日本は飢餓とは無縁の国と思われていますが,最近にあっては,そうでもないことがしばしば指摘されています。餓死の報道に接することはよくありますし,統計でみても,「食料の不足」が原因の死亡者(餓死者)は存在します。 死には至らずとも,飢餓状態で苦しんでいる人,十分な食料がない状態で過ごしている人まで射程に入れれば,相当の数にのぼるのではないでしょうか。格差社会化,孤族化というような,近年のわが国の社会変化を考えると,こういう懸念が持たれます。 実は,最新の『世界価値観調査』(2010~14年)において,この点がダイレクトに尋ねられています。「この1年間,十分な食料がない状態で過ごしたことがある」という項目を提示し,4段階で頻度を答えてもらう設問です。 http://www.worldvaluessurvey.org/wvs.jsp 日本の回答者2443人(16歳以上)のうち,この項目に「しばしば