文字通り『ラテン語図解辞典』である。見出し語約500、図版約700点、この一冊で古代ローマの文化と風俗に関するラテン語の根本を知ることができる。 たとえば”abacus”。原義は石・大理石・土器などの矩形の厚板。その厚板を使って作られたのが食器棚やそろばんであり、ともに”abacus”である。図版によれば、古代ローマそろばんはケタが決まっていたらしい。右の2ケタは小数点以下を表し、左端は100万の単位だった。なんとなく、古代ローマの建築精度や穀物収穫量などが想像できて面白い。 たとえば”acus”。ラテン語では針またはヘアーピン。この辞典にはないが、現代英語でも”acus”は外科用の針の意である。新しい髪飾りのブランド名として、”acusを接頭辞にして新語を造語すると、英語圏では流行るかもしれない。 たとえば”aegis”。「メデューサの首がついたミネルウァ女神の防身具。メディーサは、その