サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
大谷翔平
hideyukihirakawa.com
2年半ぶりの更新。 今日、TL上で佐々木俊尚さんのこのツイートが話題になっていた。 原発の安全神話を生みだしたのは電力会社と政府だけではなく、ゼロリスクを求めた市民の側にも責任があるということを自覚しましょう。 これについて、tweetしたのをもとにFacebookに書きなぐったのを、こちらにも転記しておく。 ここで佐々木さんが言ってるような「市民がゼロリスクを求めたのも安全神話が生み出された一因」みたいなのを見かけたら、まず考えなければならないのは、そういう見方は、「市民はゼロリスクを求めている」という専門家等が抱く根拠レスな信念(=「ゼロリスク神話」)である可能性だ。 たとえば原発反対・脱原発派が実際に求めてきたのは「ゼロリスク」ではないだろう。それはあくまで表面的な見かけで、主張の本義は「一発過酷事故が起きたら大変な被害が出るようなもの(ゼロリスクにできない限りは容認できないようなも
超々久々のブログ更新。 岩波書店の許諾を得て、「科学的助言」に関する拙論を公開いたします。 平川秀幸 「科学的助言のパラダイム・シフト──責任あるイノベーション,ポスト・ノーマルサイエンス,エコシステム」,『科学』2014年2月号(Vol.84 No.2,特集「科学的助言:科学と行政のあいだ」),195-201頁. ポイントは、これからの政策形成における「科学的助言」は、次の3つの要件を満たすべきだということにあります。 1.「責任あるイノベーション(Responsible Innovation)」への拡張 イノベーションがもたらす負のインパクトを考慮したり、正のインパクトにしても、それは誰にとってどういう意味があるのか、負の外部性は存在しないか、それを目指すことにはどれだけの社会的正統性があるか、また、科学技術や関連する政策が取り組むべき社会的課題やニーズは何かなどを、科学者・技術者、政
1 科学における偶有性と規範性をめぐって ― 科学を批判するとはどういうことか ― 国際基督教大学大学院比較文化研究科 平川秀幸 (ID: 989042) 1. 科学をめぐる偶有性と規範性の矛盾 本稿は,博士候補資格試験論文の第三論文として,前二論文ならびにその後の既発表論文のい くつか(平川 1998a, 1998c, 1999a)を書くなかで浮かび上がってきた科学論上の問題に焦点をあて る。それは,博士論文において中心的な問題になるものだが,ここではその解答を目指すという よりは,それを考察するために必要な問題の整理を意図している。 それではその問題とはなにか。それは,フェミニスト科学史家のダナ・ハラウェイが次のよう に主張する「科学のラジカルな偶有性(contingency)の暴露と世界に関する規範的判断・関与と いう,一見矛盾する二つの課題をいかに同時に行うか」という科学批判の実践
2017.03.13: いつから帰還は「義務」になったのか 2016.12.15: 「市民のゼロリスク要求」という神話 2014.03.04: 科学的助言のパラダイム・シフト ~ 岩波『科学』掲載論考の公開 2012.08.26: 〈リアル神速〉―「るろうに剣心」映画版観てきた 2012.06.02: 食品・飲料水などの放射性物質測定結果ページ まとめ(NAVER) 2011.06.28: シンポジウム「ポスト3.11の公共哲学」の報告ファイル 2011.06.19: 公開シンポジウムのお知らせ(?) 2011.05.21: 【掲載情報】日経ビジネスオンライン―「科学だけでは答えを出せない問題」に、普通の人はどうすればいい?(ほか) 2011.03.12: 地震に伴う原発情報リンク集(短縮版) 2011.03.12: 地震に伴う原発情報リンク作ってみた 2011.01.06: 遅ればせなが
震災後の正義の話をしよう ~ ポスト3.11の公共哲学 ~ 2011年6月26日 東京大学駒場キャンパス 3.11東電原発事故が専門知に突きつけるもの ― 信頼の危機にどう応えるか ― 平川秀幸 大阪大学コミュニケーションデザイン・センター 311で起きつつあること 日本版「信頼の危機」 2 信頼しうる専門家システムの 構築が求められている・・・ とくに 専門知の意思決定助言機能への疑い 英国での「信頼の危機」とは? 信頼の危機(crisis of confidence)in 英国 1996.3.20 BSEショック 1996.2~ 遺伝子組換え作物論争 「欠如モデル」的理解増進(PUS)路線の挫折 ・欠如モデル(deficit model) ・PUS = Public Understanding of Science ~「科学技術に対する市民の不安や抵抗は『無知』 (のみ)が 原因であり
