「シビリアンの戦争」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき 作者: 三浦瑠麗出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/10/19メディア: 単行本購入: 13人 クリック: 615回この商品を含むブログ (17件) を見る 本書はある種の戦争開始のメカニズムについての本である．著者の三浦瑠麗は東大農学部卒業後，同じく東大の法学政治学研究科の大学院に進み，2010年に法学博士となるというちょっと変わった経歴を持ち，現在は東大政策ビジョン研究センターの特任研究員という若手研究者だ．本書はそれまでの研究成果を生かしたはじめての主著ということで気合いが入った本になっている． 問題意識としては，「これまで関東軍の独走を許した日本や多くの軍事政権の暴走の例をふまえて，一般的に『軍部は基本的に戦争をしたがり，それを抑えるためにシビリアンコントロールが重要だ』と考えられてきている．しかしイラク戦争を見るとこ

[Midas]

アラブの春やシリア内戦を「革命ではない」「米国の陰謀」と誤解してしまう原因がこれ。封建制での傭兵戦は市民に内密だった(ルカーチ)。大衆軍隊とプロパガンダは同時(全員参加)。再び戦争はステルスになりつつある

[bogus-simotukare]

著者は外務省が正確に情勢を認識し，制裁開始に消極的であっても，シビリアンコントロールが効いているとその意見は軽視されうること，自分に被害が及ぶと思わない国民は容易に制裁に傾くとまとめている

[whiteskunk]

三浦瑠麗氏の博士論文はこれかな。未読だけど、事例研究として興味深くはあり、そのうち読まないとなと思ってる（氏への印象はともかく適当な仕事で東大の博士論文は取れないだろうし）

[okbc99]

“全く統計的な議論がない……そこをいったん踏み越えると,本書は「民主制がしかれシビリアンコントロールが効いている国で戦争開始決定がなされるときにはどのような状況があり得るのか」について臨場感あふれるレ

[judgeer]

P◎

[sakstyle]

軍がプロ化していると開戦に抑制的になりシビリアンが戦争を起こした５つのケーススタティ。道徳心の危うさ（現代には不適応な）、自己欺瞞の恐ろしさ。

[crowserpent]

http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20121219/1355900200 で取り上げられていた本の詳しい書評。

[takahiro_kihara]

図書館にあるから、見てみるつもり。

[nanakoso]

＞プロ化した軍隊はむしろ戦争を嫌がる（仕事増えるだけなので）　シビリアンコントロールの効いた民主国家では当事者意識の無い市民（と政治家）が戦争を開始する。（抑止力としての徴兵制お前も戦え）

[Shin-JPN]

政治学において民主主義国家の欠点とされているのがこれ。世論＝素人が力を持つ体制である以上、勝てない／利益がない戦争でもやってしまうことが多くなるのは民主主義と不可分な欠陥と心得ておく必要がある。

[njamota]

軍が状況を良く把握して抑制的な時でも政権に開戦のインセンティブがあれば戦争になる、という話。クリミア戦争、イスラエルのレバノン侵攻、フォークランド戦争、イラク戦争を例に。ピンカーの「報復」「正義」の話

[ja_bra_af_cu]

“基盤脆弱な政治家は世論が開戦に傾くと抵抗できない．〔……〕シビリアンコントロールが機能的に構築されていれば，軍人は（シビリアンに逆らっても放逐されるだけなので）最終的には政治家の判断に従う”

[gimonfu_usr]

文官統制が机上のナントカになる時。　／ 戦意高揚に民意が傾くときに、なにが媒体になるのか。

[motorunder]

これは興味深い本だね。読んでみよう。

[Uzi_FZ]

著者は「軍部が正確に情勢を認識し，戦争開始に消極的であっても，シビリアンコントロールが効いているとその意見は軽視されうること」、自身に被害が及ばないと考える「国民は容易に戦争に傾く」と指摘。