企業年金運用会社のAIJ投資顧問が2100億円もの預かり資産の大半を消失させていたことが明らかになりました。なかには資金の過半を投資していた基金もあり、このままでは老後の年金がなくなってしまいそうです。 その後の調査によれば、AIJ投資顧問が販売したヘッジファンドは運用開始直後から損失を出しはじめ、それにもかかわらず運用成績を偽装して20%の成功報酬を徴収していたといいます。お金を預けた年金基金からすれば、大損したうえに総額で数百億円もの報酬まで払わされたのですから、泣きっ面に蜂とはこのことです。 今回の事件では、年金基金は被害者でもあり、加害者でもあるという微妙な立場に立たされています。彼らはAIJの嘘にだまされて大金を失ったわけですが、そのお金は他人(年金加入者)から預かったものだったからです。 金融の世界では、年金基金は「機関投資家」という金融の“プロ”であるとされています。彼らは運