砂浜のごみに交ざっているガラス片(ビーチグラス)を湘南の地域通貨として活用する「ビーチマネー」の輪がじわりと広がっている。2007年春に42店の協力で産声を上げ、倍以上の90店まで成長。全国各地で地域通貨は導入されているが、多くは広がりに欠けているという。そんな中、「宝探し」を楽しみながら砂浜の美化に貢献し、経済的にちょっぴり得するビーチマネーのユニークな発想はエコな人々を引きつけているようだ。 辻堂駅から海岸に延びる通称「サーファー通り」。おしゃれな飲食店などが並ぶ界隈(かいわい)は、いわば、ビーチマネーのメッカだ。協力店は「海岸清掃のご褒美」として、割引などさまざまなサービスを提供している。 「どんな色でも1個30円分、1回で使えるのは2個までですよ」。国産素材のパン作りにこだわる「麦波ベーカリー」のオーナー青木智和さん(45)が、店独自のルールを説明する。近所の主婦米長秀子さん(