Costep モジュール2/科学技術コミュニケーション概論 第1回 科学技術は誰のものか ポスト311の科学技術コミュニケーション 平川 秀幸 大阪大学コミュニケーションデザイン・センター 2011年5月18日 まずは自己紹介 平川秀幸。 東京生まれ、群馬育ち。厨二病患者。 もとはバリバリの理科・天文少年、物理学専攻で修士まで。 グレて文転。哲学へ。 – フランスの科学哲学者G.Bachelardの認識論で2回目の修士。 博士からSTS(科学技術社会論)にシフト 98‐99年に旧・政策科学研究所客員研究で御用学者見習い。 – 『科学技術と社会・国民との間に生ずる諸問題に対応するための方策等に関 する調査:科学技術と社会・国民との相互の関係の在り方に関する調査(平 成11年度報告書)』 2000‐2006年 京都女子大学現代社会学部 2006年~ 大阪大学コミ
大地震の翌朝未明にリンク集を作って以来、2か月ちょっとぶりの更新です。 その間、たくさん考えることがあり、またその一端をメディアで話させていただく機会もいくつかありました。 たとえばこんなところ。 3月30日 ニコ生シノドス・大震災スペシャル「ニセ情報に気をつけろ! 生き残るための情報戦略」 平川秀幸、八代嘉美、飯田泰之、荻上チキ トゥギャッターでのまとめ: http://togetter.com/li/117912 4月16日 マル激トーク・オン・ディマンド 第522回 なぜ「専門家」は信用できないのか -平川秀幸、宮台真司、神保哲生 平川秀幸「三・一一以降の科学技術ガバナンスに向けて――過去を通じての未来へ」、『現代思想 2011年5月号』(特集=東日本大震災 危機を生きる思想) そして昨日から公開になったのが、こちら。Synodos代表の芹沢一也さんによるインタヴュー記事。 「科
東北地方太平洋沖地震(テレビでは東北・関東大地震と呼んでる?)にともなう原子力発電所の事故関係の情報リンクです。(オリジナルのロング版はこちら。) 政府関係、電力会社(東京電力と東北電力)などの「1次ソース」、それと批判派NGOとして、一次ソースをもとに分析してる原子力資料情報室のリンクを集めてみました。 太字にしてあるプレスリリース等は、よく更新されていますので、一番情報として役立つと思います。福島県原子力センターでは、福島第一・第二原発周辺の環境放射線の測定状況を地図で表示しています。 経済産業省 原子力安全・保安院 緊急時情報ホームページ 首相官邸 東北地方太平洋沖地震への対応 福島県原子力センター 福島第一・第二原発 環境放射線測定状況 東京電力プレスリリースのリスト 東京電力 原子力情報(福島第一・第二原発、新潟柏崎刈羽) 環境放射線データの公開 福島第一原子力発電所 プレスリリ
昨日に続いて、専門関係の話題。 朝日新聞の記事「スギ花粉症予防組み換えイネ、栽培実験へ 全農など」でも紹介されている遺伝子組み換えイネの栽培実験の話題。実施主体の(独)農業生物資源研究所には、情報提供のためのプロジェクトの紹介ページ「スギ花粉症緩和米の研究開発について」、「農業生物資源研究所で行う遺伝子組換えイネの第1種使用(圃場試験)について」、またその説明会のプレスリリース「農業生物資源研究所で行う遺伝子組換え作物の第1種使用(圃場試験)についての説明会のご案内 」がある。 この組み換えイネのことは、昨年(社)農林水産先端技術産業振興センター(STAFF)が開いた「市民会議~食と農の未来と遺伝子組換え農作物~」(小生は企画委員として参加)で、説明者の1人だった農業生物資源研究所の田部井豊さんが説明していたので知っていた。スギ花粉のアレルギー反応原因物質(アレルゲン)の一部分をつくる遺伝
