ブックマーク / toyokeizai.net (54)

  • 「日本人の奴隷化」を食い止めた豊臣秀吉の大英断

    にキリスト教が伝わったのは、戦国乱世まっただ中の天文18年(1549年)に薩摩、今の鹿児島・祇園之洲に上陸したイエズス会宣教師フランシスコ・ザビエルによってであった。 このザビエルからバトンを受け継ぐように永禄6年(1563年)、ポルトガル人宣教師ルイス・フロイスが来日すると、ときの権力者の織田信長から布教活動を許されたこともあって、京都や西九州中心にキリシタンが急増した。信長が能寺で斃れた天正10年(1582年)ごろには全国で約15万人の信者がいたと言われている。 この数字は当時の京都の全人口のほぼ半数に匹敵するものだった。その後、信長の後継者となった豊臣秀吉は最初こそ信長のキリシタン保護政策を踏襲したが、天正15年になり、突然手のひらを返すかのように「伴天連(ばてれん)追放令」を発する。伴天連とはポルトガル語で宣教師を意味するパードレが訛ったものだという。 秀吉にはこのとき、布教

    「日本人の奴隷化」を食い止めた豊臣秀吉の大英断
  • 異形の鉄道「スカイレール」なぜ2024年春に廃止?

    現在は貨物列車がこの区間を通る時に、前後に電気機関車を連結して通過するようになっている。俗にこの区間は「セノハチ」と呼ばれており、力強く補助機関車を連結して走る列車を撮影しようと、鉄道ファンにとっておなじみの場所である。 しかし、ここには「セノハチ」だけではなく、瀬野駅に隣接されている一風変わった鉄道がある。 赤字で2024年4月末に廃止 それは広島短距離交通・瀬野線である。愛称は「スカイレール」。山陽線の瀬野駅に隣接する「みどり口駅」と、丘の上に整備された住宅街にある「みどり中央駅」の1.3kmを5分で結ぶ鉄道路線である。 このスカイレールのシステムは、宅地を開発した積水ハウスや青木あすなろ建設が、駅と宅地を結ぶ公共交通機関として発注し、神戸製鋼所と三菱重工業が開発した。住宅街と瀬野駅の高低差は160mある。つまり、約123パーミルである(スカイレールの最急勾配は263パーミル)。この

    異形の鉄道「スカイレール」なぜ2024年春に廃止?
  • 日本発Netflix「忍者」物語の海外ウケ仕掛け術

    NetflixAmazon プライム・ビデオ、Huluなど、気づけば世の中にあふれているネット動画配信サービス。時流に乗って利用してみたいけれど、「何を見たらいいかわからない」「配信のオリジナル番組は当に面白いの?」という読者も多いのではないでしょうか。記事ではそんな迷える読者のために、テレビ業界に詳しい長谷川朋子氏が「今見るべきネット動画」とその魅力を解説します。 「服部半蔵」の血を引く忍者の家族ドラマ ありそうでなかった忍者が主役の家族ドラマがNetflixに登場しました。2月15日から世界独占配信を開始した新シリーズ「忍びの家 House of Ninjas」(全8話)です。スパイアクションはもちろん、事件の真相を追う重厚感も、身近に感じる家族の姿もあります。シリアスとユーモアの絶妙なバランスを保ちながら攻めています。2月20日(アメリカ時間)に発表されたNetflix公式のグ

    日本発Netflix「忍者」物語の海外ウケ仕掛け術
  • 「中国が最も恐れる男」が見据える対中関係の急所

    今は「3度目の日ブーム」だ ーー中国大使在任中は「中国が最も恐れる男」と言われました。民間人となったいま、日中関係の課題をどうとらえますか。 日中関係の基礎は経済交流と人的往来だ。とくに私は人的往来、なかでも中国から日への人の流れに注目している。いま中国人が日に大勢来ているが、私はこれを近代史で3回目の「日ブーム」ととらえている。 アリババ創業者のジャック・マー(馬雲)氏などの有名人も日に生活拠点を持っていることが知られている。この現象を、歴史を踏まえて観察することが必要だ。 ーーそれぞれ、どういうブームだったのでしょう。 1回目は、日清戦争が終結した1895年ごろに始まった。1898年に戊戌変法(清朝政府の体制内改革運動)が失敗すると、康有為、梁啓超などの改革派が日に逃れてきた。孫文、黄興をはじめとする革命派も日を拠点とした。 1905年に科挙が廃止されたことも、行き場がな

