曾(そう)子(し)曰(いわ)く、吾(われ)日(ひ)に三(み)たび吾(わ)が身(み)を省(かえり)みる。人(ひと)の為(ため)に謀(はか)りて忠(ちゅう)ならざるか。朋友(ほうゆう)と交(まじ)わりて信(しん)ならざるか。習(なら)わざるを伝(つた)うるか。 曽(ソウ)先生 ――「毎日ふりかえることが三つ。人にまごころをつくしたか。友だちにすまないことはないか。教えは身についているか。」(魚(お)返(がえり)善雄『論語新訳』) 曾参(そうしん)が言うよう、「私は毎日何度となく、人の世話をしながら親切(しんせつ)の足(た)りないことがなかっただろうか、友達(ともだち)づきあいに信義に欠けたことはなかっただろうか、先生から教わったことをまだ十分身につかぬうちに人に受売りしたことはなかっただろうかと、わが身にたちかえって思い合わせてみる。そしてもしさような欠点があったらさっそく改めるように心がける