バンドとしての最終目標はない。常にあるのは前作よりも質の高い音楽を作ること──今回の「ムーンライダーズ セレクション」はバンドとしての《過去》と《現在》が楽しめるラインナップになっています。最初に、この3作品が放送されることへの感想をお聞かせください。 鈴木 感謝の気持ちでいっぱいです。特に2006年の映画『マニアの受難』は商品として入手が困難になっているそうで。それを多くの方に観ていただけるのは、大変うれしいことです。本当にありがとうございますという気持ちです(笑)。 ──『マニアの受難』は2006年に日比谷野外音楽堂で行われた30周年記念ライブの映像を軸に、高橋幸宏さんやPANTAさん、あがた森魚さんなど、多くの関係者やアーティストへのインタビューも交えた、ドキュメンタリータッチの作品になっています。 鈴木 皆さんのインタビューカットはどれも面白かったですね。特に、レコード会社関係者の