仕事の関係でちょうど目に付いた最新号の『サイエンス』の論文。 遺伝子組換え(GM)サケが、遺伝子組換え動物としては初の商業化認可に向けて、現在米国保健省食品医薬品管理局(FDA)で最終判断が下されようとしている。この論文は、FDAによるGMサケのリスク評価の問題点を指摘する点でも興味深いが、STS(科学技術社会論)的に見ても、きわめて面白いポイントを突いている。 "Genetically Modified Salmon and Full Impact Assessment" Martin D. Smith, Frank Asche, Atle G. Guttormsen, and Jonathan B. Wiener Science 19 November 2010: 1052-1053. As the U.S. Food and Drug Administration (FDA) con
最終的な情報 本記事について、最終的な情報をNHKクローズアップ現代制作者よりいただきました。要点は次の通りです。 低アレルゲン猫を開発した会社(Lifestyle Pets社、旧Allerca社)は、アレルゲンのたんぱく質を作る遺伝子Fel d1を特定するなどの段階では、当初の本記事で指摘した方法を利用している。 しかしながら、低アレルゲン性の猫を増産する段階では、同社の研究者による特許"METHOD OF GENETICALLY ALTERING AND PRODUCING ALLERGY FREE CATS"に示された技術などを用いており、この部分がカルタヘナ議定書および日本の国内法であるカルタヘナ法の規制対象となっている。 この意味で、同社の低アレルゲン猫は、カルタヘナ議定書/法が対象とする意味での「遺伝子組み換え猫」であり、本来は輸入前の審査を必要とするものであった。 以上の事実
先週末、とあるところから、「科学技術と社会」の関係にかかわる科学技術政策のここ5~6年の動向の振り返りと、今後の展望についてヒアリングを受けた。 どこからのヒアリングかは、諸々事情があるためシークレットだが、ヒアリングを通じていろいろ考えたことがあったので、自分用のメモとして、書き散らしておく。他にも、明日(もう今日か)のクローズアップ現代で話す「遺伝子組換え動物」の問題で考えたこともいろいろあるので、それも近いうちに書くつもり。来週頭くらいかな? 今回のだけでもけっこう長くなるので、2回に分けて書いてみる。 まずは、これまでの振り返りということで、ゼロ年代後半の科学技術政策の話から。とくに遣り残された課題について。(このあたりの話は、拙著『科学は誰のものか』でも簡単に触れたが、大幅に端折ったので、ここではやや詳しく書いておく。) ゼロ年代後半の科学技術政策――「コミュニケーション」という
またまたパブコメのお知らせ。 今度は、来年度から5年間の国の科学技術政策の基本を定めた「第4期科学技術基本計画」についてのもの。 「科学技術に関する基本政策について」へのご意見募集(プレスリリース) (パブコメ一覧のページ) 1.概要 政府は、科学技術基本法に基づき、科学技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、科学技術の振興に関する基本的な計画(科学技術基本計画)を策定しています。これまでに、第1期(平成8~12 年)、第2期(平成13~17 年)、第3期(平成18~22年)と5か年の計画を策定しており、この度、平成23 年度からの新たな第4期科学技術基本計画を策定する予定です。 総合科学技術会議では、第4期科学技術基本計画の策定に向けて検討を進めており、本年12 月に答申を予定しています。これに先立ち、答申案の取りまとめの参考とするため、国民の皆様から広くご意見を募集し
だーいぶ前に企画をいただいて、ようやく出ます。 これまで共著はいくつか書いてきましたが、今度のは(ようやく)初単著です。 平川秀幸 『科学は誰のものか―社会の側から問い直す』 NHK出版 生活人新書 328 2010年9月10日発売 Amazonその他では9月8日発売となってますが、出版社では10日発売となっています。編集さんによると、大手書店では7日から並ぶところもあるとのこと。(2010/9/8追記:Amazonでは8日から発売になっています。) 帯には「科学は専門家に任せるな」などとカゲキなことも書いてますが、それはアオリ文句で、実際のところは、「科学は専門家だけに任せるな」――もっといってしまえば、「未来を科学技術だけに任せるな」――っていう話を、(しばしば政治的に脱色されたものとして語られがちな)「科学技術コミュニケーション」ではなく、ソーシャルでポリティカルな「科学技術ガバナン
