今年のインプットのテーマとして、裁判例を読むことに注力したい、と書きました。 知財分野において、判決を読むことは、「研究」のレベルから、ざっと内容を確認するレベルのものまで、盛んに行われています。研究者でない実務家であっても、広く行われていますし、実務上の指針を得るために必要があると考えられています。 特許庁への手続に不服がある場合には、特許庁内での審判を経て知的財産高等裁判所へ審決の取消が申し立てられますので(審決取消訴訟)、そこでの判断は実務上参考とされます。また、侵害訴訟や職務発明訴訟等についても、当事者となりうる企業知財部や代理人・補佐人等になり得る弁理士にとって、同種の案件に直面したときにどのような結果になるのかを予想するために、参考とされます。 また、知的財産分野の判決は、ほとんど全部が公開されます。通常は判決の言渡しから数日以内、当事者を仮名にする、支障のある部分を黒塗りにす