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シェア 日本酒の容器といえば、四合瓶や一升瓶などのガラス瓶が一般的ですが、「缶」のメリットや魅力はどんな点にあるのでしょうか。 いま、小容量の日本酒が求められている株式会社Agnaviが日本酒缶の事業を本格的にスタートしたのは、2020年のこと。きっかけになったのは、同年に実施したクラウドファンディングでした。 当時、コロナ禍の影響によるさまざまな規制により、全国の酒蔵が思うように商品を販売できず、苦しんでいました。玄さんは、そんな酒蔵を支援しようと、東京農業大学や日立キャピタル(現・三菱HCキャピタル)とともに、クラウドファンディングをスタートしました。 結果、2,500万円以上の支援が集まり、プロジェクトは成功。しかし同時に、玄さんは日本酒の容器に関する課題を感じたと話します。 「クラウドファンディングは成功しましたが、支援者の方々から『複数の酒蔵を応援したいが、四合瓶を何本も買うのは
2018年4月、大相撲の巡業中に緊急の対応で土俵に上がった女性が降りるように指示され、話題になりました。相撲における土俵のように、かつては酒蔵も女人禁制だったといわれています。 いったいどんな理由で、女性は酒造りから遠ざけられていたのでしょうか。現存する資料や酒蔵で語られている通説から、その真相を探っていきましょう。 はるか昔、酒は女性が造っていた酒造りの最高責任者「杜氏(とうじ)」という言葉の由来は「刀自」といわれています。「刀自」とは、神道における戒名と同等の意味をもつ"霊号"として、女性のみに使われる敬称。はるか昔、口噛み酒を仕込む際に必要な米を噛む役目は、巫女や穢れのない処女のみが行なったとされています。 平安時代の『延喜式』という書物に登場する、当時の酒造りに関する記述を参照すると、新嘗祭で行なわれる公式行事「節会」に使用する酒を造る際、米を搗(つ)くのは女性の役割で、1石の米を
2022年5月25日(水)に、「令和3酒造年度全国新酒鑑評会」の審査結果が発表されましたのでお伝えします。 今回は826点の出品があり、その内405点が入賞。さらにその中で205点が金賞を受賞しました。(☆印が金賞酒です) 北海道(入賞9点、金賞2点)青森県(入賞7点、金賞4点)岩手県(入賞13点、金賞5点)宮城県(入賞12点、金賞5点)秋田県(入賞19点、金賞13点)山形県(入賞21点、金賞11点)福島県(入賞32点、金賞17点)茨城県(入賞12点、金賞7点)栃木県(入賞16点、金賞8点)群馬県(入賞8点、金賞3点)埼玉県(入賞8点、金賞6点)新潟県(入賞26点、金賞12点)長野県(入賞27点、金賞12点)千葉県(入賞7点、金賞3点)東京都(入賞3点、金賞2点)神奈川県(入賞2点、金賞1点)富山県(入賞4点、金賞3点)石川県(入賞8点、金賞3点)福井県(入賞5点、金賞2点)岐阜県(入賞3
「桶買い・桶売り」は安定供給のために始まった酒蔵が造った酒を別の酒蔵に販売する「桶買い・桶売り」。買い取った酒は、そのまま瓶詰めして売られる場合もあれば、剣菱酒造のように自社の他の酒とブレンドして商品化される場合もあります。 白樫さんによると、桶買い・桶売りが始まったのは江戸時代のこと。 「桶買い・桶売りは、有名な銘柄を造る酒蔵が、生産量を増やす手段として生まれました。自社で新しい蔵を建てるのは、火事や品質管理、資金や不動産などの面でリスクがあります。それに比べると、規模の小さな酒蔵に『うちの酒を造ってほしい』と頼むほうがやりやすかったんです」 さらに、1937年に食料米確保の観点から、1蔵あたりの日本酒の生産量に上限が設けられたことも、桶買い・桶売りの増加につながったといいます。 「造る量を増やさないという選択肢もありましたが、需要に供給が追いつかないと、市場でプレミア価格がついてしまい