最近、ちょっとマジメに考え出してる野望。 「経済学」をちゃんと勉強しようと思ってる。とくにマクロ経済と経済史、経済哲学のあたり。 ずっと前からうすうす考えてきたことではあったけど、先日の夕食後、『現代思想 2009年8月号』の特集「経済学の使用法」――とくに水野和夫氏の論文「近代の終焉と脱“近代”経済学」――の話題で、妻と盛り上がっていたなかで、「(ぼくが)これからやるべき仕事とは」という話になったのが直接のきっかけ。 なんでかっていうと、遡って考えてみると、いろいろあるわけで。 一番の動機は、「モダニティ(近代性)」、そして現代という時代を「理解したい」という理論的欲求。 1991年に物理をやめてから、これまで自分は、科学哲学、そして科学技術社会論(Science, Technoloyg and Society: STS)という分野でやってきたわけだけど、たぶん、その一番根っこにあるのは
トラックバックを頂いたProust Cafeさんのエントリー"人間が失った「予知能力」"で知ったのだが、あの前米国農務長官アン・ベネマン氏が、5月に、UNICEF(国連児童基金)の次期事務局長に就任するという。 この前も書いたが、彼女は、「フレーバー・セイバー・トマト」という世界初の遺伝子組換え作物を商品化し、その後世界最大の組換え作物メーカー、モンサント社に買収されたカルジーン社の元・重役でもあるし、また輸出拡大のための「貿易自由化」の推進役としても有名な人物。農務長官という肩書きは、ほとんど米国アグリビジネスの利益代表と変わらない(参考:「USDAは「アグリビジネス産業省」、デタラメな米国BSE対策の根源 新レポート」)。そんな彼女が今度は、飢餓や貧困にあえぐ世界の子どもたちを支援するUNICEFの事務局長とは。。冗談にしてもキツすぎ。 世界の飢餓の原因には、もちろん自然環境の悪化や紛
鳩山首相の今夜の就任会見。 まー全部聞いてたわけじゃないので、他にもあったのかもしれないし、反対にダメダメなのもあったかもしれないけど、自分的に「これは金言ではないか」と思われた一節。 「今までのように、国民の皆さんもただ1票を投じればいいんだという発想ではなく、ぜひ政権に様々ものを言っていただきたい。政権の中に参画していただきたい。…… 私たちは、試行錯誤で失敗することもあるかもしれない。国民の皆さんに寛容を求めたい。何せまだ、ある意味で未知との遭遇、経験のない世界に飛び込んでまいります。政治主導、国民主権、真の意味での地域主権のために、様々な試行実験を行っていかなくてはなりません。したがって、国民の皆様方も、辛抱強く新しい政権をお育て願えたら、大変幸いに思っております。」(強調筆者) この「試行錯誤で失敗することもあるかもしれない」という発言、一見(一聴?)すると、政治家的には弱気で無
再開といいつつ、またしばらく更新が滞ってしまった当ブログ。たまにはエントリーを挙げておきます。 5月のGWに高熱で倒れ、5日ほど絶食状態が続き、体重が5キロも激減。せっかくなんで、これを機会にダイエットということで筋トレ(ほんの軽いやつです)を続けてきたおかげで、いい感じにお腹がしまってきてる今日この頃。とはいえ相変わらずブログのタイトルに違わず、食道楽は続けており、先週末は新潟で寿司も頂いてきました。 で、その新潟ですが、これは別に寿司だけのために行ったわけではありません。 いちおう研究活動の一環での出張でした。 お目当ては、17日(金)にジュンク堂新潟店で開かれた第26回サイエンスカフェにいがた「オリュンポスの神々と本をめぐって 〜科学夜話12題24色」。ゲストスピーカーは、長神風二さん(東北大学脳科学グローバルCOE特任准教授)と内田麻理香さん(東京大学工学部特任研究員)。 ゲスト
一昨日、昨日は、京都新聞文化部、読売新聞科学部からそれぞれ取材を受けた。前者は、「かがくとの対話」という先月から始まったインタビュー企画のためのもので、後者は1月からスタートした「リスクを伝える」というシリーズ企画のもの。それで、京都新聞のほうは3月18日か25日に掲載予定なのだが、おそらくそれには載らない(テープを止めた後の)話題について少々。 この企画では現在、「生命科学」をテーマにいろんな専門家にインタヴューをしているという。それで第一回は、「生き物として文明を考える」というタイトルのJT生命誌研究館館長の中村佳子さんのインタヴューだったのだが、その記事を読ませてもらって、どうにもムムムッな記述を発見。(強調筆者) 今、科学は壁にぶつかっている。DNA分析が、生きているということとどうつながるのか。これがわからないと本当に生き物を大事にする社会はつくれない。アインシュタインの相対性理
