日本におけるシステム開発丸投げの時代が終わる。これまでユーザー企業のIT部門はシステムの内製力を次第に失い、SIerに開発、さらには保守運用までも丸投げするようになり、SIerを頂点とする日本のIT業界を肥え太らせてきた。だが、ビジネスのデジタル化に対応するために、ユーザー企業は続々とシステムを内製に戻す。もちろん、その担い手はIT部門ではない。 これまで日本企業は、世界的にみてITユーザーとして極めて特異な存在だった。パッケージ製品をそのまま利用することを嫌い、自社独自のシステムにこだわるにもかかわらず、自らシステムを作ることはないからだ。システムは内製が基本で、自ら作らないものについてはパッケージ製品を利用する米国のユーザー企業や、パッケージ製品を開発・販売するITベンダーからすると理解しがたいことだった。 実際、米国ではユーザー企業に技術者の7割以上が所属しているのに対して、今や日本