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bookに関するlakehillのブックマーク (778)

  • 「ポル・ポト<革命>史 虐殺と破壊の四年間」山田寛 著

    破壊と殺戮の二〇世紀の百年の中でも殊更異彩を放つのが1975~79年のカンボジアを支配したポル・ポト体制であった。人口八〇〇万人の国家で、約一五〇万人から二〇〇万人が殺され、全ての国民が農地へと送られ、貨幣と市場が否定され、宗教、文学、音楽、ありとあらゆる文化が弾圧され、行政機構が解体され、多くの建造物や社会インフラが破壊された。未だ謎の多いポル・ポトによる革命を整理した一冊。 ポル・ポトとクメール・ルージュ統治下のことについてはわからないことが多い。証拠となる資料があまり残っていないこと、クメール・ルージュ時代の真相解明が政争の道具となりがちなこと、事件を総括する裁判がその後の政治状況もあってなかなか開かれず、開始されたのが2007年とかなり間が空いたこと、当事者の多くが老齢で認知症となった者もいて証言を得にくくなっていること、そしてポル・ポト一人にその責をかぶせて真実に蓋をしてしまう傾

    「ポル・ポト<革命>史 虐殺と破壊の四年間」山田寛 著
  • 「暴力団」「続・暴力団」溝口 敦 著 | Kousyoublog

    福岡での抗争や山口組分裂騒動など暴力団絡みの大きなニュースをよく見かけるようになった一方で、暴力団についてよく知らないこともあって暴力団とは何かを知る概説書としてベストセラーになっている溝口敦著「暴力団」「続・暴力団」を読んでみた。 暴力団(新潮新書)[Kindle版] posted with ヨメレバ 溝口敦 新潮社 2012-07-01 Kindle Amazon[書籍版] 続・暴力団(新潮新書)[Kindle版] posted with ヨメレバ 溝口敦 新潮社 2013-04-12 Kindle Amazon[書籍版] 「暴力団」(2011)では「暴力団とは何か」その概要、組織、収入源(シノギ)、人間関係、海外の組織の動向と比較、警察の立場や諸法、暴力団に代わって台頭しつつある「半グレ集団」の動向などが解説される。続く「続・暴力団」(2012)では、2011年以降全国で制定され

    「暴力団」「続・暴力団」溝口 敦 著 | Kousyoublog
  •  「セックスと恋愛の経済学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    セックスと恋愛経済学―超名門ブリティッシュ・コロンビア大学講師の人気授業 作者:マリナ・アドシェイド東洋経済新報社Amazon 書は経済学者マリナ・アドシェイドがセックスと恋愛に絡むミクロ経済学的分析をかなり赤裸々に講義してくれるもので,進化心理学的には説明すべき現象としていろいろと興味深いものだ.原題は「Dollars and Sex: How Economics Influences Sex and Love」. 書では基的に様々な経済的な環境がヒトの恋愛,セックス,結婚離婚の意思決定にどう影響を与えるかが分析されている.その選好や動機はすでにある事実として前提になっていてそこを説明しようとするものではない.(もっともアドシェイドは一部進化的にこれを説明しようと試みているが,その部分はかなりスロッピーで残念な議論*1になってしまっている.) 全体の構成としては,若いときから子

     「セックスと恋愛の経済学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
  • 『ネアンデルタール人は私たちと交配した』「ズル」をしないで大逆転した男の一代記 - HONZ

    『ネアンデルタール人は私たちと交配した』は、人類のルーツをめぐる最大のミステリーを古代ゲノム解読で突き止めた、スヴァンテ・ペーボ博士による回想記である。 書の読みどころは、科学的な実験によって明かされる様々な事実の面白さのみならず、それを導き出すまでの長きに渡るプロセスも、余すところなく描いている点だ。「科学の営み」における光と影、その両面を知り尽くした分子古生物学者・更科 功博士の巻末解説を特別に掲載いたします。(HONZ編集部) 私たち現生人類、すなわちホモ・サピエンスは、二番目に脳が大きいヒト族である。そのホモ・サピエンスのひとりが、地球の歴史上、一番脳が大きいヒト族であったネアンデルタール人に興味を持った。彼はまったく新しい方法を使って、これまでまったくわからなかったネアンデルタール人の行動を明らかにした。それは、私たちホモ・サピエンスとネアンデルタール人の性交渉である。ホモ・サ