SAKETIMES特集PR世界に1つだけの「ワンカップ」をデザイン!日本酒大好きの漫画家が「THE ONLY ONE CUP」でオリジナルワンカップを作ってみた 昭和39年の発売以来、愛され続けている大関株式会社(兵庫県)の日本酒「ワンカップ大関」。カジュアルに片手で持てるガラス容器に、ブルーのスタイリッシュなラベルが印象的なロングセラー商品です。 これまでもさまざまな企業やアーティスト、アニメ作品などとコラボレーションしたオリジナルラベルの商品が発売され、そのたびに話題を呼んでいます。 そんなワンカップのラベルを、自作のイラストや写真などを使ってデザインできるサービスサイト「THE ONLY ONE CUP」が、2022年2月からスタートしました。 ワンカップのファンはもちろん、お祝いや記念日に印象に残る贈り物をしたいという人にもぴったりなこのサービス。実際の注文の様子とともにご紹介しま
4階建てのビル1棟まるごと、日本酒を楽しめるお店「ぽんしゅビルヂング」が東京・門前仲町にて2月にオープンしました。 1階は角打ち、屋上テラスではBBQ 「ぽんしゅビルヂング」はオープン以来、連日盛況で門前仲町のホットスポットとなっています。 1階は角打ちと量り売りのスペース。壁一面のセラーから好きな銘柄を選び、75mLのグラスで楽しめます。銘柄は毎日入れ替わりながらも「十四代 黒縄」や「新政」のカラーシリーズから、定番の「伯楽星」「田酒」、など、豊富なラインナップを揃えています。量り売りは、お気に入りのお酒を150mLの少量から購入可能です。 2階にはテーブル席を備え、和をベースにフレンチやエスニックを取り入れた創作料理と日本酒をお召し上がりいただけます。3階は会食やデート利用におすすめのシェフズテーブルをご用意、4階は個室になっています。また、8〜10名程度収容可能な多目的スペースとして
1852年に秋田県で創業した新政酒造。2007年に蔵に戻った佐藤祐輔さんは、秋田県産の米と自社酵母にこだわり、生酛造りや木桶仕込みといった伝統製法への回帰と商品開発に取り組むことで、一度は深刻な経営状態に陥った酒蔵を再建しました。 昨今は、代表銘柄「No.6」におけるアーティストとのコラボレーションで他業界からも注目を集めるほか、日本酒と焼酎の蔵元がPRや販売を共同で行うプラットフォーム「J.S.P(ジャパン・サケ・ショウチュウ・プラットフォーム)」を立ち上げるなど、自社のみにとどまらない活動を行っています。 日本酒という伝統産業を担うひとりの経営者として、佐藤さんはどのような想いをもっているのでしょうか。日本酒専門WEBメディア「SAKETIMES」を運営する株式会社Clear 代表取締役CEOの生駒龍史が、佐藤さんに話をうかがいました。 「自社だけがよくなればいいという問題じゃない」生
スーパーやコンビニの売場でよくみかける「鬼ころし」という名前の日本酒。 「鬼ころし」の由来は、平安時代に京都の大江山に住み着いていた「酒呑童子(しゅてんどうじ)」という酒好きの鬼を退治する時に、酒を飲ませ酔っ払わせて退治したという逸話から。そこから「鬼のように屈強な男でも酔い潰れてしまうぐらいうまく、アルコール度数の高い酒」のことを「鬼ころし」と呼ぶようになりました。 そんな荒々しい名前を持つ「鬼ころし」ですが、実は「鬼ころし」の名がつく日本酒は、さまざまな酒蔵から発売されています。この記事では、全国各地で愛されている「鬼ころし」についてご紹介します。 全国各地の「鬼ころし」「北海 鬼ころし」(国稀酒造/北海道) 雑味が少なく透明感に満ちた味わいが自慢の日本酒。飲み終えた後、日本酒の豊潤さと超辛口酒ならではの爽快感が口の中いっぱい広がります。辛口を苦手とする女性の方にも根強いファンがいるの