1 (ATTAC ) 2002 12 19 (GM) 2 1. GM z 2. GM GM GM 2 (Food Sovereignty) ? (FINAL DECLARATION OF THE WORLD FORUM ON FOOD SOVEREIGNTY, Havana, Cuba, September 7, 2001) z 2 (by FAO) 2002.6.10-13 in Rome z NGO NGO/CSO Forum for Food Sovereignty http://www.forumfoodsovereignty.org/ingleseweb/inglesepage.htm z z ( ) z GM 3 1. GM (1) 96 GMC 2001 96 30 5,260 ha (Clive James. Global Status of Commercialized
科学・技術と社会に関わるトピックを中心に、ニュースの紹介や寸評、思いつき、覚書きを綴るコーナーです。内容について御意見、ご教示、情報の御提供、お問い合わせがありましたら、ぜひメールをお寄せください。 「リスクをめぐる専門家たちの"神話"」(2002.10.14) 先々週末(10月5日)、原子力安全委員会が開いたパネル討論会「リスク社会で安全を得る−原子力は特別なのか−」に行ってきた。会場は自宅からチャリで10分ちょっとの京都リサーチパーク。7月に東京で開かれたパネル討論会「リスクと、どうつきあうか−原子力安全委員会は語りあいたい」に続く二回目の討論会だ。ファシリテーター役の小林傳司さん(南山大学)からの誘いで、会場からの質疑応答でいろいろツッコミしてくれという半分「サクラ」としての参加だった。 討論会の中身だが、午前中は統計学者の竹内啓先生(明治学院大学国際学部教授)の講演。1時間ちょっと
こういうことを大学の中の人間が書くと、身びいきとか、学者の身勝手、傲慢、何甘えてんだといわれそうですが、書くべきことは書いておかないと。。 科学コミュニケーションブログのK_Tachibana さんの次のエントリーについつい反応して、コメント欄で書きなぐってしまった駄文を、大幅に加筆・修正してこちらにも書いておきます(Tachibanaさん、長文コメント、すみません)。 危うさはらんだ教育再生会議主導の大学・大学院改革(科学コミュニケーションブログ) 昨日から今日にかけて,大学・大学院改革に関する政治的な大きな動きが見られました.23日の日経に出ていた,熊大の崎元達郎学長の話を引くまでもなく,現場を把握した上で本当に慎重に具体的な案に練っていかないと,経営破たんや教育の質低下の危険をはらんでいることに注意しなければならないと思います. Tachibanaさんのエントリーにリンクされているニ
3ヶ月前にここで紹介した映画「不都合な真実 (An Inconvenient Truth)」が、今日から公開され、ずっと待ちこがれていた我が家も早速、観に行ってみました。間もなく発表される「気候変動政府間パネル(IPCC)」の第4次報告書では、第3次の「今世紀末に最大で5.8℃の平均気温の上昇」という予測を上回って、「最大6.3℃上昇」というより深刻な予測が公表される見込みだったりして、温暖化へのアクション喚起にとって実にタイムリーな公開です。 感想は、映画そのものについて言えば、文句ありません。すばらしく良くできた映画です。あと2、3回は映画館まで観に行っていいかも。なんといっても「主役」のアル・ゴア元米国副大統領のプレゼンテーションが巧い!ジョークも交えつつ、とても効果的に、温暖化の脅威に関するファクトと未来への希望を分かりやすく伝えてくれてます。とりあえず、百聞は一見にしかず、ぜひ観
世の中には「後発の利」(latecomer's advantage; advantage of backwardness)という言葉がある。もともとは経済史家のガーシェンクロンが、後発工業国が、先進国からの技術移転を積極的に行うことで、先進国が辿ったよりも短い期間で工業化を進めるという現象を説明するために導入した概念だが、そうした先行者の達成物だけでなく、それに伴う失敗や教訓からの学習ということも含めれば、工業化以外の多くのことにもあてはままる考え方だといえる。 この言葉をふと思い出したのは、安倍内閣が進めようとしている「教育改革」が、1988年に当時のサッチャー保守党政権が実施し、その後、ブレア労働党政権が強化を進めたイギリスの教育改革を下敷きにしているからだ。改革以来、多くの子供たちがすでに成人に達しているイギリスの改革の「成果」と「教訓」から、果たして日本の「改革者」たちは何を学び、
