サッカー専門誌の編集者時代から現在に至るまで、使ってきた取材ノートの数は73冊以上に上る。それらに残されたメモを頼りに、日本サッカー界の様々な時代をひも解いていく。第58回は、日本サッカーにその名を刻む偉大なGK眞田雅則。決して大きな体ではなかったが、知性と勇気溢れるプレーに皆が魅了された。現代サッカーに必要なGKとしての《資質》を生み出した彼の意思は今もなお、たくさんの人々の心に温かく残っている。 世代による共感、というものがある。 眞田雅則 1968年3月6日生まれ。“サッカー王国”清水で生まれ育ち、清水商業高、順天堂大、全日空を経て清水に加入。Jリーグ草創期から正GKとして活躍し多くのファンを魅了した。冷静な判断力や的確なセービングでゴールを守る姿はまさに現代サッカーにおけるGK像の礎。04年に現役を引退後、清水、千葉のGKコーチを務めたが、今年9月6日、急性心不全により帰らぬ人とな