千葉県に本店を構える酒販店「IMADEYA」。GINZA SIXや錦糸町パルコなどの大型商業施設にも出店しており、千葉県と都内に計4店舗を展開しています。 そんなIMADEYAは、2021年8月、5店舗目となる「いまでや 清澄白河」をオープンしました。英語表記のIMADEYAがプロデュースする初のサブブランド「いまでや」としての出店です。 7.5坪という小さな空間で販売するのは、お酒に馴染みのない若者をターゲットとした「はじめの100本」。「ここからはじめれば、お酒が好きになる」というコンセプトをもとに、日本酒やワイン、焼酎など、厳選された約100本のお酒が並びます。 これまでの店舗と異なるのは、コンセプトだけではありません。実は「いまでや 清澄白河」がオープンした場所は、小島雄一郎さんという会社員の方の自宅の一階なのです。 なぜ、小島さんは自宅の一階に酒販店を誘致し、IMADEYAはそれ
「可能性の見本市」をキーワードに、日本酒の新しい価値を提案しようとする人にフォーカスする連載「SAKEの時代を生きる」。今回は、海外市場を対象とした自家醸造キット「MiCURA(マイクラ)」の開発者である伊澤優花(いさわゆうか)さんを紹介します。 「官民共同の奨学金プログラム『トビタテ!留学JAPAN』に応募し、海外市場調査のためにニューヨークに留学しました。現地の教育機関『Sake School of America』でSAKEソムリエの資格を取り、飲食店で働きながら、いろいろな飲食業界の人たちに出会いました」 伊澤さんは、仲良くなったとあるミシュランレストランの店主から、「清酒を造ってみたいんだ」と相談を受けます。自家醸造(ホームブルーイング)は日本では法律で禁止されていますが、アメリカをはじめとした多くの国では、家庭で楽しまれる趣味のひとつです。 家でお酒を造ることに興味を突き動かさ
米国を代表するロックバンド・Foo Fighters(フー・ファイターズ)のニューアルバム「Medicine At Midnight」の発売を記念して、全量純米大吟醸の酒蔵・楯の川酒造株式会社(山形県酒田市)がコラボレーションし、2種類の純米大吟醸酒をニューアルバムの発売日と同じく2月5日(金)にリリースします。 フー・ファイターズの楽曲を聴かせて醸造大の日本酒好きとして知られるデイヴ・グロールを筆頭に彼らの好みを反映した2種類の純米大吟醸酒「Foo Fighters×楯野川 純米大吟醸 半宵 碧」「Foo Fighters×楯野川 純米大吟醸 半宵 銀」を、ニューアルバムと同日にリリースします。 同酒は醸造工程でお酒にフー・ファイターズの名曲や、ニューアルバム「Medicine At Midnight」の楽曲を聴かせるなどユニークな方法で醸造されました。 日本酒は楯の川酒造の特約店ならび
2020年12月。「澤屋まつもと」で知られる松本酒造(京都府)の代表取締役社長や取締役が同社を離れるという投稿がSNSで広く拡散され、日本酒業界の関係者やファンの方々を驚かせました。 この投稿に対して、松本酒造を去ることとなった代表取締役社長や取締役の今後を心配する声、今回の経営判断を疑問視する声、そして、松本酒造そのものや代表銘柄「澤屋まつもと」のこれからを憂う声など、さまざまな意見がありました。 SAKETIMESとしては、今回の件について、社内の事情に深く立ち入るつもりはありません。ただ、松本酒造からの公式の情報発信がない状況で、本件の是非を判断するのは決して健全ではないと考えました。 そこで、松本酒造の新社長に就任された松本正治さんに、今回の経営判断の背景や、松本酒造の今後についてお伺いしました。 ─ そもそも、新社長に就任された松本正治さんは、松本酒造とはどういった関係なのでしょ