    『ネアンデルタール人は私たちと交配した』「ズル」をしないで大逆転した男の一代記 - HONZ
  •  「社会はなぜ左と右にわかれるのか」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学 作者: ジョナサン・ハイト,高橋洋出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2014/04/24メディア: 単行この商品を含むブログ (26件) を見る 書は,社会心理学者でありポジティブ心理学で有名なジョナサン・ハイトによる道徳についてのである.前著「しあわせ仮説」においては,心の二重過程を「象と象使い」と極めてうまく表現し,しあわせとは何か,どのようにしてしあわせになれるのかを解説していたが,書においては道徳を取り扱っている.背景には現代アメリカで進行している政治過程の極端な二元化への憂いがある.原題は「The Righteous Mind」.このRighteousという単語には「唯我独尊的な」「自分だけが正しいと感じる」というニュアンスがあって,その背景とあわせると絶妙な題になっている. 構成としては大きく3部に

     「社会はなぜ左と右にわかれるのか」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
  • ピケティ「21世紀の資本論」に対する疑問-資本の定義に矛盾あり- | ピケティの「21世紀の資本論」を読む(2015) | 東京財団政策研究所

    ピケティの将来予測とは? ピケティは既存のデータに基づいて予測を作っている。ピケティの予測だと3000年頃には資所得比率が700%近くになる(2010年時点では450% 程度)。このまま行くと、非常に不平等であった19世紀のヨーロッパ以上に不平等になり、これでは資主義も民主主義ももたないと指摘している。 税引き後の収益率についてもピケティは分析と推定をしている。20世紀に入るあたりから、特に1913~1950年にかけて、税引き後の収益率は非常に落ちている。一時期は成長率が税引き後収益率を逆転していた。これは税制の影響が大きい。こうした税制による税引き後収益率の低下が、クズネッツカーブが見られた一因だったと指摘している。 これに対して、レーガン、サッチャー政権あたりから世界全体が税率を下げる傾向にあり、それが税の所得再分配機能を低下させている。これにより成長率と税引き後収益率の逆転が再逆

  • 翻訳者「25年前に頼まれた翻訳オワタ\(^o^)/」出版社「え」 - そこにいるか

    塩尻公明さんの悲劇 岩波文庫版ジョン・スチュアート・ミル著『自由論』(原題:"On Liberty")のあとがきに、岩波書店の吉野源三郎がこんなことを書いている。 一九三八年ごろ、三木清、栗田賢三両氏と私とで相談して、岩波文庫に収録すべき哲学関係の文献のリストを作ったことがある。ミルの『自由論』もその中に入っていた。そして、その訳者としては河合栄治郎氏が最も適任だということは、私たち三人だけでなく、当時何人も認めるところであった。 吉野源三郎「あとがき」*1 J.S.ミル『自由論 (岩波文庫)』(塩尻公明、木村健康共訳)*2 吉野は河合栄治郎に学んだことがあり、河合もこの依頼を受諾。しかし自由主義者であった河合が軍部と対立して、いろいろあった結果休職処分となり(平賀粛学)、さらに出版法違反で起訴され法廷闘争を繰り広げることとなるにより『自由論』の翻訳どころではなくなってしまう。けっきょく河

    翻訳者「25年前に頼まれた翻訳オワタ\(^o^)/」出版社「え」 - そこにいるか
  • 狂騒のはじまり、天下を取ったと思った

    『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(以下『もしドラ』)が刊行されてから、今年で5年が経過した。このは、これまで実売で約255万部を売上げ、戦後のベストセラーランキングでは23位に位置している。なおかつ、以降はベスト30に入る書籍が生まれていないことから、今のところ「最後のベストセラー」ともいわれている。 では、この「最後のベストセラー」はいかなる経緯によって生まれたのか?――というのは、『もしドラ』を刊行してから最も多くされた質問の一つだ。 そこで、その発想から企画、執筆、販売に至るまで、『もしドラ』制作の裏側をあますところなく書き記したドキュメンタリーである『「もしドラ」はなぜ売れたのか?』を、このたび東洋経済新報社から出すことになった。 その詳しい内容については、ぜひ書にあたっていただきたいのだが、ここでは、そこでは描かなかったベストセラーの

