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作品発掘に関するdaydollarbotchのブックマーク (27)

  • 恩師の下着に感謝

    中学時代、下着の校則違反を数えて、体育祭の得点から減点するという「伝統」があった。 当時は管理教育の全盛期。 下着だけでも色・形状などが細かく校則で指定されていた。 悪質なのは、それを生徒同士で監視するシステムになっていたこと。 違反者は教師にチクられ、その分がのちに体育祭の持ち点から減点されるという決まりなのだ。 赤組・白組それぞれの減点数は日々校内で告知され、連帯責任を煽る構造ができあがっていた。 もちろん、これに反抗する生徒は多かった。 二年生のあるとき、体育祭の出し物を決める学級会のなかで、この制度はおかしいという話になったことがある。 「生徒だけ監視されるなんて、不公平です!」 立ち上がって先生に抗議したのは、ボス格の女子だった。 やがて「そうだ、そうだ」という声が教室のあちこちから起こる。 私たちの担任はといえば、まだ若い女性教師だった。 いま思えば、先生自身もこの制度はおかし

    恩師の下着に感謝
  • 月明かりがいい感じに部屋に入ってきてる おやすみなさい

    月明かりがいい感じに部屋に入ってきてる おやすみなさい

    月明かりがいい感じに部屋に入ってきてる おやすみなさい
  • タワマン・スカベンジャー

    不妊治療のため仕事を辞めさせられた増田は、「生産性がないものにお金を出せない」と主張する夫から経済的DVをうけている。独身時代の貯金の大半は共同出資のタワマンの頭金に消え、残りの残高とともに、増田の物欲も枯渇していった。 ご近所づきあいが一切ない新築入居のタワマン社会には、この状況を相談できる知り合いができにくい。同じフロアの8部屋のうち、顔を知っている人はひとりもいない。 ある日、同じフロア共用の24時間対応ダストステーションに、ゴルフバックが3つ、中身ごとおかれていた。「*粗大ごみです ごみ料金シールを貼って出してください(3Fのサンクスに売っています)」と赤字で書かれた紙が貼ってあった。その状態が、3日も続いた。増田はゴミ清掃スタッフに同情し、逡巡した。その粗大ごみを一度家に持ち帰ることにした。夫は毎週末に1週間分のレシートを照会して、1円も使途不明金がないことを確認する人だ。かわり

    タワマン・スカベンジャー
  • X日後に死ぬ僕

    ◎前置き X日後に死ぬことが分かっているとしたら、僕は残された日々をどう過ごすだろうか。 いくつかの仮定を置いたうえで思いついたことを書き連ねてみる。 ・X日後に死ぬことは確実であり、僕はその事実を受け入れている この前提がなければ、僕は何とか生き延びる手段を探すだけで、残りの時間を使い切ってしまうかもしれない。 ・死ぬのは僕だけであると仮定しよう。 何か災害や天変地異で多くの人が死ぬわけではないということだ。僕以外の人々や環境は、僕の死以外は何一つ変わらず日々が続く。そのため、他の人を救うために時間を費やす必要もない。 この2つの前提を置くことで、僕は残りの時間を純粋に自分が満足するためだけに使うと想定する。 ◎1日後に死ぬ僕 平日なら、仕事を休まなくてはならない。仮に大事な仕事があったとしても、何かと理由をつけて休むだろう。残念ながら、僕にとって今の仕事は、24時間しか残されていない状

    X日後に死ぬ僕
  • マッサージ嬢に怒り狂っている

    何故怒り狂っているのかというと御手淫を拒否されたから 遠い所からわざわざ行ったマッサージの店で御手淫を拒否された そこには10年くらい前に御手淫を貰ったということでブログで紹介されていたから行った だけど今はやっていないとか言われて貰えなかった これはコロナ前の話なのでコロナは無関係だ 俺が遠い所からわざわざその店を訪ねて御手淫を貰おうと思っていた気持ちを無碍にされたわけだ 交通費だけでかなりかかったのに、一蹴してきたマッサージ店の嬢 つまりこの時点でマッサージ店は人の気持ちなんて何も考えていないってことだ ふざけるんじゃねえよって誰もが思うだろ 俺も思った マッサージ店では御手淫をやっていないというかチャイナエステ派とタイ式エステ派がやっていないとか言われているが そんなことは後になって知った しかしそもそもそのチャイナエステ派とタイ式エステ派の店でも御手淫は元々やっていたというのがブロ

    マッサージ嬢に怒り狂っている
  • お前が二度と東京に戻れませんように!! お前が二度と東京に戻れませんよ..

