スペインの首都マドリードから電車で南へ1時間半。プエルトリャノという内陸都市に着くと、巨大な石油化学コンビナートが眼前に迫ってきた。石化コンビナートの一角にはスペインの肥料大手フェルティベリアが運営する肥料用アンモニア工場。さらに奥に進むと、真新しい設備が並ぶ工場が見えてくる。スペインの電力大手イベルドローラの水素生産工場だ。この工場は2022年に建設された。投資額は1億5000万ユーロ(約
二酸化炭素(CO2)を排出しない次世代燃料として注目されるグリーン水素。バルセロナを中心としたスペイン・カタルーニャ州は、石油化学や自動車産業で培った技術などでグリーン水素供給網を構築し、欧州の脱炭素社会化をリードしたい考えだ。そこで関係者が注視するのが日本企業の動向。同州幹部は日本の水素技術に「世界でも有数だ」と期待を寄せる。 石油のノウハウ再生可能エネルギー由来の電力を使用して生産し、その過程でCO2を排出しないグリーン水素は、脱炭素社会実現に重要な役割を担うとされる。各国ではグリーン水素への転換を目指したさまざまな施策が進行。スペイン・カタルーニャ州も欧州におけるグリーン水素の供給拠点を目指している。 同州の海の玄関となる港湾都市タラゴナは、石油化学産業の拠点として発展。こうした歴史的経緯を踏まえ、パイプラインを活用した欧州各国へのグリーン水素配給を視野に入れる。手始めに2035年ご
スペイン・バスク州政府は7月12~13日、日本企業を対象とした水素ミッションを実施。在欧日系企業16社などを含む31人が参加した。同州は従来、エネルギーや鉄鋼、自動車・造船・航空宇宙、機械などの重工業が盛んで、製造業が州経済に占める割合は23.4%(2021年)と、スペイン全体(16.9%)よりも高い。既存産業を再生可能エネルギーなど新産業に適応させてきたことが製造業の維持強化に奏功したとされる。 同州が官民で進める「バスク水素回廊(BH2C)」は、グリーン水素の生産、輸送・貯蔵、産業・モビリティー利用にまたがる46のプロジェクトを実施。主導企業の石油大手レプソルは生産したグリーン水素を産業利用する実証事業を進めており、傘下のペトロノールの精製所(ビルバオ市郊外)に2.5メガワット(MW)の電解槽を設置し、グリーン水素を生産している。ペトロノールのエネルギー移行事業部門アルバ・エミッション
スペイン政府は6月28日、2050年までのカーボン・ニュートラル(炭素中立)達成に向けた2030年の中間目標を定めた「国家エネルギー・気候計画(PNIEC)2021-2030」の改定案を公表した(注)。PNIECは、2030年までの部門別エネルギー政策および投資の指針となるものだ。 同計画が採択された2021年3月以降(2021年8月30日付地域・分析レポート参照)、EUレベルで気候変動対策パッケージ「Fit for 55」が策定され、移行目標がより強化された。ウクライナ情勢によってエネルギー安全保障をめぐる状況が大きく変わり、ロシア産化石燃料依存からの早期脱却計画「リパワーEU」が推進された。また、近年の再生可能エネルギー(再エネ)発電投資ブームにより、スペインでは再エネ発電設備の導入が極めて好調となっている。改定案にはこうした変化が織り込まれ、目標が大幅に上方修正された。2030年目標
ジブラルタル(Gibraltar)は、イベリア半島の南東端に突き出した小半島を占めるイギリスの海外領土。 ジブラルタル海峡を望む良港を持つため、地中海の出入口を押さえる戦略的要衝の地、すなわち「地中海の鍵[1]」として軍事上・海上交通上、重要視されてきた[2]。現在もイギリス軍が駐屯する。 半島の大半を占める特徴的な岩山(ザ・ロック)は、古代より西への航海の果てにある「ヘラクレスの柱」の一つとして知られてきた。半島は8世紀よりムーア人、レコンキスタ後はカスティーリャ王国、16世紀よりスペイン、18世紀よりイギリスの占領下にあるが、その領有権を巡り今もイギリスとスペインの間に争いがある。カリフォルニア大学バークレー校のロン・ハスナーによると、ジブラルタルをめぐるイギリスとスペインの対立が、現在も続いている中で記録上最も古い領土問題である[3]。 地名の由来は、ジブラルタル海峡を渡ってイベリア