    狂騒のはじまり、天下を取ったと思った
  •  アレンド・レイプハルト『民主主義対民主主義 原著第2版』 - 西東京日記 IN はてな

    もはや政治学の新しい古典とも言っていいの第2版。まだ読んでいなかったのですが、この度第2版が出たのを機に読んでみました。 個人的にこのを読んで得られた知見は以下の3つ。 多数決型民主主義とコンセンサス型民主主義を比べてみた場合、従来言われるコンセンサス型民主主義の欠点というのは実はあまりない。 「特殊」と言われがりな日の民主主義だけど、国際比較で見ると大部分の面で平均的。 「比較」というのはやはり大変。 まず1について。このの一番の主張はこれです。 民主主義には多数派による統治をめざす多数決型民主主義と、統治へのできるだけ広い参加を目指すコンセンサス型民主主義があります。多数決型民主主義の代表は小選挙区制で2大政党が争い勝った政党が単独内閣をつくることが多いイギリス、コンセンサス型民主主義の代表は比例代表制によって多くの政党が議席を持ちそれらの政党が連立して内閣をつくるスイスやベル

     アレンド・レイプハルト『民主主義対民主主義 原著第2版』 - 西東京日記 IN はてな
  •  坂野潤治『〈階級〉の日本近代史』 - 西東京日記 IN はてな

    帯には「軍国主義台頭の最大の理由は、社会的不平等だった!」との文句。 『日近代史』(ちくま新書)などで知られる坂野潤治が、「戦前の民主主義はなぜ崩壊してしまったのか?」という問題に迫ったです。 結論を先取りして言うと、戦前の政党が「平和と自由」という要素を重視しながら、民主主義にとってもう一つの重要な要素である「平等」を軽視したことが、戦前の民主主義の崩壊につながったというのが著者の考えになります。 このの「はじめに」の部分では、1937年の日中戦争から1945年の終戦までの間に小作農の生活が改善され、ついには自作農になった事例が紹介されています。 日中戦争から8年続いた戦時下の時代は、人々が抑圧された「暗い時代」としてイメージされがちですが、同時にある種の「平等」を実現するための政策が行われた時代でもあります。例えば、1941年に国民学校令が出され、義務教育はそれまでの6年から8年

     坂野潤治『〈階級〉の日本近代史』 - 西東京日記 IN はてな
  • ダメな統計学:目次|Colorless Green Ideas

    2017年1月20日追記:『ダメな統計学――悲惨なほど完全なる手引書』というが出版されることになった。このは、ここに掲載されているウェブ版の『ダメな統計学』に大幅に加筆したものだ。ウェブ版の『ダメな統計学』を読んで興味を持った方は、書籍となった『ダメな統計学』をぜひ読んでいただければと思う。書籍版の詳細については「『ダメな統計学――悲惨なほど完全なる手引書』の翻訳出版」という記事をご参照願いたい。 ここに公開する『ダメな統計学』は、アレックス・ラインハート (Alex Reinhart) 氏が書いたStatistics Done Wrongの全訳である。この文章は全部で13章から構成されている。詳しくは以下の目次を参照されたい。 はじめに データ分析入門 検定力と検定力の足りない統計 擬似反復:データを賢く選べ p値と基準率の誤り 有意であるかないかの違いが有意差でない場合 停止規則と

    ダメな統計学:目次|Colorless Green Ideas
  • ヒートテックは損、マットレスの効果は根拠なし…ヒット商品の嘘|LITERA/リテラ

    【ビジネスジャーナル初出】(2014年1月) 寒いこの季節、ユニクロの機能性インナー「ヒートテック」は肌身離せない定番アイテムだ。「ヒートテック」は、ユニクロが東レと共同開発した、機能性インナーのパイオニア的存在で、合成繊維のアクリルによる、ピタッとフィットして熱を逃がさない着心地に満足している人も多いだろう。 しかし実際には、その保温率は20.3%と、それほど高くない。この数値は『モノダス2014』(晋遊舎)が精密迅速熱物性測定装置を使って生地に対する値を測定したもので、比較した8ブランドの機能性インナーの中で6位だったというのだ。 同様に低保温率だったのが、セブン&アイプレミアムの「ボディヒーター」(19.1%)、しまむらの「ファイバーヒート」(13.7%)だ。 反対に保温率が高かったのは大手通販会社ベルメゾンの「ホットコット」(24.6%)で、価格も990~1990円で、ユニクロの「

