世界金融の中心地、米ニューヨークのウォール街付近で経済格差の拡大や雇用不安・失業に反発する若者たちのデモが止まらない。欧州で今月15日に同時デモが予定されているほか、東京での抗議行動を訴えるウェブサイトも作られ、資本主義の暴走や拝金主義への異議申し立ては国際的な広がりを見せ始めている。いま、何が若者たちを結集させ、運動はどこに向かうのか。抗議行動の実態と行方を探る。【ニューヨーク山科武司、ロサンゼルス堀山明子、草野和彦、前田英司、秋山信一】 きっかけはチュニジアとエジプトで独裁政権を倒した中東の民主化運動「アラブの春」だった。アラブ民衆の力に感銘を受けたカナダの非営利雑誌「アドバスターズ」の創設者兼編集長のカレ・ラースン氏(69)らが7月13日、世界最大の金融街であるウォール街を「占拠しよう」とインターネットのブログで呼びかけた。 背中を押したのは、強烈な格差意識と、世界経済を牛耳る金融・
<KEY PERSON INTERVIEW> 中東の民主化運動「アラブの春」の行方を国際社会がかたずをのんで見守っている。4年前に著書「文明の接近」でアラブ諸国の近代化を予言していた仏歴史・人口・人類学者のエマニュエル・トッド氏に予言の背景と今後の見通しを聞いた。【聞き手・福島良典、写真・秋山信一】 ◇出生率、識字率で先読み--仏歴史・人口・人類学者、エマニュエル・トッドさん(60) --「文明の接近」(藤原書店、石崎晴己訳)で「アラブの春」の到来を予言し、16日に邦訳が刊行された「アラブ革命はなぜ起きたか」(同)で予言に至る分析を説明されています。ソ連の崩壊、米国の衰退に続く「第3の予言」の的中です。どうやって先を読んだのですか。 ◆ 手法はソ連崩壊の場合と同じです。当時、ソ連の人々は共産主義体制に抵抗できないと言われていましたが、出生率(女性1人が一生に産む子供の平均数を示す合計特殊出
◇成り行き任せはイヤ! 「子は天からの授かりもの」という。だからといって成り行き任せにしたり、逆に構えてしまうのも……。そんな20~30代の女性たちが取り組んでいる「妊活」なるものに迫った。【田村彰子】 ◇マイナスなんて何もない もっと取り組みやすい社会環境を整備して--プロゴルファー・東尾理子さん 「いつか子どもが欲しいと思うなら、赤ちゃんが来やすいように、今から体を整えていきましょう」 全国各地でヨガ教室を展開する「スタジオ・ヨギー」でインストラクターを務める高杉かおりさん(36)は、生徒が女性ばかりの時、授業の最初にこう語りかける。 「この2、3年、特に都会を中心に『いずれは妊娠したいから、体の不調を治しておきたい』という理由で訪れる女性が増えています」と高杉さん。 「なるようになる」ではなく、かといって思い詰めもせず、妊娠・出産に前向きに、しなやかに備える--「妊活」を言葉にすれば
「平和の国」ノルウェーを襲った22日の連続テロ事件は、当初はイスラム過激派の犯行を疑う見方もあった。だが、逮捕されたのは逆に欧州で増加するイスラム系移民に反発する極右思想の青年だった。事件の動機と背景を探った。【ロンドン笠原敏彦、前田英司】 ◇容疑者は極右青年 ノルウェーからの報道によると、警察当局に逮捕されたのはアンネシュ・ブレイビク容疑者(32)。インターネットへの投稿や地元メディアの報道から浮かび上がる人物像は、移民に寛容な北欧型の「開かれた社会」に反発を増幅させていった姿だ。自らを「愛国主義者」などと評し、その言動には自己陶酔の世界さえ垣間見える。 「信念ある1人の人間は(自らの)利益しか考えない10万人分もの力に値する」。ブレイビク容疑者が簡易型ブログ「ツイッター」に18日残した犯行予告とも読めるつぶやきは、19世紀の英国人哲学者ジョン・スチュワート・ミルの名言をまねたものだった
バーガーキング・ジャパンは16日から、同社のハンバーガー「WHOPPER(ワッパー)」を自由におかわりできる「“B”iking(バイキング)」キャンペーンを開始する。同日~10月15日の期間限定。 店内でワッパー系ミール(フレンチフライもしくはオニオンリング+ドリンクのセット)を食べきると、購入したハンバーガーと同じ商品をいくつでも食べられる。対象商品はワッパー系ミール(MMサイズ以上、グリルTeriyakiミール含む)で、カウンターにバーガーの包装紙とサイドメニュー(ポテト・オニオン)の入れ物、購入時のレシートの3点を持っていく。受付時間は、レシートに記載されている時間から30分間。ワッパーミールのMMサイズ(フレンチフライMもしくはオニオンリングM+ドリンクM)は750円。 同社は「食欲の秋にふさわしく、バーガーキングでしか味わえない幸せを多くのお客様に心ゆくまで実感していただきたい」