    「中国が最も恐れる男」が見据える対中関係の急所
  • 海外記者がジャニーズ会見に見た日本の「大問題」

    9月7日に開かれたジャニーズ事務所の劇的な会見は、私が日で経験したジャーナリスト人生の中で最も奇妙な体験の1つだった。 ジャニーズ事務所は、これ以上ないほど積極的に報道陣を迎え入れた。日人、外国人、主要メディア、フリーランスのジャーナリストなど、誰でも参加できた。しかも、会見は14時から4時間以上続いた。何十台ものカメラやビデオカメラが彼らを見守った。どんな質問もタブーではなかった。報道陣が望めば、何日でも続いただろう。 「家族会議」のような奇妙な会見 しかし、長引けば長引くほど、私たちが知ることは少なくなっていった。すべての瞬間が妙に空虚だった。まるで家族会議が開かれ、そこにいる人が皆で一緒に癒やされようとしているようにさえ感じられた。 ジャニー喜多川の何十年にも及ぶ少年への性的加害が認められたにもかかわらず、会場全体がジャニーズ事務所の存続を望んでいるような雰囲気さえあった。 おそ

    海外記者がジャニーズ会見に見た日本の「大問題」
  • 日本人の「給料安すぎ問題」超シンプルな根本原因

    コンテンツブロックが有効であることを検知しました。 このサイトを利用するには、コンテンツブロック機能(広告ブロック機能を持つ拡張機能等)を無効にしてページを再読み込みしてください。 ✕

    日本人の「給料安すぎ問題」超シンプルな根本原因
  • スシロー、社長の「ツイッター降臨」が意味する事

    回転寿司チェーン大手「スシロー」での迷惑行為を収めた動画が大騒動となった。金髪の少年がしょうゆの注ぎ口や席に置いてある湯飲みをさんざんなめ回した揚げ句、元の場所に戻す、あるいはレーンを回る寿司に指で唾液をつける……衝撃的なこの動画は瞬く間に拡散され、テレビでも連日報じられた。 この騒動が影響したのか、株価は騒動直前の3015円から2870円にまで下がった。時価総額にして約170億円が失われたのだ。だが、1週間あまりで株価は騒動前の水準を超えるまでに回復している。 なぜ、スシローはこの難局を短期間で乗り切れたのか。広報PRの観点から3点、重要なポイントを指摘したい。 騒動を受けスシローは迅速に対応 まず、今回のスシローの対応を振り返っておきたい。騒動を受けて、スシローの対応は素早かった。動画が拡散しはじめた2日後には「SNSで拡散されたスシロー店舗での迷惑行為に関するお知らせ」と題したプレス

    スシロー、社長の「ツイッター降臨」が意味する事
  • "昔話ばかりする人"が実は「老けない」という衝撃

    「アクティブで前向きな人」が老けないのはわかりますが、実は「昔話をする人」も若々しくいられるんです(写真:8x10/PIXTA) 老けたくない、ずっと健康でいたい――多くの人が「いつまでも若々しくありたい」と望んでいます。老いと深い関係にある、脳。脳科学者の茂木健一郎氏は、「思考力が低下すると言われる70歳を超えても、脳の働きが若いころとあまり変わらない人もいる」といいます。そこで、年齢を重ねても「若い脳」でいるための秘訣を聞きました。 若々しい脳の「スーパーエイジャー」になる! 毎朝、顔を洗うたびに、鏡に映った自分の顔を見て、「もうずいぶん歳をとってしまったな……」と、ガッカリしていませんか? 「いつまでも心身ともに健康でありたい」 「元気で若々しい脳を手に入れたい」 これは、多くの人が望むことではないでしょうか。人生100年時代といわれる昨今、日人の平均寿命は男性が81.47歳、女性

    "昔話ばかりする人"が実は「老けない」という衝撃
  • 100カ国超の「自宅窓の風景」写真が話題沸騰の訳

    M a r g ré t G e i r s d ó t t i r アイスランド│イーサフィヨルズル 2022/07/13 13:15 こんにちは! アイスランドのイーサフィヨルズルより。わが家のリビングの窓からの一枚。(画像:『世界の家の窓から 77ヵ国201人の人生ストーリー』) 2020年3月。新型コロナウイルスが地球全体で爆発的に広がり、各国で隔離政策やロックダウンが始まりました。パニックの中で人々は家の中に閉じ込められ、誰もが初めて体験する状況や心情を、家族や友達とすら共有することができないまま、孤立することになりました。 「世界中の人が、何週間も家の中に閉じ込められ、窓からたったひとつの景色を見るしかなくなってしまった。今、地球の裏側の窓から見えている景色はどんなだろう? もし、インターネットユーザーに、自分の窓からの眺めを写真に撮って、同じく孤立した人々と共有しませんか、と

