『この世界の片隅に』と凶器としての「普通」 - messy｜メッシー

私がこうの史代原作のアニメ映画『この世界の片隅に』を見たのは最近のことです。単に出遅れていました。でも、本作が上映され始めたとき、少し衝撃を受けたことはよく覚えています。「祖母と見に行った」「祖母のことを思い出した」というつぶやきがSNSやブログにあふれたのです（注１）。 （注１：例えばこのまとめにある記事など。http://momomomo1232.hatenablog.com/entry/2016/11/30/010619） その時は素直に、これはすごい作品なのかもしれないと思いました。ですが、なぜこんなにも、北條すず（旧姓浦野）というヒロインを自らの祖母や母に重ねる人が多いのか、と奇妙な感じも残りました。 仕事で予定が合わず、１月の末にようやく映画を見に行きました。そして漫画原作も購入して読みました。以下では基本的に映画版についての感想を中心に書きますが、必要に応じて適宜漫画版につい

[sunagi]

原爆についての描写の批判で『はだしのゲン』を持ち出してくる時点で、『夕凪の街 桜の国』を読んでないのが丸解りなんですが。こうの史代さんはそれはもうやってるの！！　「論」として語るなら無知はダメ！

[wdnsdy]

原爆描写については作者の作品を色々読んでれば「もう他作品で掘り下げてるから今回はやらなかったんだろうな」と別段引っかからない所だけどね。原作者の内心に言及するなら他作品も読んどかないとダメじゃないかね

[rohiki1]

漫画読み直した時、「この辺のこういうトコは、男は気付かないよね」みたいな壁の向こうの隠された女性を感じたな。刺さる棘が色々あるが、気付かない。バスケやってる後ろのゴリラくらい最初気づかなかった。

[amanoiwato]

論旨は理解できるけど、ここに書いてあるような問題というのは作り手ではなく受け手や批評の側にあるんじゃないかな。

[bros_tama]

たった70年前の歴史をありのままに理解できないのはなぜか．今の価値観で出来た紋切り型の見方で切り落とされたものを丹念に拾い集めたら，逆に我々の「歴史認識」が露わになった，という重大な意味があったと思う．

[Hi-Fi]

この記事の本筋からは逸れるけど、すずさんの「異能」が「普通」なのは、絵を描くことが「普通」の世界（レイヤー）の住人である原作者と監督の視点から描かれた物語だからだよね。絵を描く〈右〉手で把握する世界。

[hobbling]

水原の言う「普通」は南方の「戦争」に対比されるものだと思うが。水木しげるが描いてる地獄ね。/玉音放送時は一億玉砕を叫ぶことがすずの「普通」になってるし、「普通」はあやふやで頼りないものとして描かれてる

[tdaidouji]

丁寧でそれこそ「普通の」議論だと思ったんだけども、想定外のヒットで反応コメがだいぶ抑圧側になってきたかなという懸念あります。本来なら変化球の位置付けだったのが主流に躍り出て、本作はそれに耐えうるかよね

[workingmanisdead]

第二次世界大戦時の人権感覚を現代の人権感覚で断罪するのは罪だと思う

[bn2islander]

「この映画には、その凶器が放置されていると感じました。それもひょっとすると、かなり意図的に」おそらく原作者と映画制作者はこの反応を想定しているし、この感想を持たせる様にデザインされているのかもしれない

[shigak19]

問題意識の鋭さの割には、細部の事実認定に難が在るのと、単に描いているか・いないか、映っているか・いないかという随分素朴な評価軸で表現を語っているように読めるのは、批評として残念

[fujinojun]

ドラゴンボールを「闘う女性が少ない。マッチョイズム」と批判しているようなもの。歪んだレンズで覗けばどんな作品も歪んで見えるでしょう。

[navix]

読ませる論考だが穿ち過ぎの気あり。

[ka-ka_xyz]

「普通」については評者の問題意識と作品の方向性が違うよねという話だし（とはいえ、"「普通」だから良い"的な評価への居心地の悪さは同意）、「原爆」については同原作者の『夕凪の街 桜の国』読めで終わるよね。

[sho]

うーん、「夕凪」読んで出直そうね? って感じだな。

[rosemariefairy]

