沸騰水型原子炉(BWR)を備える日本原子力発電(原電)東海第二原発が立地する茨城県東海村の山田修村長が、雑誌の対談で「安定的な電力の供給は絶対に欠かせない。BWRについてもしっかりと再稼働していく必要がある」と、東海第二の再稼働を容認すると受け取れる発言をしていたことが分かった。山田氏は「東海第二の個別の話ではない」と否定するが、これまで「中立」として賛否を明らかにしていなかっただけに、波紋を広げそうだ。 発言は、原子力業界誌「ENERGY for the FUTURE(エナジーフォーザフューチャー)」(ナショナルピーアール社・東京)の十月五日号に掲載された、東京電力柏崎刈羽原発がある新潟県刈羽村の品田宏夫村長との対談で出た。テーマは「BWRの再稼働」。BWRは福島第一原発や柏崎刈羽で使われ、福島第一の事故後は一基も再稼働していない。再稼働しているのは、PWR(加圧水型原子炉)の九州電力川
2003年8月20日、同年7月12日に亡くなった元関西電力名誉会長・芦原義重のお別れ会が大阪市内のホテルでとりおこなわれた。葦原は福井県美浜原子力発電所開設の陣頭指揮をとるなどし、関西電力“中興の祖”ともいわれる。(写真:読売新聞/アフロ) 関西電力の役員ら20人が福井県高浜町の元助役から金品を受け取り、ついに関西電力ツートップが辞任にまで追い込まれた問題。 なんでもかんでもコンプライアンスにひっかかるこのご時世に、あからさまな金品受領などあり得ないだろう。「返却を申し出たが、恫喝され返却を諦めざるを得なかった」「精神的苦痛から体調を崩した」という、サラリーマンとしては同情を禁じ得ない話もある一方で、幹部が業者から金品を直接受け取っていたという言い逃れできない報道もあり、関電の役職員が私利私欲に走ったのか、それとも元助役の被害者なのかを判断するには、まだまだ予断を許さない状況にある。 しか
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元助役への提供突出=工事情報、花見や誕生会も-関電「有力者」手厚く対応 2019年10月07日12時18分 関西電力の役員らが福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から多額の金品を受け取っていた問題で、関電が発注する工事に関する情報を森山氏に突出して多く提供していたことが5日までに分かった。花見や誕生会なども開催していたといい、「地域の有力者」に手厚い対応を続けていた。 【まとめ】関電幹部、多額の金品受領~「原発マネー」還流か~ 関電の調査報告書によると、同社は森山氏に原発に関わるさまざまな情報を「幅広く、できるだけ早い時期」に提供。地元企業に発注予定の工事について概算額を算出し、発注時期や工期、規模などを伝えていた。 森山氏に資金を提供していた建設会社「吉田開発」(高浜町)は同氏を通じて情報を得ていたとみられ、2014~17年に関電やゼネコンから受注した113件の原発関連工事のうち、83件
特命発注、代々引き継ぎ=関電、吉田開発は「特別な理由」-京都支社で8件 2019年10月07日12時18分 関西電力幹部らが福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から多額の金品を受け取っていた問題で、関電が一部工事を森山氏と関係の深い建設会社「吉田開発」(同町)に独占的に発注し、社内の関係部門で代々引き継がれていたことが4日、分かった。こうした工事契約は「特命発注」と呼ばれ、関電は社内規定に定める「特別な理由」に該当すると判断していた。 【まとめ】関電幹部、多額の金品受領~「原発マネー」還流か~ 関電は2014~17年に18件の工事を吉田開発に特命発注。このうち、京都支社は管内北部の社宅建設工事など8件を発注した。関電によると、「高浜町の企業に発注してほしい」との森山氏の意向が背景にあるという。 関電の岩根茂樹社長は2日の会見で、「立地地域企業への発注は重要課題」と述べる一方、吉田開発への発
稲田朋美元防衛相/(c)朝日新聞 2日に2度目の記者会見を関西電力の八木誠会長(中)と岩根茂樹社長(右)(撮影/今西憲之) 自民党の稲田朋美元防衛相の政治資金報告書 アイビックスの吉田敏貢会長は稲田氏の後援会長を務めている。 関西電力の役員ら20人が3億2千万円もの金品を、原発がある福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から受け取っていた問題で、関電は2日、記者会見を再度開き、社内調査の結果を公表した。八木誠会長は金貨や金杯、スーツ仕立券など859万円相当を、岩根茂樹社長は金貨10枚(150万円)を受け取っていたことなどが判明。だが、進退については「再発防止、真相究明することで役割を果たしたい」とし、2人は辞任せず減給処分になると説明した。 【アイビックスの吉田敏貢会長の名前があった「収支報告書」はこちら】 社内調査報告書では、高浜町の「影の町長」とも呼ばれた森山氏が「国会議員に広い人脈
森山元助役の奇異な行動 「信じられませんね。電力会社は運命共同体になっていれば、いくらでも便宜を図ってくれる。幹部に金品を押しつける必要なんて、まったくない。私には、そんな発想が生まれたことすらない」 東京電力関係者の間で、「原発フィクサー」と呼ばれる建設会社オーナーが、率直にこう漏らす。 確かに、関西電力の歴代トップらに金品を渡していた森山栄治・元高浜町助役の行動は奇異である。 関西電力は、2日、岩根茂樹社長の“逃げ”に終始した前回の記者会見を反省のうえ、八木誠会長とともに再会見、詳細に説明するとともに社内調査報告書を公開した。 驚くべき内容だった。 金品を受領していたのは20名で、現金、商品券、金貨、小判、スーツなどの形で約3億2000万円が贈られ、なかでも原子力事業本部の中枢にいた豊松秀己元副社長には1億1057万円、鈴木聡常務執行役員には1億2367万円が渡されていた。 金品の授受
