文部科学省の有識者会議が、タブレット型の情報端末を使う「デジタル教科書」の導入について、議論を始めた。約1年半で結論を出すという。 有識者会議は、「導入ありき」の拙速な議論に陥ることなく、問題点をきちんと見極め、慎重に検討を進めてもらいたい。 今回の教科書のデジタル化論議の背景には、教育現場のIT化の流れがある。政府は、電子黒板の普及や児童・生徒への端末配備などを目指している。 動画や音声の機能が付いた端末の活用で、子供の興味や関心を呼び起こす効果が期待される。 独自ソフトを入れた端末を補助教材として使い始めた学校は少なくない。画面を動かしながら、立体の特徴を確かめたり、英語の正しい発音を聞いて、音読練習をしたりする学習が可能になった。 障害を持つ子供にとって、文字の拡大や文章の読み上げといった機能は、理解の助けになるという指摘もある。 ただし、教科書は、補助教材と異なり、すべての児童・生