SAKETIMES日本酒を考える日本酒考察精米歩合1%、四合瓶で10万円の日本酒はどんな味なのか?─ 山形・楯の川酒造「光明」を一流ソムリエがテイスティング "精米歩合1%の日本酒"と聞いて、どのような印象を受けるでしょうか。 精米歩合とは、玄米を削って、残った白米の割合を示した数字のことです。精米歩合の数値が低いほど、米がより多く磨かれていることになります。米は磨けば磨くほど割れやすくなるので、精米の工程には高い技術が必要です。 山形県酒田市にある楯の川酒造は、この精米歩合を突き詰めた、"精米歩合1%"という前代未聞の日本酒を造りました。 「新境地への挑戦によって、日本酒の世界に明るい希望の光が差すように」という願いを込めて「楯野川 純米大吟醸 光明」(以下「光明」)と名付けられたこのお酒。"精米歩合1%"という史上初の試みから生まれた「光明」の販売価格は、なんと1本10万円です。 使用
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、全国的に外出の自粛が呼びかけられている現在。国内産業の全体が経済的損失を被っています。それは酒類産業も例外ではありません。飲食店や酒販店、そして酒蔵の多くも危機的な状況に立たされています。 そんな中、「苦しんでいる酒蔵を家飲みで応援したい!」という地酒ファンが、酒蔵へ直接問い合わせるケースが急増しているといいます。 これを受けて、日本酒蔵と焼酎蔵の有志が「Japan Sake Platform Sake × Shochu」を設立。ともに「国酒」という日本文化を造り伝える蔵元たちが一緒になって、それぞれが造る銘柄を買える主要な酒販店の一覧を公開しました。 次の文章は、蔵元のみなさんからのメッセージです。 現在、新型コロナウイルスの影響によって、飲食業界は軒並み致命的な経済的被害を被っております。 これら飲食業界の中でも、特に地酒にまつわる業者はいずれも
「新政」醸造元・新政酒造株式会社北海道・東北エリア北海道宮城県秋田県福島県関東エリア茨城県埼玉県千葉県東京都神奈川県中部エリア福井県静岡県愛知県関西エリア三重県大阪府京都府兵庫県中国・九州エリア岡山県福岡県熊本県 北海道桜本商店住所:北海道札幌市中央区南十条西7丁目4-3電話番号:011-521-2078FAX番号:011-521-2050社名:有限会社桜本商店宮城県青木酒食料品店住所:宮城県仙台市太白区鹿野1-7-16電話番号:022-247-4626FAX番号:022-249-0593社名:カネタケ青木商店秋田県天洋酒店住所:秋田県能代市大町8-16電話番号:0185-52-3722FAX番号:0185-52-3722社名:天洋酒店菅久商店住所:秋田県秋田市中通四丁目14番8号電話番号:018-833-6336FAX番号:018-833-6304社名:株式会社菅久商店高良酒屋住所:秋田
新型コロナウイルスの影響を受けて、国内の各地で外出自粛が強く要請されています。その結果、飲食店や酒販店、そして酒蔵の多くも危機的な状況に立たされています。 しかしその一方で、外出自粛が要請された結果、家飲みの需要が高まってきていることも事実です。そこで家飲みをさらに充実させるべく、自宅にいながらにして日本酒を購入することができるオンラインストアを一覧にまとめました。 【酒蔵直営のオンラインストア】 「福司」福司酒造 (北海道釧路市)「千歳鶴」日本清酒 (北海道札幌市)「吾妻嶺」吾妻嶺酒造店 (岩手県紫波郡紫波町)「勝山」仙台伊澤家 勝山酒造 (宮城県仙台市)「澤正宗」古澤酒造 (山形県寒河江市)「東光」小嶋総本店 (山形県米沢市)「柏盛」片山酒造 (栃木県日光市)「秘幻」浅間酒造 (群馬県吾妻郡長野原町)「岩の井」岩瀬酒造 (千葉県夷隅郡御宿町)「HINEMOS」RiceWine (神奈川
日本酒の造り方は、米を蒸して麹を造り、酒母と醪を立てて発酵を待ち、搾ってできあがりです。 原料を酵母の力によってアルコール発酵させて造るお酒は醸造酒と呼ばれ、日本酒もワインも同じ醸造酒。日本酒と同じ米を原料としていても、蒸留を行う焼酎は蒸留酒という分類です。 沸点の違いを利用して水とアルコールに分離する蒸留酒は、アルコール度数が高く、米焼酎は40度ぐらいのものが一般的です。一方、日本酒といえば、アルコール度数はおよそ15度程度。酒母で鍛えられた強健な清酒酵母の力で、醪や原酒のアルコール度数は20度を超えることも度々あります。 蒸留せずとも、これだけの高いアルコール度数を生み出す日本酒ですから、蒸留すれば、さらにアルコール度数を高めることができるのではないかという疑問が湧いてきました。もしかしたら、それはもう米焼酎と言えるのでは? 日本酒と米焼酎にはどんな違いがあるのか、実験を通して検証して