オランダのロッテルダム港湾局とスペインの総合石油会社セプサ(Cepsa)は10月11日、欧州の主要港の2つであるロッテルダム港とスペインのアルへシラス港間のグリーン水素サプライチェーンに関する覚書(MOU)を締結したと発表した(プレスリリース)。 同覚書で両者は、欧州の北部と南部を結ぶ初のグリーン水素回廊の設置に向けて協力することに合意。当該ルートは2027年までに稼働予定としている。 セプサはアルへシラス港近郊のサンロケ・エネルギーパークで生産した水素を、アンモニアやメタノールなどの水素キャリアを介してロッテルダム港へ輸送することを見込んでいる。 ロッテルダム港は欧州で最も重要なエネルギー港の1つで、欧州のエネルギー需要の13%を処理している。また、アルヘシラス港はスペインで1位、欧州で4位の港で、欧州とアジアの間の重要な貿易港の1つだ。 セプサのマーティン・ウェスラー最高経営責任者(C
双日は、このたび、フランスの石油製品関連基地会社の Rubis Terminal Infra SAS(以下「ルビスターミナル」)、スペインのインフラ投資関連会社 Reganosa Asset Investment (以下「レガノサ」)(※)と、欧州でのグリーン水素のサプライチェーン構築事業を共同で調査するためのMOU(以下「本覚書」)を締結しました。 スペインは太陽光発電、風力発電のポテンシャルが高く、総発電量に占める再生可能エネルギー発電量の割合が30%を超えており、グリーン水素の生産・供給地として期待されています。 その中でも、レガノサがLNG受入基地を運営しているスペイン北西部・ガリシア州は、北西ヨーロッパの主要港(アムステルダムやロッテルダム、アントワープなど)へのアクセスにおいて地理的優位性を有していることから、グリーン水素製造・輸出拠点の最適地の一つと考えています。 レガノサは
スペイン電力大手イベルドローラ(ティッカーシンボル:IBE)は8月9日、英国最大級のコンテナ港であるフェリクストウ港の脱炭素化に向け、1.7億ユーロ(約230億円)を投じて大規模グリーン水素プラントを建設すると発表した(*1)。2026年に稼働を開始する予定だ。 グリーン水素は電解槽を用い、再生可能エネルギー由来の電気により、水を水素と酸素に分解して製造する。同プラントの初期段階の年間生産能力は1.4万トン。港で利用される最大1,300台のグリーン水素駆動のトラックと、港まで物資を運ぶ列車向けに再生可能エネルギー由来水素を供給する。さらに、グリーンアンモニアもしくはエタノールも生産し、船舶向けに供給を模索するほか、海外市場へ輸出する機会の創出も図る。 イベルドローラの英国子会社であるスコティッシュ・パワーと港湾事業に投資する事業信託の香港ハチソン・ポート(HPHT)が共同で、ブラウンフィー
ガスパチョ(スペイン語:gazpacho、ポルトガル語:gaspacho)とは、スペイン料理とポルトガル料理の冷製スープである。スペイン料理のスープとしては極めて有名な物の1つとされる。暑さの厳しい地方や夏に特に好まれる。トマトを用いたガスパチョが一般的。 概要[編集] ガスパチョ 角切りのガスパチョ ガスパチョ発祥の地はスペインのアンダルシア地方である。初期のガスパチョはパン、ニンニク、食塩、酢、水だけから成っていたが、19世紀までにはトマト、キュウリなどが入るようになった。 本来は木のすり鉢とすりこぎで素材をすりつぶしていたものの、今ではミキサーやフードプロセッサーを使うことが多い。しかし通の間では電気機器を使ってガスパチョを作るのは邪道であるという意見がある。野菜やパンはピュレー状にせず、角切りにするだけの場合もある。その日に作ったものより1日経ってからのほうが味がなじんで美味しくな
