書かれなかったジェンダー論：セクハラ、フェミニズム、男性学、ウーマン・リブ

論文 １９９７年頃（未発表） 書かれなかったジェンダー論のための前書き 森岡正博 私がフェミニズムに出会ったのは、一九八〇年代のはじめのころだ。 しかし、私がフェミニズムというものの真意を知ることになるのは、もっとあとのことである。親しい人々と傷つけ合いを繰り返すなかで、「女であるというだけで生きにくさをかかえている人たちがいる」ことを思い知らされた。そのとき、はじめて、私はフェミニズムというものが、なにを言おうとしているのかを理解したのだった。 そして私は、同時に、「私が男であるとはどういうことか」という重苦しい問いを突きつけられたのだ。私が男として生まれ、男として成長し、男としていまここに生存していることそれ自体が、女として生まれ、女として成長し、女としていまそこに存在しているあなたを苦しめているのではないか。私は加害者の意識にめざめた。男であることをやめたくなった。 しかしながら、そ

[sige1]

中島みゆきの「ファイト」を思い出した。/今自分の「性欲」を見つめている最中。死にたくなる。が、属性の陰に隠れて自分の犯す罪を「仕方ない」と嘯く人間にはなりたくないので、向き合う事は絶対に辞めない。

[nebokegao]

「もし敵と味方を分ける線をどこかに引かなければならないのならば、男と女の間にではなく、自分の既得権益を「守ろうとする者」と、「戦おうとする者」の間に引き直されなければならない」

[quagma]

読んでとても苦しかった。私は、フェミニズム的なもの(きちんと読んだわけじゃないのでこういう言い方に)に触れたとき、まず「セクハラオヤジにならなくてもいいんだ」という解放感を感じた。

[aozora21]

『いまの自分を正当化して相手を都合よく動かすことで自分の既得権益だけは守っておこうと』不毛な対立を煽る言説もしかり。

[yotayotaahiru]

・・・懐かしい・・・この文章が書かれたのとほぼ同時期に、某シンポジウムで初めて森岡先生の話を直に聞いたんだった。「無痛文明論」の出版はこれより後だよね。

[charliecgo]

「具体的な男たちや女たちが敵なのではなく、男たちや女たちがかかえもっているこれらのこころが、敵なのである。」同意。単純な二分法ほど危険なものはない。

[dimitrygorodok]

「人権」や「個人の尊厳」になぜ性別を表す語がくっ付いてないかって話／『恨みを異性にぶつけて報復するのではなく、まず自分の生にとって何がいちばん大切なのかをとことん掘り下げる』

[florentine]

「これを書きながら、私はみずからの人生にいまここで決着を付けていくのである」

[solt-nappa]

行間をもっとあけてくれーい。

[hatesenID]

……こういう人がいるならもう私ごときは何も言うことなどないような……いや、同じことでも私自身の言葉で発信し続けてゆくべきなんだろうな……。

[Masao_hate]

凄い。感動した”男か女か、女性学か男性学かという二分法に、私はもう乗らない。いまの自分を正当化して相手を都合よく動かすことで自分の既得権益だけは守っておこうとするすべての人間に、私は疑問を投げかける”