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ブックマーク / www.tachibana-akira.com (23)

  • あなたは“ゴミ”になれますか? 週刊プレイボーイ連載(53) – 橘玲 公式BLOG

    この連載を始めたのはちょうど1年前で、東日大震災と福島原発事故の直後ということもあり、この国の政治についてあれこれ意見を述べたのですが、最近はまったく書くことがなくなってしまいました。消費税や議員定数是正をテーマにしようとしても、これまでの記事のコピー(繰り返し)になってしまうからです。 コピーにはオリジナルがあります。それでは、日政治の深層にあるオリジナルとはいったいなんでしょう。 かつて自民党の長老議員は、「サルは木から落ちてもサルだが、議員は落選すればタダの人だ」と述べました。いまではこの言葉は、「政治家は落選したらタダのゴミ」とヴァージョンアップして、永田町で広く使われています。 ひとは誰でも“ゴミ”にはなりたくありません。学歴もプライドもひといちばい高い政治家ならなおさらでしょう。 2006年の偽メール事件で、「堀江貴文ライブドア社長(当時)が、衆院選出馬に際して自民党幹事

    あなたは“ゴミ”になれますか? 週刊プレイボーイ連載(53) – 橘玲 公式BLOG
    junkcollector
    junkcollector 2012/06/23
    落選したらゴミになるしかないような頭の悪い連中ばかりが政治家になっていることが問題。落選しても自分で別のビジネスをやっていける人間こそが政治家になってもらいたいものだが…
  • 「強いリーダー」はなぜいないのか? 週刊プレイボーイ連載(34) – 橘玲 公式BLOG

    昨年末には北朝鮮の金正日主席が急逝し、今年は米大統領選や中国共産党の政権交代など重大イベントが目白押しで、ユーロ危機はあいかわらず薄氷を踏むような状態がつづいています。そんななか、日にも「強いリーダー」が必要だとの声が日増しに大きくなっています。 ところで、日にはなぜ強いリーダーがいないのでしょう。この疑問はふつう「政治家がだらしないからだ」と一蹴されてしまうのですが、そんな簡単な話ではないかもしれません。 1980年代から、世界80ヶ国以上のひとびとを対象に、政治や宗教、仕事教育、家族観などについて訊く「世界価値観調査」が行なわれています。これだけ大規模な意識調査はほかになく、その結果もきわめて興味深いのですが、2005年調査の全82問のなかで、日人が他の国々と比べて圧倒的に異なっている質問がひとつあります。 近い将来、「権威や権力がより尊重される」社会が訪れたとすると、あなたの

    「強いリーダー」はなぜいないのか? 週刊プレイボーイ連載(34) – 橘玲 公式BLOG
    junkcollector
    junkcollector 2012/01/24
    翻訳語の問題のような気がする。およそまったく異なる言語で為された似て非なる質問を比較するのに意味があるかは疑問だ。
  • オリンパスの“飛ばし”はどういう仕掛けだったのか? – 橘玲 公式BLOG

    オリンパス損失隠し事件の報道によれば、オリンパスは90年代に財テクで失敗した1000億円規模の損失を隠蔽するために、2000年3月期に、ケイマン諸島籍のファンドなどを利用して、「含み損を抱えた金融商品と、ファンドが発行する債券を簿価で等価交換した」とされています。 この記述だけではわかりにくいと思いますが、これは90年代末のプリンストン債事件と同じ構図です。この事件についてはずいぶん前(2002年10月)に書いたことがあるので、ご参考までにそれを掲載します。 9年前の原稿で、いま読み返すとずいぶん肩にちからが入っているなあ、という感じですが、けっこう新鮮です(笑)。 *                   *                   *                   *                   *                   *            

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  • 円高に慌てるな 資産防衛3つの鉄則 (月刊『文藝春秋』10月号) – 橘玲 公式BLOG

