ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル、Gotchこと後藤正文さんの単著が発売された。しかもミシマ社から。期待がパンパンに膨らむ。 読み始めてみると、「プロローグ」はシリアスなテーマ(君は拳銃を撃ったことがあるか)。このようなトーンで進むのかなと思いながら、「1 ぽつねんと阿呆がひとり」を読み始めてみると、爆笑。落差がすごい。この感じは何かに似ているなぁと、しばし考える・・・・・あっ、と思う。町田康である。そう、町田康のエッセイ(?)を読んでいるときに襲ってくるあの笑いである。なので、電車の中で読むのには注意しなければならない。突如襲ってくる笑いを必死にこらえることに失敗したら、悲惨なことになる。 内容であるが、テーマは多岐にわたる。日常生活の出来事から、原発問題など政治的な話題まで。しかし、最も重要なテーマ、というか本全体を通底するメッセージは、「逡巡を肯定する」とい