世界的な金融緩和は、いつ終わるとも知れない状況にある。新総裁を迎える日本と英国の中銀は、ともにバランスシートをさらに拡大させる方向にある。最悪期を脱出したと言われたユーロ圏においても、イタリア総選挙を契機として債務危機再燃を危惧する声が強まっており、ECB(欧州中央銀行)の支援にますます依存する傾向が強まりそうだ。 先進国の中で、比較的量的緩和からの「出口」に近いのが米国だ。12月に続いて1月のFOMC(米連邦公開市場委員会)においてもいわゆる「QE3」の見直しに関する議論が熱気を帯びてきたことは、議事要旨で明らかになっている。 だがバーナンキ議長は、先般の上下院での議会証言で量的緩和のメリットを強調し、QE3継続の姿勢を明確に打ち出して市場の不安感払拭に努めている。FOMC内部での主導権を維持するための自己アピールでもあろうが、実際に高止まりする失業率や成長率の低空飛行状態、そして目標範