    お前が二度と東京に戻れませんように!! お前が二度と東京に戻れませんように!! お前が二度と東京に戻れませんように!! 一度しか言わないから、よく聞いておいてくれよ 俺は・お前が・嫌いだ よくもまあそんなに腹の立つことが言えるもんだな ああそうだよ、田舎に人はいねえよ ホントにいねえよな わかるよ 何もねえよな ホントに何もない ゴミだゴミ 文化、文明ってものがないよな 夜とかもさ、外をうろついてるのは動物か近所で有名なキチガイのおじさんくらいだ なぜか?まともな人間には出歩く動機がないからだ 店もねえ、コンビニもねえ、街灯すらまばらなところもある 暗くて何も見えねえ、人外魔境が夜になるたび顕現するんだよな そら外にもでんわ ほんでまあそうするとひと気も感じられないよな そうか、寂しいって感想になるんだなあ 俺は知らなかったよその感覚 夜に人間はいないもんだと思ってたからな むしろ都会が落

    お前が二度と東京に戻れませんように!! お前が二度と東京に戻れませんよ..
  • アフガニスタンに丸腰で行った母が許せない

    母50代後半。ソ連支配をそろそろ替えねばと思っていたらしい。たまたま通りがかったアメリカ軍の秘密トレーニング施設に軍人さんが偶然いたので話しかけてみたとのこと。そのやりとりで「奇跡的に暗殺作戦のアポが取れた」ので翌日ソ連軍駐屯地で天命を革めることに。 得物は?「そこらへんで倒した兵士が持ってたからM1891/30かな。」比較検討なんてもちろんしない。 その日私は早く寝た。そして寝過ぎた。起きたら母が基地に既に行っていた。 「バックアップとかいるのか…?」不安がよぎる。 もちろんいなかった。衛星電話で聞くと「アメリカさんが銃とドッグタグだけ持ってきてくれればいいっていうから!」 バックアップも政権移行もなにもかにも「アメリカさんがやってくれる」というアメリカへの丸投げ、そして絶対的信頼。私はアメリカをそこまで絶対的に頼れないので羨ましいとすら思ってしまう。だってその国多分慈善事業じゃないしそ

    アフガニスタンに丸腰で行った母が許せない
  • ガシ高のひょっこりさん

    うちの高校はガシ高と呼ばれている。東高校が変に略されてガシ高になったらしい。そしてこのガシ高には、「ガシ高のひょっこりさん」と呼ばれ、近所の学校でも有名な奇人がいるのだ。 ガシ高のひょっこりさんは私と同じ学年の女子生徒だ。でも、みんなにひょっこりさんと呼ばれていて名を知らない。ひょっこりさんのあだ名の由来は非常に単純で、学校の中で交わされる会話にひょっこりと紛れ込んでいるからひょっこりさんと呼ばれている。私はまだひょっこりさんのひょっこりに遭遇したことはないけれど、噂話をまとめるとこうだ。 ・ひょっこりさんは会話にひょっこりと紛れ込んでいる。 ・ひょっこりさんは話題の感想を一言残して去っていく。 ・みんなひょっこりさんが一言いうまでその場にひょっこりさんが紛れ込んでいることに気がつかない。 ・ひょっこりさんに遭遇した人は幸運になる。 なんとも奇妙な話だ。特に最後のなんて意味が分からない。

    ガシ高のひょっこりさん
    daydollarbotch
    daydollarbotch 2020/11/02
    ここから紆余曲折あってちくわ大明神になるんだよね
  • 毎日滅亡する足立区さん。

