『殊能将之読書日記』を読み返していて、瀬戸川猛資の死去と殊能将之のデビューがほぼ同時期であることに思い当たった。以下、そのあたりのことをおさらいしてみる。 1999年3月16日、瀬戸川猛資が肝臓ガンにより死去。「メフィスト」編集部が座談会で『ハサミ男』の作者へ呼びかけた号の校了がこの直後だろうか。 4月3日、福井の田波正は書店で「メフィスト」を手にし、巻末座談会で『ハサミ男』の受賞を知る。 5月28日、創元ライブラリより瀬戸川の代表作『夜明けの睡魔』文庫版が刊行。解説は法月綸太郎。わずか二ヶ月だから、この文庫化企画が死去を受けてなのか生前から進んでいたのかはわからないが、四月に法月が『夜明けの睡魔』を読み返していたことは間違いないと思われる。 一方、四月、五月と田波は、急に決まった受賞作刊行へ向けて改稿作業を進めていた。その流れの中で、『ハサミ男』の推薦文を法月が書くことが決まる。法月が読
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く