    100カ国超の「自宅窓の風景」写真が話題沸騰の訳
  • 「親の最期」を業者に丸投げする人が急増する背景

    2012年に新語・流行語大賞トップテンに選出された「終活」。人生の終わりを見据えて自らの介護や葬儀の準備をする活動が高齢者の心に響き、週刊誌でも頻繁に特集が組まれた。 それから10年。終活業界の潮目が変わりつつある。 「高齢者の終活のために始めた事業だったのに、今では子どもからの相談のほうが多い。親の面倒を見たくない、介護をしたくないという相談が増えています」 そう話すのは、高齢者の家族代行サービスを行う一般社団法人「LMN」代表の遠藤英樹氏だ。同法人は高齢者人からの終活や生活支援の依頼を見込んで設立されたが、今では相談の9割が息子や娘からだという。 精神的に『したくない』 遠方に離れて暮らす親の支援を依頼する子どもが多いと思いきや、そうではない。親のすぐ近くに住んでいるのに「親の面倒を見られない」という依頼が約6割に上る。 「相談者の多くは、親の世話が『できない』というよりは、精神的に

    「親の最期」を業者に丸投げする人が急増する背景
  • 「地縁血縁」から解放された日本の残酷な結果

    ──コロナ禍で孤独・孤立に陥る人が増えました。 不要不急の面会や会は控えよといわれ、人々は「それでも会うべき人」と「とくに会う必要のない人」を選別した。つまり「人間関係の棚卸し」を実行した。 会うべき人として選ばれた人もいれば、選ばれなかった人もいる。孤独感にさいなまれる人が続出するのはある意味で当然だ。 ただ、コロナ禍は人間関係の希薄さを表出させたといったほうが正しく、それ以前から孤独・孤立問題は深刻化していた。 「解放」と「剥奪」の2つの文脈 ──NHKスペシャル「無縁社会〜“無縁死”3万2千人の衝撃」が放送され、身寄り頼りなく孤独死していく人の急増ぶりが脚光を浴びたのは2010年でした。 いかにも無残な時代が到来したかのように報じられたが、「一人」という言葉には「解放」と「剥奪」の2つの文脈があることを、まず押さえておく必要がある。 血縁、地縁、会社縁といった伝統的紐帯(ちゅうたい

    「地縁血縁」から解放された日本の残酷な結果
  • 定年後に「風呂の中で泣いている」66歳男性の告白

    定年退職、嘱託を経て、今年から格的に隠居生活に入った66歳です。隠居したら、今まであまり会っていなかった弟たち(弟が2人と妹が1人います)とも事をしたり、とも旅行をしたり、のんびりしようと考えていました。 しかし、いざ弟たちに連絡しても忙しいからと何度も断られました。ちょっとおかしいと思い、妹に連絡したら「お兄さん、気づいてないの? みんなお兄さんが煙たくて、距離とっているんだよ」と。寝耳に水でした。 妹によれば、私が長男で母から優遇されすぎたし、弟たちの学歴や会社をバカにしてたのが態度に出すぎてた、というのです。たしかに私は兄弟のなかでも学歴も会社も一番上で、母の自慢でした。弟たちをみて、不甲斐ないと思ったこともありましたが、それは私が努力したからです。弟たちにとって私は自慢の兄だろうと思ってきました。弟たちの不甲斐なさをちょっとからかったこともありましたが、兄弟のことです。 思い

    定年後に「風呂の中で泣いている」66歳男性の告白
  • 「魚が獲れない」は世界で日本だけという衝撃事実

    サンマ、サケ、スルメイカをはじめ、漁獲量の減少に関する報道が後を絶ちません。時折「前年よりも増加」などという報道もされますが、それはすでに、ものすごく減少した漁獲量に対してである場合がほとんどです。10~20年単位でみていくと大した増加ではなく、それどころか、ほぼ全魚種が減少を続ける傾向にあります。 「日の漁獲量が減少している」という報道はされても、「世界全体では増加している」という報道を耳にした記憶がありません。そこで、日と世界では漁獲量の傾向がまったく異なることをファクトベースで説明します。そしてどのような対策が必要なのかについてもお話しします。まずは「知る」ことが大切です。 実は世界では漁獲(生産)量が増加している