    あのときから足立区は毎日滅亡している。 足立区で同性愛者同士が接触すると対消滅(アナイアレイション)が起こるようになった。それでどうなるかというと、水素爆弾10発分(広島に落ちた原子爆弾で計算すると6600発分)の爆発が生じ、衝撃波は地球を三十周する。 そんな威力なら足立区どころか日そのものが危ないのではないか、と思われそうだが、そのとおりである。足立区が滅びるついでに日も滅んでいる。しかし日など足立区の付属物にすぎないので、ここでは論じない。 われわれにとって重要なのは、足立区だけだ。 なぜなら足立区の対消滅は真実の愛の証だからだ。 対消滅はある物質と完璧に対応する反物質のあいだでしか起こらない。 アリストパネスが語ったところによれば、人間はもともと頭が二つで手足が四ずつの生物であったが、その欠けるところない有能さを恐れた神々から真っ二つに割られ、今のわれわれのような頭がひとつで

    毎日滅亡する足立区さん。
    daydollarbotch
    daydollarbotch 2020/10/08
    足立区に到達する前に、他人のマッチングの衝撃波で逝く可能性が高そうだが、それでも人々は足立区を目指すんだろうな
  • (追記しました)Gotoトラベルのせいで友達をなくすかもしれない

    現役大学生同士、友達と二人で旅行した。コロナ禍なのを考慮して、電車を乗り継いでいけるぐらいの近場に、あえて車で行った。運転は自分がした。 車を自分が出すので、友人には宿の調達を頼んだ。友人曰く「ちょっといいプランの部屋がとれた!コロナのおかげかも」とのことだったので、どんな眺望が待っているのかドキドキしていた。 ところが、宿について案内されたのは低層階。部屋に入るとすぐベッドが2台。窓を開けると、温泉街(の大通り)が一望できる。いや、これ、どっちかというと安い部屋なのでは?しかし友人は「大きいベッドで寝れるのは旅行の特権だよな!」と上機嫌。でかいベッドって……そんなでかくないぞ?いや、部屋が広くて小さく見えているのか?あれ?と湧いて出た違和感を拭って、ひとまず風呂へ行くことにした。温泉地なだけあって、風呂は抜群によかった。 問題は事だ。友人のいう「ちょっといいプラン」は地元材の天ぷらや

    (追記しました)Gotoトラベルのせいで友達をなくすかもしれない
    daydollarbotch
    daydollarbotch 2020/10/07
    追記いい話だな
  • 舐めすぎている。野戦築城術といういうものは、単一機材によってのみ効果..

    舐めすぎている。野戦築城術といういうものは、単一機材によってのみ効果を発揮する物ではなく、地形を含めた総体を以て防御を行うにある。もちろん欧州大戦の塹壕戦を有刺鉄線が支えた側面は否定できない。しかし塹壕戦が戦車によって蹂躙されるまで誰にも突破できなかったのは、そのシステム全体が強固なものであったからだ。 有刺鉄線、というか鉄条網に期待されているのは敵歩兵の突撃妨害に過ぎぬ。あれで殺すのではない、あれで足が止まった連中を火力で薙ぎ払って殺すのだ。実際くぐってみるがいい。なるほど致命傷にはならないだろう。だが現実に痛みを前にすればそれが人間は死との二択であったとしてもなお怯む。肉体を痛めるという原始的な恐怖からは逃れられない。そして人間に覚悟があっても、人間に付随する衣服だベルトだ銃だ雑嚢だには覚悟がない、トゲに引っ掛かって主人の行動を制限する。ソンムで、パッシェンデールで、フランダースでヴェ

    舐めすぎている。野戦築城術といういうものは、単一機材によってのみ効果..
  • ペットが死んだ夜でも漫画はおもしろい

    ペットが死んだ夜でも漫画おもしろい

    ペットが死んだ夜でも漫画はおもしろい
  • どーも、あのときのトビウオです。楽園に行く夢は叶いましたか?洒落た開..

