【マニラ=青木伸行】マレーシアのボルネオ島北部サバ州では、治安部隊によるフィリピンのイスラム武装集団に対する掃討作戦開始(5日)から、1週間が経過した。死者は12日までに武装集団54人をはじめ、10歳代の少年を含む計63人。治安部隊は武装集団が占拠していた村を奪還したが、武装集団はなお、森林に紛れゲリラ戦となっており短期決戦を阻んでいる。 現地からの情報などによると、百数十人から300人とみられM16、FAL自動小銃などで武装した集団は、ラハド・ダトゥから東へ約130キロの占拠したタンダオ村をはじめ、ラハド・ダトゥから南へ約150キロのセンポルナなどでも銃撃戦を展開し、広範囲に拡散している。 治安部隊はラハド・ダトゥに臨時司令部を設置し、東部沿岸を特別警備地域に指定。大規模な陸軍部隊とF/A-18、ホーク208両戦闘機を投入し、タンダオ村周辺地域などに爆弾を投下して11日、ようやく村を奪還