タイムマシンがあったら、ぜひお願いしたい。 この人たちまとめて、1945年より昔に送ってやってください。(本人たちも本望だろう。) 東京・銀座七丁目の路地裏通り。店の入り口右わきに日章旗。軍歌酒場「F」――。 八月二日夜、自民党の若手議員の「軍歌をうたいつぐ会」が企画されました。案内状に「8月15日靖国神社参拝後の唱和のための軍歌演習を兼ねた暑気払いです」。 終戦記念日を前に軍歌を高歌放吟する自民党若手議員たち。自民党内で“安倍青年親衛隊”と評されます。軍用迷彩服を着用し、モデルガンを手にするのが趣味というメンバーもいます。 軍歌を歌う若手議員は昨年総選挙で初当選した議員(八十二人)の半数でつくる「伝統と創造の会」(会長・稲田朋美衆院議員、四十一人)の一部メンバーでした。同会は今年二月十一日に旗揚げ。「自由民主党の立党の精神に立脚し、誇るべき伝統や国家の品格を守りつつ新たな日本を創造する」
東海地震と原発震災問題のリンク集 1976年に東海地震説が発表されてからおよそ四半世紀。多くの地震学者が、さまざまな観測データをもとにここ数年以内に、震源の深さ10-30km、マグニチュードは最大8.0クラスの東海地震が発生する可能性が高まっていると指摘しています。それとともに地震の震源域の真中にあり、昨年も事故のあった浜岡原子力発電所が地震によって損壊し、大震災に大規模な放射性物質の放出を伴うチェルノブイリ事故クラスの原子力災害が重なる「原発震災」の懸念も高まっています。政府や電力会社は、相も変わらず「大丈夫」の一点張りですが、発電所は、現在の地震学の知見からすれば誤った考え方を含んだ旧い耐震設計基準に基づいて作られたもの(1, 2号機は基準制定以前に作られた)であり、耐震性に大いに疑いがかけられています。「浜岡を廃炉に!」とか「すべての原発を止めろ」なんて非現実的なことはいいません。せ
先週の火曜日、23日のことだが、PCST-9 協賛国際シンポジウム「科学を語り合う ―サイエンスコミュニケーションの方法と実践」というイベントに行ってきた。会場は、お茶の水の日大カザルスホール。 PCSTというのは、"Public Communication of Sciecne and Technology"という2年おきに行われる科学技術コミュニケーションの国際会議で、今年は、つい先日、5月17日から19日まで韓国・ソウルで開催されたばかり。(ソウルで近いこともあって、小生も参加してきました。) 今回のイベントは、その協賛企画で、文部科学省科学技術政策研究所とブリティッシュ・カウンシルの共催で開かれたもの。講演者は日本から4名、欧州(英国、ベルギー)から3名で、そのスピーチの概要は、上記のリンク先にあるとおり。 で、その内容なんだけど、ある意味、日欧間の科学技術コミュニケーションをめぐ
前のエントリーでちょっと書いた「命がけで守るべき建前」で思い出したけど、毎日新聞の特集記事「縦並び社会・格差の源流に迫る:ブレーキなき規制緩和」で紹介されてる小泉首相の諮問機関、規制改革・民間開放推進会議やその前身の総合規制改革会議の話は酷すぎ。ちょっと引用しておく(太字強調筆者)。 03年12月16日、前身の総合規制改革会議。労災保険の民間開放をめぐり、委員の清家篤・慶応大教授が反対を唱えた。「セーフティーネットを弱体化させかねない」 民間に委ねて労働者への補償が不十分になった海外のケースを列挙し、会議の答申案から削除するよう求めた。 多数を占める賛成派の委員が反論した。「当会議はメンバーが一致団結していく伝統がある」 小泉純一郎首相に提出された第3次答申には「労災保険の民間開放」が盛り込まれた。清家委員は次期会議に切り替わる際、委員に選ばれていない。国鉄民営化にもかかわった議長代理の鈴
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『La Pensée Contingente/偶有思考: STS Labo of Hideyuki HIRAKAWA』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く