    どーも、あのときのトビウオです。楽園に行く夢は叶いましたか?洒落た開襟シャツなんて着ちゃって、マイタイなんて飲んじゃって、白い砂浜に寝転んじゃったりなんか、してるんじゃないですか?カメラが好きな若い細君はお元気ですか?若いっていったって、お会いしたのはもういつのことやら。 私はね、まあ変わりませんよ。たまにべられ、たまに変なビョーキにかかり、うっかり網にもかかって出汁の素になり、生きたり死んだりしながらボチボチやっております。最近は前との志向が変わっちゃってね、ちょっと渋みを感じるプランクトンが好きですね。それで1杯呑んだりすると、あぁ今日もよく泳いで飛んだなって誇らしく、妙に素直な気持ちになるんですよ。こっちも歳かな。しかしあなたは人好きのする溌剌さが溢れていて、見上げると眩しかったねえ。 それでね、あのとき教えてあげられなかったじゃないですか、緊張せずに泳ぐコツ。こっちは汗だくで飛

    どーも、あのときのトビウオです。楽園に行く夢は叶いましたか?洒落た開..
  • おっさんの皮

    増田は29歳の独身女性。営業マンであった。出世街道まっしぐらと言うには今ひとつパッとせず、営業成績もいつだって二番手止まり。 5年付き合った彼氏とは、なかなか結婚まで至らない。 焦燥感ばかり募り、空回りを繰り返す。そんな時期に直面していた。 デートをドタキャンされたある週末、昼間から1人缶チューハイを開け、増田はてな匿名ダイアリーを巡回した。下ネタ、政治男女論、いつも通りのくだらないエントリが並んでいる。この間の釣りエントリはまだホッテントリに登っていない。ああつまらないな。そんなことを考える増田の目にある文字列が飛び込んだ。 「おっさんの皮」 真っ白なバナーに地味なフォントでポツンとそう書かれた広告は、いつもみる洋服のセールやソシャゲの広告とは違っていた。 気になった増田は広告をクリックした。古臭いhtml形式のホームページには、スーツ姿の3人のおじさんの写真が並んでいた。下には2万

    おっさんの皮
  • 「仲間になるか迫られてBANが怖いから断ったら猫にされてそれから人間に戻れなくなった」まで2000年以上かかってしまった話

    俺の思い出で、高校数学で組み合わせを学んだとき「やべえ!」と思ったことがあって、俳句のことなんだけど、あんなもん5・7・5の合計17文字しかないんだから、やべえ、俳句、そろそろ文字使い切っちゃうよ!と思ったことがあった。 冷静になって考えてみれば、ひらがな46文字の17乗(だよな…?)だから、ものすごい数になるわけで心配は要らなかったのだが、あのときは勝手に俳句の行く末を案じてマジで驚愕した。 なんにせよ、文字数が有限ならその組み合わせも有限なので、その後、ボルヘスの『バベルの図書館』を読んだときも(クソバカでかい架空の図書館が登場する幻想小説で、有限のページ数におけるあらゆる文字列の組み合わせからなる全てのパターンのがそこに収められている、という設定)、そうか、言葉の組み合わせってのは有限なんだ…と不思議な感じがした。 話は飛んで、先日のこと。 「GTAオンラインの現状がやばすぎて草」

    「仲間になるか迫られてBANが怖いから断ったら猫にされてそれから人間に戻れなくなった」まで2000年以上かかってしまった話
  • うちの赤ちゃん(1歳2ヶ月)はヨンデェが言えない。だからンっ!って力..

    うちの赤ちゃん(1歳2ヶ月)はヨンデェが言えない。だからンっ!って力を込めて絵を投げつけてくる。「ちいさいおうち」がお気に入りで、用地開発されて都会になっちゃた自然ナイナイ悲しいっていう話なのに、ブーブーと電車が好きだから、重機が入って宅地開発が進んで絵面が悪くなるにつけご機嫌になっていく。トーマスのおもちゃを絵の上で走らせてる。多分気分はトーマスになって駅に乗り入れてるんだと思う。あと「カジパンちゃんちは何屋さん」ていうM1のコーンフレークやないか論法みたいな繰り返し絵も好き。絵の端々にあるブーブーを目ざとく見つけてはビシっと指差してくる。今彼にとって世界はブーブーかそうじゃないかに大別されている。風邪気味で鼻がズコズコ言っててかわいそうだけどようやく寝姿勢が決まったらしくねんねんね。明日もヨムヨムしようね。

