相も変らぬ映画オタクぶりで楽しませてくれているこの作品で、タランティーノは「パルプフィクション」以来2度目のアカデミー脚本賞を先日受賞した。 また賞金稼ぎのドイツ人を演じたクリストフ・ヴァルツも、タランティーノの前作「イングロリアス・バスターズ」以来2度目のアカデミー助演男優賞を受賞した。 今回、この賞には、ロバート・デ・ニーロ、トミー・リー・ジョーンズなど、主演賞以上に大物ばかりがノミネートされていただけに、受賞後のヴァルツはひときわ感慨深げだった。 賞とは無縁だったものの、人気者レオナルド・ディカプリオの「怪演」ぶりも注目だ。冷酷無比なるミシシッピーの農園主を演じているのを見ていると、この男が単なる二枚目俳優ではなく、実は強烈な性格俳優であることがよく分かる。 その農園主が夢中になっているのが「マンディンゴ」と呼ばれる死にさえ至ることのある黒人奴隷同志の格闘技。奴隷の中でも特に屈強なこ