はじめに カルマンフィルタは逐次ベイズフィルタの一種で,かつてのアポロ計画や,現代ではカーナビ等の身近な製品でも広く活用されています.モデルが線形である(あるいは線形に近似できる)ことや,ノイズがガウス分布に従うことを仮定する必要がありますが,その仮定が許容できるシステムでは実効性が高く,様々な場面で既に実用化されています. そんなカルマンフィルタの式や,その導出を初めてみた時,こんな風に感じました. 「なんか,よく分からんが,複雑そうだなぁ」 だって,こんなんですもの... 状態空間表現(動作モデル,観測モデル) \boldsymbol{x}_t = \boldsymbol{A} \boldsymbol{x}_{t-1} + \boldsymbol{B} \boldsymbol{u}_{t} + \boldsymbol{\epsilon}_t \\ \boldsymbol{z}_t =