    うちの赤ちゃん(1歳2ヶ月)はヨンデェが言えない。だからンっ!って力..
  • 赤ちゃんが絵本に興味を持ったようです

    赤ちゃん1歳1ヶ月、絵に興味を持ち始めた。読んでほしい絵があるとヨンデエ!ヨンデエ!!って叫びながら絵の角で殴ってくる。いしん坊だからべ物の絵が好きで顔面をおにぎりの絵に擦り付ける。擦り付けてもべられないから絵を床に置いて足で踏みつける。たぶん絵の中に入っておにぎりをおうとしてるんだと思う。あと「ころころとんとん」っていう丸くちぎられて雑に目と口の穴が空いたカラフルな粘土たちが遊ぶ絵も大好き。ころころたちが遊んでるって読み始めるともうヒョーーーーーって冷やかす。ぐるぐるぐるぐるのところでグリュリュリュグリュリュwwってめちゃくちゃ合いの手入れてくる。読み終わるとまた読め!って絵を投げつけてくる。6回読んでやったところで飽きたので放置したら姉(6歳)のところに行ってヨンデエし始めた。姉(6歳)は無視して寝たので赤ちゃんは諦めて今おっぱい飲んでるところ。明日も読もうな!

    赤ちゃんが絵本に興味を持ったようです
  • 旅が終わる気がする

    私の故郷はとても寒い場所にあって、そこで大人になるまで暮らしていました。 事情があって町を出てから初めて、あぁ、私はここから当に離れたかったのだなと気がつきました。 一人暮らしを始めた日は大雨警報が出ていて、ラジオからは空港で足止めになった人がインタビューを受ける声が聞こえました。 これから暮らす知らない街は嫌がらせのように道が入り組んでいて、番地の順番はひどく不規則でした。土砂降りの中、散々迷ってほうほうのていでアパートに辿り着いたとき、私は全身ずぶ濡れで、まるで服のままシャワーを浴びたかのようでした。 電気がまだ通っていなかったので部屋の中は真っ暗でした。ドアを開けると、安くて古い家特有の匂いがして、一歩進むごとに床がぎしぎし鳴りました。アパートの廊下の灯りに照らされて、自分だけの部屋に一人佇む私のシルエットが浮かぶのが見えました。 それを見た瞬間、お腹の底からわーっと力強いエネルギ

    旅が終わる気がする
  • おっさんが初めて空を飛んだ話

    三十路半ばで、生まれて初めて飛行機に乗りました。 幼い頃から機会は何度かあったものの全てフイになっていました。 マリンジャンボの抽選は外れたし、スーパーの懸賞旅行は「金がない」と両親だけが行った。 狂人のハイジャック事件が起きて、修学旅行は長野県のスキー場になってしまった。 弟は部活の試合で北海道へ行ったし、妹は豪州へホームステイ。 送迎や仕事で空港へ行った事は数あれど、家族の中で空を知らないのは僕だけとなっていました。 もうこりゃ空と縁がないのだろうと思っていたし、「今更何だってんだ」と意地にもなっていました。 職は変われど働き詰めであまり余裕も暇もなかったのです。 ところが、こんな時期に仕事で離島へ行く事に。 生まれて初めて「搭乗客」としてやってきた国際空港。 梅雨時とは思えぬ快晴の猛暑日。 疫病で閑散とした広大なターミナルを歩いていきます。 無人のカウンターで発行されたチケットは簡素

    おっさんが初めて空を飛んだ話
  • 「東京には都知事がいる」

    その伝承を信じて 私は東へ向かう決心をした あの災厄から200年経った みんなは言う 「東京はもう滅んでいる」 「人なんか住んでいるわけがない」 「都知事などいるものか」 彼らの言葉はもっともだ だがそれを確かめるすべは今の私たちにはない 当に滅んだかもしれない 滅んでいないかもしれない 希望はある だから私は東京へ行く この集落も盤石ではない なるべくみんなを説得して旅に出たい 両親とも別れたくない 武器も料もギリギリだろう でも東京へ行けば何とかなる 都知事なら何とかしてくれる そう祈るよりほかなかった

    「東京には都知事がいる」