嘉数高台公園の展望台から見た普天間基地=2015年7月、沖縄県宜野湾市(撮影/安田浩一)この記事の写真をすべて見る 基地移設反対の抗議をする市民=2015年11月、沖縄県名護市辺野古のキャンプ・シュワブ前(撮影/安田浩一) “嫌沖”という言葉がある。身勝手、左翼の島、反日……。一部保守論壇やネットを中心に流布する言葉を、何の検証もなしに鵜呑みにし、対象を歪め、貶め、侮蔑する。それだけに、対象が与えられる傷は深く、悲しみは底知れない。 「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」 この“嫌沖”発言をきっかけに、ジャーナリストの安田浩一は、『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』(朝日新聞出版)を書き上げた。 槍玉に挙げられたのは「琉球新報」と「沖縄タイムス」2紙だ。両紙の新人記者から編集トップまで、安田はとにかく話を聞いて回った。地元紙を批判する人や、2紙に代わる新聞を立ち上げようと奔走した