8月末、実家で法事をするため久しぶりに家族5人で愛媛に帰省した。空いている日に愛媛と高知の県境にある四国カルスト(写真1)に初めて行った。カルストとは石灰岩など水に溶解しやすい大地が侵食されて出来た地形で、四国カルストは標高約1400メートルの高原である。 四国にしては雄大な眺めで良かったのだが、それよりも帰り道に立ち寄った坂村真民記念館が印象に残った。坂村真民は2006年に97歳で亡くなった詩人で、記念館は真民が暮らした砥部町に今年3月オープンしたばかりだ。名前だけは聞いたことがあったがどんな人物なのか、どんな詩を作ったのかまったく知らなかった。記念館に展示されている詩人本人が大きく墨書した詩は、どれも平明だが人を力づけるものがある。代表作である「念ずれば花開く」という詩は世界700カ所以上に詩碑が建てられているという。 さて、本論に入ろう。米アップルの「iPad」が日本で発売されて2年