立場によって、見方が変わる作品なのだなぁ、と思い知らされた。この映画は「すずさんかわいい」が一番表現したいことだと思うから、批評すること自体、的外れのような気もする。

[koyhoge]

ここまで深く作品を読み込む姿勢は賞賛に値するし、自分もそうありたいと思う。

[usi4444]

この映画で「砂糖の衣でくるんだような表現」なのは女性に関することだけではない。もはや日本ではそのような表現しか受け入れられない人が大部分。中国のクリエイターに習近平批判が直接的ではないとは言えない。

[Cru]

とても着実な論考だと感心する反面、水原のあのエピソードを盗作と断言してしまう感性で書かれた論考かと思うと、留保したくもなる

[zyzy]

「現在とは価値観がぁぁ」というのはまさに「普通による弾圧そのもの」なので、反論にならないどころか後押ししてる件。「当時の思想」などという物はなく「当時多数派の普通として弾圧する側だった思想」があるのみ

[frivolousman]

マズローの欲求段階で分類するとすずさんは「普通の安全欲求と帰属欲求段階」にいる人。

[guru_guru]

押し付けがましいなぁ。

[Midas]

皆さん絶賛の「この世界の」、私は「こんなバカ映画にころっと騙されるなんてチョロい奴ら…」としか思わなかったので(全く別の意味からだが)この人の気持ちも解る。「当時の人々は単純にああじゃない」と書いた通り

[YOW]

「広島 ほのめかしと省略」「原作者があまりにもよく『広島で原爆について語る事』の意味を知っていたから、そして同時に、日本の大半の人々があまりにも広島について無知であることをも知っていたからでは」

[mamezou_plus2]

普通というより「当たり前」なのだけど、男も女もその当たり前が制限された時代。不況と戦争で。皆生きる為に苦しい選択をした。水原も。日常に存在する狂気と隣り合わせなのを晒した作品。戦争と日常が地続き。

[yamatonatu]

漫画読んでないのに3ページ目まで読んでしまって激しく後悔。ひとこと書いてくれ。

[Harnoncourt]

原爆の表現については、他の作品でさんざんやってるだろうことくらい想像できないのかしら。自分もバカだし他の作品も知らないけど、呉が舞台という時点でそこをメインに描きたいわけではないと想像できましたよ。

[andalusia]

ならばトルストイの「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」も批判されるべきか。 / 現代とは価値観というか、満たされるべき欲求（マズロー的な）のレイヤーが違う。

[cocoa1127]

リンさんのエピソードの重要性を充分わかった上で、戦争に苦しめられたすずさんがリンさんのことでも苦しんだら映画の尺の中ですずさんを救えないと思ったからカットしたってユリイカの監督インタビューにありました

[rci]

概略賛同。「夕凪の街 桜の国」を持ち出してるブコメあるけど、そっちのほうがさらに、私たち100%被害者ですみたいな描き方で、私は受け入れられなかったなあ。

[morinaga3]

あとで読む この世界の片隅に

[yooks]

なぜ原爆の直接描写を避けたのかって話だけど。中学時代、はだしのゲン読んだ後に井伏鱒二の黒い雨読んで、「ソフト過ぎる」と違和感持ったこと思い出した。先鋭化だけが表現ではないって学んだなあ。

[ei-gataro]

「戦争から70年も経って」しまったからこそ砂糖をまぶさなければ受け入れられない残念さはあるのだと思う。だからこの作品で「戦争」や「原爆」をわかった気になるのではなく、入り口にしていければよいのだが。

[misomico]

すずさんの日常を描いた話で、すずさんの居合わせない広島を出す意味はない。それではプロパガンダになってしまう。

[type-100]

どうも「普通」という言葉について、ピンとこないな。

[ilya]

2017.03.29

[ToTheEndOfTime]

"すずは変わった子なのですが、むしろそれゆえに、「平凡な人生を歩む」ことを肯定的に捉えていると解釈出来るのです。"／この平凡を求める気持ちこそ生きる上でとても大事なことなのかもしれない。

[cocoyutaka]

個別には反論はあるけど、いい評論だなと思う。ぐっときた個人的感情を、丁寧に理解している言葉で語っている感じ。こうのさんも片渕さんも本当にすごいのは分かり辛く普通から外れているのに共感させてくれること。