    「魚が獲れない」は世界で日本だけという衝撃事実
  • 山上容疑者を凶行に駆り立てた一族の「壮絶歴史」

    ——甥っ子である山上徹也さんが安倍晋三元首相を銃撃する事件を起こして約2カ月が経ちました。伯父さんへの取材も殺到したと思います。 事件が起きた7月8日の昼、息子たちから電話がかかってきた。「徹也がえらいことやった」と言うんでテレビをつけたら、容疑者「山上徹也」と大きく報じられていた。すぐに徹也の母A子と妹のB子に連絡し、「急いで荷物をまとめてうちへ来い」と指示を出した。2人はそれから1カ月ほど、この家(伯父宅)で過ごした。 その間、私は何よりも事実関係を正しく解明してほしいという思いから、自分にできることはすべてやってきたつもりだ。 事件直後に検察と連絡を取り、検事がメディアに囲まれていた自宅に2度にわたって来た。検察には所持していた資料をすべて渡すとともに、A子の調書をその場で作成してもらった。資料は私が山上家に仕送りした際の振込用紙や、2007年に他界した家内が手帳に記していたメモ、私

    山上容疑者を凶行に駆り立てた一族の「壮絶歴史」
  • 統一教会からの「返金終了」が山上家貧窮の決定打

    コンテンツブロックが有効であることを検知しました。 このサイトを利用するには、コンテンツブロック機能(広告ブロック機能を持つ拡張機能等)を無効にしてページを再読み込みしてください。 ✕

    統一教会からの「返金終了」が山上家貧窮の決定打
  • 「SNS」がどうしてもやめられない2つの理由

    スマホは「スロットマシーン」 2017年4月、アメリカの人気ドキュメンタリー番組「60ミニッツ」で「ブレイン・ハッキング」と題された特集が放送された。特集は、ジャーナリストのアンダーソン・クーパーによるインタビューの模様から始まった。 インタビューの相手は、きちんと手入れされた無精髭に薄茶の髪の細身のエンジニアだ。シリコンバレーの若年層から圧倒的な支持を得ている人物で、名前はトリスタン・ハリス。スタートアップを起業したのち、エンジニアとしてグーグルに勤務していたが、用意された道を自らはずれ、テクノロジー業界という閉じられた世界では極めてまれな生き方を選択した──内部告発者となったのだ。 「こいつはスロットマシンなんです」。インタビュー開始から間もなく、ハリスは自分のスマートフォンを持ち上げてそう言う。 「スロットマシン? どういう意味でしょう」。クーパーが訊き返す。 「携帯をチェックするの

    「SNS」がどうしてもやめられない2つの理由
  • 「おもちゃとジェンダー」老舗メーカーが挑む難題

    コンテンツブロックが有効であることを検知しました。 このサイトを利用するには、コンテンツブロック機能(広告ブロック機能を持つ拡張機能等)を無効にしてページを再読み込みしてください。 ✕

    「おもちゃとジェンダー」老舗メーカーが挑む難題
  • 「陰謀論の魔力」に感情を操られてしまいがちな訳

    コンテンツブロックが有効であることを検知しました。 このサイトを利用するには、コンテンツブロック機能(広告ブロック機能を持つ拡張機能等)を無効にしてページを再読み込みしてください。 ✕

    「陰謀論の魔力」に感情を操られてしまいがちな訳
  • 43日間マグロ漁船に乗った男が悟った「4つの真理」

    コンテンツブロックが有効であることを検知しました。 このサイトを利用するには、コンテンツブロック機能(広告ブロック機能を持つ拡張機能等)を無効にしてページを再読み込みしてください。 ✕

    43日間マグロ漁船に乗った男が悟った「4つの真理」
  • フランス人が「寅さん」で学んだ日本の隠れた魅力

    今年は寅年、そして寅さんの年です。それを記念してパリ日文化会館(MCJP)では今年1月から『男はつらいよ』全50話を1年間にわたって上映しています。 このシリーズは、海外では完全な形で放送されたことがありません。フランスには日映画(小津安二郎、黒澤明、大島渚など)の大ファン、かつ愛好家が多くいますが、実は寅さんはあまり知られていません。私はいつも、それをとても残念だと思っていました。 寅さんシリーズが大々的に紹介される意味 日で誰もが知るシリーズを大々的に海外、そしてフランスで紹介するのは初めてのこと。日の生活や文化、心情、時代変遷をフランスの人々に伝えることに加え、日ならではの人情やユーモアのあふれる作品たちは、新型コロナによって不安が拡大する社会を勇気づける一助となるはずです。 「1969年に始まり、2019年に終了したこの全シリーズを、素晴らしい画質の復元版で見ることがで

    フランス人が「寅さん」で学んだ日本の隠れた魅力