自ら北朝鮮を訪ね、そこに暮らす一般の人々を写真に収めた作品集『隣人、それから。38度線の北』を刊行した写真家・初沢亜利さんと、国際政治学研究者の三浦瑠麗さんが、北朝鮮問題の本質について語り尽くした。(対談は7月23日に実施) >>前編から読む トランプの思想的背景にある 「民主国家同士は戦争しない」仮説 三浦 これまで、米国の介入主義者には民主主義を広めようという思想が色濃く見られました。リベラルな介入主義者が冷戦後に生じ、ネオコンがイラク戦争を推進した。その考え方とは、民主化を通じて進歩させることで平和を達成しようという、いわゆる民主国家同士は戦争しない仮説(=民主的平和論)に基づいたものなんですね。 アメリカにはそういう進歩史観の民主化思想が、ウィルソン大統領からずっとジョージ・W・ブッシュ大統領まで連綿とあって、ブッシュ(子)はまさにそのロジックでイラク戦争をした。でも、その流れは一