    ヒートテックは損、マットレスの効果は根拠なし…ヒット商品の嘘|LITERA/リテラ
  • 著者の考えにまったく賛同できない名書にして珍書 - 高木徹『戦争広告代理店』 - 魔王14歳の幸福な電波

    単行版には「情報操作とボスニア紛争」というタイトルがついていました。その名の通り、「この紛争でモスレム人が被害者、セルビア人が悪玉という世論が形成されたのはPR企業の力だった」という内容。プロの手によるPR(Public Relations)が国際情勢にいかに大きな影響を与えるか、が書の主題であって、ボスニア紛争はその一実例という扱いです。紛争そのものについての突っ込んだ記述はほとんどなく、そっちの勉強が目的ならWikipdiaとかの方がよっぽど参考になるでしょう。 『戦争広告代理店』なんて言われると、広告会社が国際情勢を影で操る陰謀論めいた印象を受けますけど、実際は堂々としたもので、別に隠し立ても何もしていません。書の主人公であるアメリカの一流PR企業「ルーダー・フィン社」はボスニア政府とおおっぴらに、極めてビジネスライクに契約しています。分かっている後世の人間の目から見ると、よく

    著者の考えにまったく賛同できない名書にして珍書 - 高木徹『戦争広告代理店』 - 魔王14歳の幸福な電波
  • ボビー・フィッシャーを探して フレッド・ウェイツキン著 - 日本経済新聞

    アメリカにおけるチェスの現状は過酷なもので、たとえプロになったとしても稼げる金はわずかで、他に職を持つか、あるいは公園で賭けチェスをしながら細々と生きていかなければならない。野球やバスケットに比べることすらできない状況にある。しかし不思議なもので、全米の中には毎年のようにどこかで、神の子のように才能に満ちたチェス少年が出現する。6歳か7歳で異才を発揮し、それを大人に発掘された少年は、何も迷うこと

    ボビー・フィッシャーを探して フレッド・ウェイツキン著 - 日本経済新聞
  • Talpa memorandum

    橘玲の『「読まなくてもいい」の読書案内』を読んだので、感想とメモをまとめておく。 この、タイトルは『「読まなくてもいい」の読書案内』だが、実際には「読まなくていい」はほとんど紹介されていない。紹介されているのは、当たり前の話かもしれないが読むべきだ。他の読書案内と異なっているのは、”こういうは読まなくて良い”と、ばっさり切り捨てているところ。読むべきか・読まなくてもよいかの基準は、20世紀後半に爆発的に進歩した科学研究の成果に置いている。著者は、この時期に起きた科学研究の大幅な進歩を”知のビッグバン”、”知のパラダイム転換”と呼び、これ以前に書かれたは(とりあえず)読む必要がないと言い切る。古いパラダイムで書かれたは捨てて、新しいパラダイムで書かれたを読もうという話だ。ちょっと乱暴な分け方ではあるが、1980年代に大学生だった私には案外納得できるものだった。学生時代に最

  • 「排外主義を煽る書店」についての雑感 - 琥珀色の戯言

    参考リンク(1):排外主義を煽る書泉グランデ - Togetterまとめ 参考リンク(2):弊社ツイッターアカウントにご意見をいただきました件につきまして(SHOSEN) 僕も、在特会の桜井誠さんの著書を「有名書店がオススメする」ということには疑問を感じています。 在特会について取材したルポルタージュの感想を以下に紹介しておきます。 参考リンク(3):【読書感想】ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて(琥珀色の戯言) あと、「ヘイト・スピーチ」の定義について。 参考リンク(4):【読書感想】ヘイト・スピーチとは何か(琥珀色の戯言) この『ヘイト・スピーチとは何か』の冒頭には、こう書かれています。 2013年に日で一挙に広まった「ヘイト・スピーチ」という用語は、ヘイト・クライムという用語とともに1980年代のアメリカで作られ、一般化した意外に新しい用語である。日では「憎悪表現」と直訳さ

