己責任論」も、安田さんが拘束され、解放されたシリアの情勢とはかけはなれて独り歩きしている。だがこれらは、特に9月以降、大きく動いたシリア北部のイドリブ情勢の中で考える必要がある。 関係者から入