    月刊『文藝春秋』10月号(9月10日発売)に掲載された「円高に慌てるな 資産防衛3つの鉄則」を編集部の許可を得てアップします *前半部分は、「円高と株安についての個人的感想」と同じです。既読の方は飛ばしてお読みください。 *                   *                   *                   *                   *                   *                   *                   * 財政赤字が膨張をつづけ、日国債が格下げされても、円は戦後最高値を更新している。なぜ財政が破綻しそうなのに円だけが高くなるのか? この疑問にこたえるには、そもそも今は円高ではない、ということから説明しなければならない。 円高なのに円高ではない? これはいったいどういうことだろう。 そこでまず、

    円高に慌てるな 資産防衛3つの鉄則 (月刊『文藝春秋』10月号) – 橘玲 公式BLOG
    junkcollector
    junkcollector 2011/10/15
    『これは要するに、すべてのひとの賃金を一律に引き下げられないから、一部のひとの賃金をゼロにして、市場全体として帳尻を合わせようということだ』そう、だから現代日本では組織にしがみつくのが一番トクなのだ。
  • 民主党政権とはなんだったのか(3) – 橘玲 公式BLOG

    「官僚内閣制」「省庁代表制」「政府・与党二元体制」という日的な統治構造では、仕切られた省庁の枠組のなかで、ボトムアップの合意形成によって政策がつくられていく。この仕組みは戦後の復興期、社会の各層に的確な政策が必要とされていた時期にはきわめてよく適合した。 だがこの大きすぎる成功体験が、冷戦終焉以降の歴史的な変化に乗り遅れる原因ともなった。「省庁連邦国家日」には、国益のためにトップダウンで合理的な意思決定をする仕組みが備わっていないのだ。 そこで民主党は、2009年の政権交代を受けて、日の統治構造の改造に乗り出すことになる。 民主党の「原理主義者」たちの理解では、政権交代後にこの国にふたつの権力が並立することになった。ひとつは選挙で選ばれた国民代表を基盤とする民主党内閣、もう一つは省庁代表を基盤とする官僚内閣だ。 ひとつの国にふたつの権力は並び立たないのだから、民主党内閣は、権力闘争に

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  • 民主党政権とはなんだったのか(2) – 橘玲 公式BLOG

    いまやなつかしい鳩山政権のマニュフェストを読み返すと、その冒頭に「5原則5策」の政権構想が掲げられている。「内閣官僚制」「省庁代表制」「政府・与党二元体制」という日の統治構造の変革を民主党が目指していたことがよくわかるので、すこし長くなるが引用しておこう。 【5原則】 原則1 官僚丸投げの政治から、政権党が責任を持つ政治家主導の政治へ。 原則2 政府と与党を使い分ける二元体制から、内閣の下の政策決定に一元化へ。 原則3 各省の縦割りの省益から、官邸主導の国益へ。 原則4 タテ型の利権社会から、ヨコ型の絆(きずな)の社会へ。 原則5 中央集権から、地域主権へ。 【5策】 第1策 政府に大臣、副大臣、政務官(以上、政務三役)、大臣補佐官などの国会議員約100人を配置し、政務三役を中心に政治主導で政策を立案、調整、決定する。 第2策 各大臣は、各省の長としての役割と同時に、内閣の一員としての役

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  • 円高と株安についての個人的感想 – 橘玲 公式BLOG

    円高と株安についていくつかご質問をいただいたいので、個人的な感想を書きます。 まず円高ですが、デフレと低金利の経済では通貨は高くなるのが当然です。私は繰り返し「円安は超常現象」と書いてきましたが、これまでほとんど相手にされませんでした。世界金融危機をきっかけに、市場は(そこそこ)効率的で、この世に錬金術が存在しないことがようやく証明されたのです。 よく誤解されますが、円高だから海外投資は損をする(円安なら得をする)、というわけではありません。金利平衡説では、国債のような無リスク商品に投資する場合、国内と国外で損も得もなくなるはずです。 このことを直感的に理解するには、グローバルソブリンを例にとるとわかりやすいでしょう。 毎月分配型の草分けとして大人気を博したこのファンドは、当初(97年12月)1万円で設定された基準価額が、7月末には5090円まで下落してしまいました。これだけ見れば円高で大