    「排外主義を煽る書店」についての雑感 - 琥珀色の戯言
  • 「はじめてUNIXで仕事をする人が読む本」著者インタビュー

    2014年3月25日にKADOKAWAより発売になった、株式会社創夢編「はじめてUNIXで仕事をする人が読む 」の著者である、koさん、kimotoさん、inajimaさんにインタビューしました。 インタビュアーはyukiです。 普通の会社で普通にUNIXを使う人はどうやってUNIXを覚えるのか?¶ yuki このは、もともとは創夢の新人研修用のテキストだったとのことですが、書籍として出版することになった経緯を教えてください。 kimoto はい、いいだしっぺのkimotoです。動機になったきっかけはいくつかあります。 創夢では、4月入社の新入社員研修を、技術系の社員が20数名、入れ代わり立ち代わり講師となってさまざまな角度からレクチャーしているのですが、2012年の4月から僕が研修担当のマネージャになって、新入社員研修のあり方について考える立場になったんです。 創夢はUNIXをメイン

    「はじめてUNIXで仕事をする人が読む本」著者インタビュー
  • 「〈身売り〉の日本史: 人身売買から年季奉公へ」下重 清 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    中世・近世を中心に日において人身売買がいかにして無くならず生き残り続けたか、を通史として浮き彫りにした文字通り「身売り」の日史の概説。 古代から中世にかけて、人はものとして売り買いの対象だった。鎌倉・室町時代を通して時の政権も例えば無理やり誘拐や騙して売り飛ばしたりといったものは不正とされたが人身売買そのものは禁止されなかったし、戦国時代は文字通り「人取り」という奴隷売買が国内のみならず海外向けにも行われていた。江戸幕府になっても禁止されたのは人商い業と人をかどわかして売る行為であって人身売買そのものは禁止されなかった。ただ、譜代下人から年季奉公へと雇用形態が変化したことによって人身売買の対象は大きく縮小したが、男性の人身売買はほぼ無くなったものの、いわゆる遊女・売女など苦界に沈めるという行為を通しての女性の人身売買は残り続けることになった。 何故江戸時代に女性の身売りは無くならなか

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  • 伊藤博文の「皇太子は操り人形」発言と明治国家の儀礼の創造 | Kousyoublog

    先日の記事「近代日、海水浴の誕生」で明治時代に日の医療制度の確立に多大な影響を与えたドイツ人医師エルウィン・フォン・ベルツについて紹介したが、そのベルツの日記に、彼が侍医を務めた皇太子嘉仁(後の大正天皇)の結婚に関するエピソードとして、伊藤博文の発言が紹介されている。明治三十三(1900)年五月九日の日記より。皇太子の結婚は翌日五月十日のこと。 『一昨日、有栖川宮邸で東宮成婚に関して、またもや会議。その席上、伊藤の大胆な放言には自分も驚かされた。半ば有栖川宮の方を向いて、伊藤のいわく「皇太子に生れるのは、全く不運なことだ。生れるが早いか、到るところで礼式(エチケット)の鎖にしばられ、大きくなれば、側近者の吹く笛に踊らされねばならない」と。そういいながら伊藤は、操り人形を糸で躍らせるような身振りをして見せたのである。――こんな事情をなんとかしようと思えば、至極簡単なはずだが。皇太子を事実

    伊藤博文の「皇太子は操り人形」発言と明治国家の儀礼の創造 | Kousyoublog
  • 「人身売買・奴隷・拉致の日本史」渡辺大門 いかなる時に奴隷化は許されたのか - 月記

    人身売買・奴隷・拉致の日史 作者: 渡邊大門 出版社/メーカー: 柏書房 発売日: 2014/03 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る たまに日に奴隷はいなかったと思っている人がいるみたいだが、当然そんなことはない。歴史書に奴婢・生口・下人などの名前で出てくるのがそれである。彼らは良民に隷属し、譲渡・売買・相続の対象になった。このは古代から戦国時代までの歴史書に登場するそれら奴隷の例が載せられているが、なかでも「良民から奴隷になることの禁止」について触れたものが目立つ。 労働力として奴隷を求めるものは多いが、社会全体にとってみれば必ずしも奴隷は好ましいものではない。律令制度では奴婢に対して良民より少ない口分田が与えられていたが、不輸不入の権を持つ荘園で働かされれば全く税がとれなくなる。限られた土地で奴隷労働をさせ他の土地を荒れるに任せるよりは、農民にそれぞれ土地を与えて耕

    「人身売買・奴隷・拉致の日本史」渡辺大門 いかなる時に奴隷化は許されたのか - 月記