石田雅男さんの幼少期の写真を示しながら講話する長島愛生園歴史館の田村朋久さん(右)=岡山県瀬戸内市の長島愛生園で2020年2月12日午後1時45分、戸田紗友莉撮影 国立ハンセン病療養所「長島愛生園」(岡山県瀬戸内市)で、語り部の入所者に代わってハンセン病の歴史や入所者の体験を学芸員が話す「継承講話」の取り組みが始まっている。2月中旬に始まった後は新型コロナウイルスの影響で講話の機会が激減しているが、入所者の高齢化が進む中で全国でも珍しい取り組みで、担当する学芸員は「入所者の多くは話を継ぐ家族がいないので、より危機感がある。入所者の思いを最大限生かしていきたい」と話している。 2月中旬、同県真庭市からの来園者20人を前に、長島愛生園歴史館の学芸員、田村朋久さん(43)が初めての継承講話を披露した。取り上げたのは、入所者自治会事務局長の石田雅男さん(83)の経験談。2019年12月ごろから田村