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2016年10月4日のブックマーク (1件)

  • 表象文化論学会ニューズレター〈REPRE〉:研究ノート (1)

    女性の裸体のなめらかさ、脹らみ、乳の流出といったものは、射精の感覚──中庭に向かって開く窓のように、それ自体死に向かって開ける感覚──を先取りする。(※1) ここで「射精の感覚」とされているのは、「une sensation de fuite liquide」、つまり直訳すると「液漏れの感覚」あるいは「液体が流出する感覚」である。この言葉は、これに先立って言及される「エロティスムの秘めやかな感覚」の言い換えであろうから、性行為の感覚を示す「射精の感覚」という訳に不自然はなく、むしろ見事な解釈とも思われる。だが、「射精の感覚」をみずからの体験とするのに適わないほうの性を生きる身としては、この一文について考えるとき、敢えて「液漏れの感覚」という言葉を出発点に置いてみたい。 1. そもそもこの一文は、ジョルジュ・バタイユ(1897‐1962年)が『エロティスムの歴史』の原稿に書き記したものである