2006年に蔵が廃業して姿を消した佐賀の銘酒「光栄菊(こうえいぎく)」が、有志たちの手で復活を遂げました。 蔵の復活を仕掛けたのは、テレビ番組を制作していた2人のテレビマンです。日本酒を嗜む日々のある日、ベタ惚れしたお酒を造る杜氏と出会い「この人と一緒に酒造りに挑戦したい」という夢を膨らませ、それを実現。2019年12月、復活最初のお酒が売り出されると、あっという間に売り切れとなりました。 華々しい再スタートを切った光栄菊酒造(佐賀県小城市)の復活までの足跡をたどりました。 「光栄菊」復活の立役者は、光栄菊酒造の日下智社長(54歳)と田下裕也取締役(38歳)のふたり。始まりはNHKの番組制作に外部ディレクターとして参加していた日下さんの職場に、NHKの職員だった田下さんが2011年に配属になったことでした。 2013年春に日本酒をテーマにした番組を制作すると、それをきっかけに田下さんが酒造
「蔵元さんですか?」「杜氏さんですか?」「シュゾウさんですか?」「オクラさんですか?」 「酒造りの仕事をしている」と話すと、こんな風に聞かれることがあります。 日本酒を造っている人からすると、定番の質問です。どれも同じことを指しているように思えますが、実は、日本酒業界ではそれぞれ別の意味を含んでいます。 「蔵元さん」とは誰のこと?「蔵元さんですか?」は、「製造元の方ですか?」という意味で聞かれる場合がほとんど。ですが、この質問に「はい」と答えられる人は、それほど多くありません。 日本酒業界で「蔵元」というと、「酒蔵の経営者」のことを指します。家族経営が多い中小規模の酒蔵は、酒蔵経営に関わってない場合を除いて、その家族も含めて蔵元と呼ばれます。 たとえば、酒造会社のスタッフがイベントで接客する際に、「蔵元さんですか?(製造元の方ですか?)」とお客さんにたずねられると、「いえ、私は蔵元じゃなく
2019年10月12日、伊豆半島に台風19号が上陸。強い勢力を保ったまま北上を続け、記録的な大雨による河川の氾濫や堤防の決壊など、各地に甚大な爪痕を残しました。 酒蔵も例外ではなく、広い範囲で浸水をはじめとした被害を受けました。本記事では、各酒蔵の被害状況をお伝えします。 麒麟山酒造(新潟県) 福島県と群馬県に源流を持ち、新潟県を流れる阿賀野川の支流・常浪川が越水。常浪川に隣接する麒麟山酒造は、貯蔵庫の一部が浸水し、約90センチほどの水深にまで達しました。 貯蔵庫には18本の貯蔵タンクが設置されており、機械系統の修繕やタンクの衛生担保のため、タンク内にある約9万リットル(一升瓶換算で約5万本)の原酒を一時出荷停止としています。設備の洗浄には約1か月かかる見通しで、操業再開の目処は立っていません。 幸いにも、死傷者はいませんでした。蔵の製造設備も無事だといいます。 営業部の向田絵梨子さんは「
Amazonで販売されているお酒の豊富なラインナップが体感できる「Amazon Bar」が、9月18日(水)~23日(月)の6日間限定でオープンしました。 2017年に続いて2回目となる今回のテーマは「Tasting Fest」。ECサイトでの酒類販売は、実際に口にしないと購入につながらないケースが多いため、テイスティングを通じて好みのお酒に出会える機会を提供しています。 日本酒・ビール・ワイン・ウイスキーなど全9カテゴリー、約720種類のお酒が一堂に会するイベントの様子をお伝えします。 壁一面に広がる、圧巻のラインナップ会場は天王洲のキャナルエリア。「とても上質な空間です。『Amazon Bar』にぴったりだと感じて、ここに決めました」と、企画を担当した株式会社KANKOの斎藤さんは話します。 この日はあいにくの雨模様でしたが、おしゃれな雰囲気が漂う場所です。 中に入ると、さまざまなお酒