    円高と株安についての個人的感想 – 橘玲 公式BLOG
    junkcollector
    junkcollector 2011/08/12
    今のデフレ日本で「いかにして人的資本の価値を守るか」とは、何かにトライするのではなく縮こまってさえいれば給与引き下げの無い職にしがみつくのが最適戦略ということ。閉塞感が国中に蔓延するのも当然であろう。
  • 東京電力は本来の場所へ帰っていくだろう – 橘玲 公式BLOG

    原子力損害賠償支援機構法が国会で成立した。 この法案では、新たに設立される「機構」は東京電力に対し無制限に資金提供できるのだから、東京電力が債務超過に陥ることはなく、電力債や融資などの債権は100%保護されることになる。修正された法案では、「株主その他の利害関係者に対し、必要な協力を求める」ことになっているが、仮に金融機関が利子の減免などに応じたとしてももかたちだけのものだろう。 すでになんどか述べたが、会社法では、株主と債権者の責任を明確に定めている。未曾有の災害を引き起こしたにもかかわらず債権者が免責されることは私にはとうてい納得できないが、法案が成立した以上、新機構のもとで被災者に一刻も早く適切な賠償が行なわれることを望みたい。 そのうえで、今回の法案で東京電力が今後、どうなるかを考えてみたい(以下は、あくまでも私見である)。 このスキームでは、原発事故の賠償が国民負担とならないよう

    東京電力は本来の場所へ帰っていくだろう – 橘玲 公式BLOG
    junkcollector
    junkcollector 2011/08/10
    ニッポン社会主義の破綻の一里塚。既に国民の相当数がそれと知らず巧妙に隠蔽された特別会計のシャブ漬けなのだから、今更どれ程の人間が電力利権にたかるハエを追い払えよう。
  • 日本の親はなぜ子どもに甘いのか? – 橘玲 公式BLOG

    「信なくば立たず」で教育の話を久しぶりに書いて、「日の親はなぜ子どもに甘いのか?」という興味深い記事があったことを思い出した。 日アメリカで世界観に対する確信の度合いをアンケート調査したもので、その概要は大垣昌夫(慶応義塾大学教授)「文化の違いと人々のふるまい 行動経済学で解明進む」(日経新聞2011年3月9日「経済教室」)に掲載されている。 それによれば、この調査は、「死後の世界がある」「神様、仏様がいる」「人間は他の生物から進化した」などの11個の世界観に関する信条に「完全に賛成」なら1、「どちらかといえば賛成」なら2、「どちらともいえない」なら3、「どちらかといえば反対」なら4、「完全に反対」なら5を選んでもらい、その後、それぞれの質問で1か5の回答なら1点、それ以外の回答は0点として、世界観に対する確信度の変数を作ったものだ。 得点は11点満点で、満点を取るのはすべての質問に

    日本の親はなぜ子どもに甘いのか? – 橘玲 公式BLOG
    junkcollector
    junkcollector 2011/07/14
    調査方法から言って、確信について自覚的なのがアメリカ人で無自覚なのが日本人と言うべきだろう。無自覚な確信ほど手に負えないモノはない。原理主義者以上に反省する機会が無いのだから。
  • 信なくば立たず – 橘玲 公式BLOG

    ずいぶん昔のことだけれど、保護者面談で夜の小学校を訪ねたことがある。私のところは共働きなので、その日の最後に回してもらったのだ。 担任はベテランの女性教師で、いつものように、子どもの授業態度についてあれこれ注意された。ぺこぺこと頭を下げて教室を出ると、誰もいない廊下の向こうから押し殺したようなすすり泣きが漏れてきた。その教室には煌々と明かりが灯り、窓から覗くと、十数人の母親が押し黙ったまま若い女性を取り囲んでいた。 その後、知り合いの親たちに事情を聞いてみると、そのクラスは教師が生徒を管理できず、トラブルが相次いで苦情が絶えないのだという。私が見たのは、クラスの母親たちが学級運営について教師に問い質している場面だった。いまなら“モンスターペアレント”ということになるだろうが、当時はそのような言葉もなく、親が教師を私刑(リンチ)するかのような光景に大きな衝撃を受けたことを覚えている。 とはい

