――2012年4月、石原慎太郎・東京都知事が米国での講演で、都による尖閣購入計画を表明しました。 「衝撃的だった。元々、尖閣国有化は小泉政権の頃から水面下でやっていた。都による購入が事態を悪化させるのなら、(歴代政権が)細々とやっていた国有化交渉に、もっと本気で取り組まなければと直感的に思った。平穏かつ安定的な維持のためには、個人の所有より国が管理したほうがいいという考えがあった」 ――中国などの反発をどう考えていましたか。 「日本が実効支配し、領土問題は存在しない。国際法上も日本の領土だ。一方で、実効支配を着々と進めていくためには急激なことはしてはいけないという思いもあった。外交交渉は100対0で勝つことはありえない。51対49くらいの差でも前進させることが大事だ」 「(石原氏が言及した尖閣の)灯台の改修や船だまりの設置は反発が大きく、予測を超えるのではないかと懸念があった。そこまではや