瓶のラベルや飲食店のメニューなどで目にすることの多い「火入れ」や「生酒」という用語。それらの違いや、混同されやすい「生詰め酒」「生貯蔵酒」について、イラストを使いながら説明します。 「火入れ」と「生酒」はセットで覚えよう「火入れ」と「生酒」は、日本酒の品質を保つために行われる、加熱処理の工程に関係する言葉です。 そもそも日本酒は、原料である米・麹・水をもとにアルコール発酵が起こることで造られます。「醪(もろみ)」というドロッとした白濁の液体を搾ることで、日本酒ができるのです。 日本酒を搾ったあとは、通常2回の加熱処理を行います。この作業が「火入れ」です。このとき、一切の加熱処理を加えず、生の状態で出荷される日本酒のことを「生酒」と呼ぶのです。 火入れをする理由火入れの工程は、なぜ必要なのでしょうか。 それは、日本酒をもっとも美味しい状態でキープし、保存可能な期間を長くするためです。 「今こ
SAKETIMES特集お知らせ【速報】フランス人によるフランス人のための日本酒コンクール「Kura Master 2019」のプラチナ賞と金賞が発表されました! ※Kura Master 2019 プレジデント賞の受賞結果はこちらです。 ※Kura Master 2022 プラチナ賞と金賞の受賞結果はこちらです。 2019年6月3日(月)、フランスで開かれる唯一の日本酒コンクール「Kura Master」において、プラチナ賞と金賞が発表されました。 「Kura Master」は、フランスを代表する五ツ星ホテルのトップソムリエ、ミシュランで星を獲得しているレストランの関係者、ホテル・料理学校関係者、ワインジャーナリストなど......現地のプロフェッショナルを中心に審査員が構成されている、フランス人によるフランス人のためのフランスの地で開催される日本酒コンクールです。 第3回となる今回は、2
「全国新酒鑑評会」という日本酒の鑑評会をご存知でしょうか? ニュースや店頭で名前を耳にしたことがある人もいるかと思いますが、「どんなものか実はよく知らない」という方も多いでしょう。 鑑評会を主催する酒類総合研究所によると、「新酒を全国的に調査研究することにより、製造技術と酒質の現状及び動向を明らかにし、もって清酒の品質向上に資することを目的」に開催されているそうですが......難しくてよくわかりません。 この「全国新酒鑑評会」について説明していきます。 平成28年度なのに新酒?──「BY」とは平成28年度の受賞酒が発表されるのは、和暦で平成29年の5月。平成29年になってだいぶ日がたっているのに"平成28年度の新酒鑑評会"というのは、どうも遅い気がします。 それもそのはず、ここでいう平成28年度というのは、酒造年度のことを指しています。 酒造年度というのは清酒業界で取り決めた帳簿・製造上
※2022年5月に発表された令和3酒造年度(2021)全国新酒鑑評会の審査結果はこちらです。 2019年5月17日(木)10:00に、「平成30酒造年度全国新酒鑑評会」の審査結果が発表されましたのでお伝えします。 今回は857点の出品があり、その内416点が入賞。さらにその中で237点が金賞を受賞しました。(☆印が金賞酒です) 北海道(入賞4点、金賞3点)青森県(入賞9点、金賞5点)岩手県(入賞11点、金賞6点)宮城県(入賞18点、金賞13点)秋田県(入賞23点、金賞18点)山形県(入賞21点、金賞13点)福島県(入賞31点、金賞22点)茨城県(入賞16点、金賞12点)栃木県(入賞15点、金賞11点)群馬県(入賞10点、金賞7点)埼玉県(入賞10点、金賞5点)新潟県(入賞32点、金賞15点)長野県(入賞26点、金賞14点)千葉県(入賞8点、金賞3点)東京都(入賞4点、金賞2点)神奈川県(入