    信なくば立たず – 橘玲 公式BLOG
    junkcollector
    junkcollector 2011/07/08
    この場合、母親たちは自分が尊敬できる教師を雇える「エリート校」に子供を通わせれば問題解決なわけだが、結局そんな財力も子育て力も無いのである。教師を糾弾する親は鏡に映る自己像を叩いているに等しい。
  • “国家破産”の街アテネを旅して(2) – 橘玲 公式BLOG

    ギリシアの経済危機は、どこかマンガじみている。 そもそもこの国は、野良犬と並んで公務員の数がものすごく多い。ギリシアの経済学者はこれを「公務員爆発」と呼ぶが、その数は財政危機にもかかわらず加速度的に膨張している。 この不思議な社会の仕組み報告した毎日新聞記者の藤原章生は、ギリシアの公務員問題について、労働省のエリート官僚の次のような証言を紹介している。 新たな政権ができると、官僚の顧問や局長職は総入れ替えになり、それぞれの閣僚や次官ら政治家たちが好きなように身内や友人、支援者、または自分で探してきた人物をそのポストに招く。こうした人々は「臨時雇用」という形で来るが、この国の問題は彼らがいつの間にか「正規雇用」になっていて、政権が交代しても解雇されないこと。 前から同じポストにいた人はどうなるかと言うと、解雇されず、別のポストに行くか、ひどい場合、同じ局長のポストに2人がいるなんてこともある

    “国家破産”の街アテネを旅して(2) – 橘玲 公式BLOG
  • 主婦の年金問題と正義の幼稚さについて – 橘玲 公式BLOG

    主婦年金の救済問題について、忘れないうちに書いておきたい。 現在の年金制度では、サラリーマン家庭の主婦は第3号被保険者として、保険料を負担することなく老齢年金を受給できる。夫が自営業になった場合はこの制度は適用されないから、第1号被保険者として、夫もも国民年金保険料を納めなくてはならない。これが問題の前提だ。 年金の3号制度では、同じ専業主婦でも夫がサラリーマンの場合と自営業者では扱いが違う。結婚しても共稼ぎなら夫婦とも保険料を払わなければならないし、生涯独身のひとも多い。フルタイムで働くよりも主婦として年金保険料を免除された方が得だとして、女性の社会進出を阻むという批判は、女性の人権を擁護するフェミニズム系の団体からもあがっている。「弱者」である主婦を救済するためとはいえ、これが明らかに不公平な制度であることは間違いない。 混乱の発端は、長前厚労大臣の時代に、夫の転職にあたって第3号

    主婦の年金問題と正義の幼稚さについて – 橘玲 公式BLOG
    junkcollector
    junkcollector 2011/06/18
    弱者救済を声高に叫ぶ人間が本当の弱者に眼を向けていることなどまず無い
  • 大きな「正義」の話を聞かせてくれ – 橘玲 公式BLOG

    東京電力の損害賠償問題が混迷の度合いを増している。これは当たり前で、そもそも政府の支援スキームが電力料金の値上げを前提としているにもかかわらず、安易な料金引き上げを政治的に不可能にしてしまったからだ。 こうした混乱を招いたのは、これが損得の話ではなく正義の問題だということを政府が正しく認識していないからだ。 話の前提として、以下の3点はほとんどの国民が合意するだろう。 福島第一原発事故を1日も早く収束させること。 原発事故の被害者・被災者にできるだけ早く適切な賠償を支払うこと。 電力の安定供給を維持し、電力不足を早急に解決すること。 原発事故の責任問題というのは、これら喫緊の課題を所与として、そのうえでどのような解決策がもっともすぐれているかを考えることだ。 このとき、政府案以外に上記の3つの条件を満たす方法がないとすれば話は簡単だ。政府はそのことを、具体的な数字や根拠をあげて国民に説明す

