新年早々、誰も居ない場所へいこう。 というわけで山梨・八ヶ岳を降りていく。よくよく考えると電車を使えば良かったのに、なぜか電車という発想が頭から完全に抜けており、雪も残る冬の山を1時間半歩き続ける。標高は1,000メートルを越え、凍った地面が足元の自由を奪う。昨晩、急に電車へ飛び乗ったため厚着でもない。ただのバカだ。 山の残酷さをひしひしと実感する。まず、引き戻れない。ある程度歩くと、もはや引き返そうが進もうが大して変わらないので、どうせなら進んでいくしかない。途中で「電車に乗れば良いのでは?」と気づいたところで、もう駅まで戻る方が手間なのだ。そしてコンビニも自販機もない。途中で腰を据えて落ち着くポイントも水分補給もできない。暖かな缶コーヒーで冷え切った手を温めることも叶わないのだ! 自然は厳しい。 とはいえ、歩けば着く。1時間半、ただただ山道を行くとようやく街が見えてくる。人の気配がする