入社3年目の22歳にして杜氏(製造責任者)に抜擢された女性が宮城県の酒蔵にいます。「伯楽星」と「あたごのまつ」の二本柱で美酒を醸している新澤醸造店(大崎市、醸造場所は川崎町)の渡部七海(わたなべ・ななみ)さんです。 男女を問わず、全国最年少杜氏になった渡部さんの酒造りへのひたむきな姿勢を探りました。 無縁のところから醸造の世界へ神奈川県大和市出身の渡部さん。父親はエレクトロニクス関連の会社員で、両親共に下戸だそうです。子供時代は、お酒とまったくの無縁でした。 そんな渡部さんが日本酒の世界へじわりと接近したきっかけは、志望する大学選び。「就職先は食品関連がいいなと考えながら、受験する大学を探しました」と話す渡部さんの目に止まったのは、東京農業大学でした。 「食品関連のなかでも一番興味があったのは、香りでした。農大にはその専門学科があり、これはいいなぁと思ったら、なんと北海道のオホーツクキャン
自力で資金調達をして酒蔵を買収し、若干24歳にして全国最年少蔵元になった男性がいます。新潟県佐渡市・天領盃酒造の社長を務める加登仙一さんです。 日本酒とは無縁だったそうですが、留学先で日本文化の魅力に目覚めたという加登さん。なかでも日本酒の奥深さに惚れこみ、「いつかは日本酒の事業をやりたい」という思いを募らせていました。 社会人2年目に、天領盃酒造が売りに出されていることを知り、買収を決意。2018年3月に晴れて蔵元となりました。今年の冬から、杜氏や蔵人たちと初めての酒造りにまい進しています。 加登さんの足跡とこれからのビジョンをうかがうため、佐渡の酒蔵へうかがいました。 日本酒を語ることができなかった 千葉県生まれの加登さんは、視野を大きく広げたいと国際関係の学部を志望し、法政大学に進学しました。学部では海外留学が必須だったため、加登さんはスイスの大学へ。そこで、人生を変えるできごとに出
日本橋髙島屋は、2018年9月下旬の新館オープンに合わせて、本館・新館・東館・タカシマヤウォッチメゾンの全4館が一体となった複合施設「日本橋髙島屋S.C.」として生まれ変わりました。 今回は、新館1階の食料品フロアに入っている「KINOKUNIYA entrée(紀ノ国屋 アントレ) 日本橋髙島屋S.C.店」を紹介します。 「紀ノ国屋」は都内を中心に展開している、上質な食材や商品を取り扱うスーパーマーケットです。 このたびオープンした日本橋髙島屋S.C.店には、他の店舗と同じような高品質の商品に加えて、200種類を超える日本酒が並んでいます。 国内外のハイクオリティな商品を揃える老舗スーパーが、なぜ日本酒に注力することを決めたのでしょうか。日本橋髙島屋S.C.店の日本酒を監修している、フリーアナウンサーで酒サムライのあおい有紀さんに話を伺いました。 ─ 「紀ノ国屋」で販売している酒類とい
現在、日本国内のスーパーマーケットでもっとも売れている大吟醸酒をご存知でしょうか。 売上ナンバーワン(※)を誇るのは、美酒王国・秋田に蔵を構える株式会社北鹿(ほくしか)の「大吟醸 北秋田」。クリーム色のラベルに筆文字で「北秋田」と書かれたパッケージを店頭で見かけたことがある人も多いと思います。 ※ KSP-POSの清酒カテゴリーにおける720ml瓶商品の2017年データより 大吟醸酒は米を50%以上も磨き、低温でゆっくりとていねいに造りあげられた、技術の粋を集めたお酒です。特別な日に飲む高価な日本酒というイメージがありますが、「大吟醸 北秋田」はそのイメージを覆し、四合瓶(720ml)で1,000円以下という驚きのコストパフォーマンスを実現。"日常の食卓で気軽に楽しめる大吟醸酒"という新しいジャンルを築いてきました。 新しい市場を切り拓くときに、困難はつきもの。「大吟醸 北秋田」がどのよう
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