2020.11.13 2020.11.14 【インタビュー】ICU学長・岩切正一郎さん(2)大学は、知識を共有し、自分を新しい世界に解放し、知らない世界に入っていける場所 (1を読む) ──以前、ICUがリベラルアーツに力を注いでいることから、「教養とは、何かのスキルのように身につけて役立つという『目標』ではなく、それを使うことで人間や社会、世界に対して良いことをしていくプロセス」と答えられていました。その中にキリスト教精神を感じたのですが、「良いことをする」ということについてもう少し具体的に教えていただけるでしょうか。 「良いもの」というのは、個を超えた共通の共同体と言ってもいいし、世界でもいいのですが、特定の人たちだけではなく、みんなにとってが良いものということです。トマス・アクィナスの研究で知られる稲垣良典(いながき・りょうすけ)先生が書かれている本には「共通善」という考えが示されて