コーディネータ: 坂井修一 ナビゲータ: 中島秀之 概要: 近年、人工知能が第三次ブームを迎えたと言われている。火付け役はシンギュラリティの議論(とその映画化)や、ディープラーニング(DL)の成功である。確かにアルファ碁がDLと強化学習を組み合わせた方式で囲碁の世界チャンピオンクラスに勝ったのは(コンピユータ囲碁の研究者にとっても)衝撃的であった。アルファ碁は豊富な棋譜から学んでいる。ビッグデータが容易に入手可能になった現在、DLはこれ以外にも様々な可能性を秘めている。 しかし一方で、DLは人工知能研究(AI)のホンの一部に過ぎない。AIでは従来パターン認識とシンボル処理が二大テーマとなってきた。DLはパターン認識技術として期待されているが、それをより高次の知的活動につなげる必要がある。そこには状況依存性の処理の問題など未解決の問題が山積みになっている。そしてまた、AIは情報技術(IT