デルタ株。直径は1万分の1ミリ。スパイクタンパク質と呼ばれるとげが変異し細胞にがっちりとりつくという(東京都健康安全研究センター提供) 新型コロナウイルスが従来株から変異株へほぼ置き換わりました。関東では、インド由来で感染力が強い変異株「デルタ株」が新規感染者の99%に達したと推定されています。デルタ株はなぜ感染力が強いのでしょうか。ポイントは、人の細胞へのくっつきやすさと、感染した人が出すウイルスの数の多さです。(増井のぞみ)=2021年8月26日更新 球形の新型コロナは、人の細胞の受け皿(受容体)にくっつくとげ(スパイクタンパク質)で表面が覆われています。変異株は、とげをつくる遺伝子に「L452R」と呼ばれる変異が入り、とげの形が従来株と少し変わりました。詳しい仕組みは分かっていませんが、変異株のとげは、受け皿にがっちりとくっつきやすくなりました。