戦艦「大和」が旧日本海軍の秘密兵器なら、旧日本陸軍のそれには何があるでしょうか。満州事変以降、大陸で中国人から「鉄竜」と呼ばれた装甲列車は、謎多きまま歴史の舞台から消えていきました。 海の「大和」 陸の…? 旧日本海軍はアメリカと艦隊決戦をするために、秘密兵器として戦艦「大和」を建造しました。旧日本陸軍も中国大陸でソ連と戦う秘密兵器をいくつも用意していました。敵防御陣地前面という危険地帯で活動する、現代の無人地上車に相当する遠隔操作装甲車までありましたが、秘密兵器の多くは真価を発揮することなく消えていきました。そのひとつに、中国人が「鉄竜」と呼んだ「九四式装甲列車」があります。 拡大画像 九四式装甲列車の先頭に立つ警戒車。30cm探照灯を中央に、左右には九二式重機の銃塔が配置されている。下部には障害物を排除する排障器がある(画像:月刊PANZER編集部)。 装甲列車はその名の通り、鉄道を走