^ 直流区間で値が同一の場合は直流での値(括弧書きの値)を無記載にしている。 ^ a b 特記無き場合、25 kV · 50 Hz ACにおける値。斜体は計画値または暫定値。括弧書き内の値は 3 kV DC での値。なお交流専用車両の場合は (-) にて直流における値が無いことを示す。 ^ 別途、身体障害者用シート 2席 がある。この数は表の定員から除外した。 ^ 別途、身体障害者用シート 1席 がある。この数は表の定員から除外した。 路線[編集] タラゴナ・マドリード間の高速新線 営業路線[編集] AVEシステムの中心ハブは、マドリードのアトーチャ駅。 アンダルシア方面(南回廊)(マドリード=セビリア高速鉄道線) AVE マドリード - コルドバ - セビリア(シウダ・レアル、プエルトジャーノ、コルドバを経由) AVE マドリード - コルドバ - マラガ(コルドバ - マラガ高速鉄道線
スペインにおけるカタルーニャ州(赤) カタルーニャ独立旗「アスタラーダ」 分離主義者が主張するイベリア半島の民族分布。この論に立つ場合、スペイン人は諸民族の大部分を統合する概念となる。 カタルーニャ独立運動(カタルーニャどくりつうんどう)は、スペインからのカタルーニャ州の独立を目指す政治運動である。スペイン中央政府がカタルーニャ民族を軽視するような言動を繰り返したこと、カタルーニャ州が税金として支出する金額とスペイン中央政府から還元される金額に大きな隔たりがあること、この2点が理由で2010年代に独立運動が盛んになった[1]。カタルーニャ・ナショナリズムの一つの形態である。 特に2017年カタルーニャ独立住民投票に関連しては、後述する中央政権と州政府の激しい対立と、その結果としての自治権の一時廃止、州首相の事実上の亡命に至ったことから海外メディアでは「カタルーニャ危機(紛争)」に相当する
週刊東洋経済のオンラインウェブサイトで、フリーゲージ列車がスペインで成功したワケという記事が公開されています。この手の記事で、「〇〇する訳」みたいに記事名を付けるのは、そうすることでページビューを稼ぎやすいということがあるようなのですが、あまり内容をきちんと表現できていないものになっていますね。実際には、成功した理由をきちんと解説できていません。 スペインが、広軌の在来鉄道網を持ちながら、なぜ高速新線で標準軌をあえて選択したのか、についての解説はきちんとされていますね。しかし、日本でうまくいっていない軌間可変車両が、スペインだとかなり実用化されている理由は、まだまだ不足しています。 この記事でもスペインでは広軌と標準軌の可変をやればよいのに対して、日本は狭軌と標準軌の可変が必要で、床下機器のスペースなどで非常に強い制約となっているということには触れています。これは重要な問題です。 しかしこ
九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)は、新鳥栖―武雄温泉間で在来線区間を走る。軌間の異なる新幹線区間と在来線区間の両方を同一の列車が走ることができるようにと、長年にわたって開発が進められてきたのがフリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)である。 しかし、不具合が見つかるなどの理由で開発が遅れて2022年の開業にはFGTは間に合わず、途中駅で新幹線列車と在来線列車とを「対面乗り換え」でしのぐ事態となった。現在、国の技術評価委員会が不具合の対策を検証しているが、雲行きは怪しい。FGTの地元では「いっそのこと、ルート全体をフル新幹線仕様で建設してほしい」という声も上がる。 一方、FGTの本家本元ともいえるスペインでは、異なるレール幅の線路を自由に走れる最高時速330キロメートルの超高速列車の生産を本格的に開始し、2020年には新型車両の運行を目指しているという。高い技術を誇るはずの日本ででき
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