◇「琉球併合に国際法上の根拠はない」 学者ら論文、06年以降20本 沖縄に対する中国の権利が今もある--。こんな刺激的な主張が最近、中国の歴史学者の間で有力になりつつある。沖縄がかつて琉球王国時代に中国との交易で栄え、中国に従属する地位にあったことを根拠にしている。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で日米同盟が揺らぎ、沖縄と日本政府の関係もぎくしゃくする中、中国では「沖縄を返せ」の声が強まっている。【「安保」取材班】 昨年12月、北京。中国人歴史研究者らによるシンポジウムが開かれ、「明治政府による琉球併合(1879年)も、戦後の沖縄返還(1972年)も国際法上の根拠はない」との主張が繰り返された。主催者の一人、徐勇・北京大教授は、日中関係史が専門で、日中歴史共同研究の中国側委員も務めた有力研究者だ。 沖縄の「日本帰属」を支持するこれまでの中国の公式見解を覆す主張だ。上里賢一・琉球
博士号取得後に任期付き研究員(ポスドク)として大学や公的研究機関で働く人たちの民間企業への就職を増やそうと、文部科学省が、ポスドクを採用した企業へ1人につき500万円を支給する。国策としてポスドクを増やしながら受け皿不足が指摘される中、「持参金」で企業側の採用意欲を高める狙い。文科省が企業対象の事業を実施するのは珍しく、09年度補正予算案に5億円を計上した。 政府は90年代、高度な研究人材を増やそうと、大学院を重点化し博士号取得者を増やした。博士の受け皿となるポスドクは1万6000人を超えたが、企業への就職は進んでいない。日本経済団体連合会の06年調査で、技術系新卒採用者のうち博士は3%だ。 文科省の調査によると、ポスドクの6割以上は企業への就職も視野に入れているが、企業側の技術系採用は修士が中心で、85%が「過去5年にほとんど採用していない」と答えている。企業側が「食わず嫌い」している状
◇「仲間思い出せ」 1年前、居酒屋店主に「本音」 07年7月、青森の短い夏を焦がすねぶた祭りが近づいていた。 それはちょっとした事件だった。市内の繁華街にある小さな店で、突然、太いおえつの声が上がった。酔客のカラオケと若いホステスのきょう声が一瞬、止まった。さっきまで焼酎の水割りをちびりと飲んでいた青年が、目を真っ赤にして、しゃくり上げ、号泣していた。 「ここにいるみんなが苦労してるんだぞ。お前の考えは甘いんじゃないのか。頑張らねば、まいね(だめ)だ」 隣に座っていた居酒屋の店主(42)が諭した言葉が、彼の心を突き刺した。地元の名門高校を卒業したものの不定期の仕事にしか就けず、ゲームセンター通いの日々。おえつを抑えながら「家に居づらいんです」と漏らした彼に、店主は「ようやく本音を吐き出したな」と感じた。不器用だがかわいい弟のような存在。自分たちを仲間だと信じていた。翌08年6月、彼、加藤智
◇報酬不払い・減額…「泣き寝入りしません」 フリーの音楽家やライター、自営業者らが、不況による報酬の不払いや引き下げに対応するために労働組合を結成した。会社に雇われて給与を受け取る労働者と違い、個人事業主による組合はまれ。メンバーは「私たちの仕事は、実質的には委任や請負、外注で働く委託労働。労組を通じて仕事や生活を守りたい」と話している。【東海林智】 この組合は「連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン」(向笠真弘委員長)。23日に結成集会が開かれ、22人が参加した。音楽家やライターのほか、小さな事務所や自宅でパソコンなどを利用するビジネスSOHO(ソーホー=スモールオフィス、ホームオフィス)を営む人たちだ。 メンバーによると、経済情勢が悪化し始めた10月ごろから、報酬の不払いや減額が目立ち始めたという。しかし、個人で企業側と交渉すれば仕事を止められるのではないかという心配から、泣き寝入りする
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