Close-Up Enterprise 日々刻々、変化を続ける企業の経営環境。変化の中で各企業が模索する経営戦略とは何か?『週刊ダイヤモンド』編集部が徹底取材します。 バックナンバー一覧 関西電力の岩根茂樹社長ら役員20人が、高浜原子力発電所が立地する福井県高浜町の元助役から総額3.2億円相当の金品を受け取っていたことが判明した。原発を保有する電力会社への視線は厳しく、いよいよ原発消滅へのカウントダウンが始まった。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮) 「もう原子力は終わりでしょうね」。大手電力会社関係者は肩を落とした。 東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故で、原発の“安全神話”は崩壊し、信頼は地に落ちた。 そんな中、関西電力は膨大な人材とコストをかけて原発再稼働にまい進し、原発7基が原子力規制委員会の安全審査をクリアし、うち4基で再稼働を果たした。関電には、震災後の日本の原発をけ
くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。 新刊『潜入 旧統一教会 「解散命令請求」 取材NG最深部の全貌』が発売中。 情報戦の裏側 できれば起きてほしくない「不祥事」だが、起きてしまった後でも正しい広報戦略さえ取れば、傷を最小限に済ませることができる。企業不祥事はもちろん、政治家の選挙戦略、芸能人の不倫ネタまで、あらゆる事
原発利権をめぐる深い闇の一端がとうとうあらわになった。関西電力の八木誠会長ら幹部20人が、高浜原発のある福井県高浜町の森山栄治・元助役(今年3月死去)から過去7年(2011~17年)にわたり総額3億2千万円相当の金品を受け取っていたことが金沢国税局の税務調査で判明したのだ。 しかも、森山氏に資金提供していたのは、原発関連工事を請け負う高浜町の建設会社だった。ようするに、3億2千万円は関電の利用者から徴収した電気料金を原資とする原発発注工事費。その一部が発注者である関電幹部の元に回り回って還流したのだから、これはれっきとした背任行為だろう。 それにしても、電力会社の不正はタブーといわれるなか、なぜこんな大スキャンダルが明らかになったのか。大手紙社会部記者が報道のいきさつを解説する。 「原発利権の取りまとめ役で、“影の町長”といわれていた森山氏の存在は以前から有名だったんですが、その森山氏が9
会見して金品を受け取ったことを認めた関西電力の岩根茂樹社長 (C)朝日新聞社 本誌が入手した関西電力を告発した文書 関西電力の八木誠会長(69)や岩根茂樹社長(66)を含む役員ら20人が関電高浜原発が立地する福井県高浜町の森山栄治元助役=3月に90歳で死去=から、約3億2千万円分の金品を受け取っていた問題を今年3月、告発していた“文書”を本誌は入手した。 【画像】これが関西電力の裏金告発文書 金品を提供していた、高浜町の森山元助役は3億円以上もの資金を地元の建設会社「吉田開発」から得ていたことが金沢国税局の税務調査で明らかになっている。 今年3月10日の日付が振られた告発文書はいきなりこう始まる。 <このたび、関西電力が第2の日産にならぬよう、岩根社長に忠言いたします> カルロス・ゴーン元会長の逮捕で揺れる、日産自動車スキャンダルを引き合いに出している。そして、森山氏が関西電力に提供してき
9月27日に謝罪会見を行った関西電力の岩根茂雄社長(C)朝日新聞社 今年3月、死去した福井県高浜長の森山栄治元助役(C)朝日新聞社 関西電力の八木誠会長(69)や岩根茂樹社長(66)を含む役員ら20人が関電高浜原発が立地する福井県高浜町の森山栄治元助役=3月に90歳で死亡=から、約3億2千万円を受け取っていた問題で、岩根社長が9月27日に会見し、陳謝した。すでに幹部たちは修正申告しているという。 高浜町は若狭湾に面した関西電力の高浜原発の立地町で、大飯町、美浜町と並ぶ「原発銀座」だ。 原発マネーの還流かと疑われる3億2千万円の不透明な裏金は、金沢国税局の税務調査で判明した。 高浜原発や大飯原発の関連工事を請け負う高浜町の建設会社への税務調査をしたところ、工事受注などの手数料として、森山元助役が約3億円を受け取っていたことが判明。その後、森山氏はその一部とみられる金を関電役員ら6人の個人口座
政府は、福島第一原発の事故調査委員会の調書127人分を公開しました。震災前に当時の規制当局の原子力安全・保安院で、巨大津波対策を検討しようとしたところ、複数の幹部にとがめられたとする証言があったことが分かりました。 新たに公開された調書によりますと、2010年ごろ、当時、保安院・耐震安全審査室の小林室長が、過去に福島で起きた巨大な貞観(じょうがん)地震のリスクを検討し、新たな津波対策を提案しました。これに対し、保安院の複数の幹部から、「余計なことを言うな」「あまり関わるとクビになるよ」と言われたと証言していることが分かりました。室長は、2011年3月に東京電力の担当者に対し、新たな津波対策の必要性を伝えましたが、担当者は「2012年秋の土木学会の評価の見直しを待ちたい」と答えたということです。室長は「それでは遅い」と話しましたが、その4日後に東日本大震災が起きました。これで合わせて202人
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