    大きな「正義」の話を聞かせてくれ – 橘玲 公式BLOG
  • マネーゲームと評判ゲーム – 橘玲 公式BLOG

    「相続税は道徳的に正当化できるか?」にさまざまなコメントをいただいた。「正義」についてはいろいろな意見があるだろうが、ここではまたすこし違う視点からこの問題を考えてみたい。 武富士元会長の長男は、父親から武富士株1600億円相当を贈与され、それに対して約1300億円の追徴課税を受け、その取消しを求めて裁判に訴えた。今回の最高裁判決で、裁判中の利子分を含め約2000億円が返還されることになる。 ところで、もし今回の裁判で負けていても、長男の手元には(武富士株をどのように処分したかにもよるだろうが)300億円が残っている計算になる。それが逆転勝訴によって2300億円になった。だがこの金額は、有限にしか生きられない人間にとってどれほどの違いをもたらすのだろうか? お金は、増えれば増えるほどその魅力が減っていく(限界効用が逓減する)という特徴を持っている。サラリーマンが生涯に獲得する収入は約3億円

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  • 非居住者とは誰のことか? 〈武富士元会長長男、巨額追徴訴訟1〉 – 橘玲 公式BLOG

    武富士元会長長男に対する巨額追徴訴訟の最高裁判決が今週末に予定されているので、この興味深い訴訟を理解するためのポイントを2回に分けて解説する。 第1回は、裁判の争点である税法上の居住者と非居住者についてだ。 事件の概要 長男は97年から香港に移住し、99年にオランダ法人が保有する武富士株1600億円相当を贈与された。当時、日の税法は受贈者(長男)が日国の非居住者である場合、贈与税は非課税としており、長男側はそれを根拠に申告・納税していなかった*。だが国税当局は実態基準に照らして長男を非居住者と認めず、約1300億円の追徴課税処分を課し、長男側はこれを不服として東京地方裁判所に提訴した。 *2000年の租税特別措置法改正で、たとえ受贈者が非居住者であったとしても、贈与者・受贈者がともに5年以上、海外の居住していなければ課税対象とされることになった(相続に関しても同様)。 07年5月、東京

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  • ぼくたちが望んだ無縁社会 – 橘玲 公式BLOG

    宇野重規『〈私〉時代のデモクラシー』を興味深く読んだので、忘れないうちに感想を書いておきたい。 宇野はこので、19世紀フランスの政治思想家アレクシ・ド・トクヴィル(『アメリカのデモクラシー』)を導き手とし、私たちにはあまり馴染みのない現代ヨーロッパの政治哲学者・社会学者の議論をひもときながら、だれもが「自分らしく」生きることを追及する「〈私〉時代」のデモクラシーの可能性を論じている(以下は私なりの解釈で、宇野のの正確な要約ではない)。 18世紀の産業革命によって経済(市場)は爆発的に拡大し、ひとびとは身分制(階層社会)の桎梏から解放され、人類史上はじめて「自由」と「平等」を理想として掲げることが可能になった。近代化とは、王制(神権政治)に対する社会改革=革命運動として始まった。 ところが第二次世界大戦後、社会がより豊かになると、ひとびとの関心は〈社会〉から〈私〉へと向かいはじめる。これ

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    junkcollector
    junkcollector 2011/01/31
    差別も「私」意識の食い違いから生まれるのよね。差別する側は相手を「同じ人間」だと思っていないのでそもそも差別の自覚を持ちようがない。差別される側は同じ人間だと思っているから痛みを感じる。
  • ピラミッドのおじいさん〈エジプト旅行1〉 – 橘玲 公式BLOG

    昨年末にエジプトを旅行したのだけれど、この国は常識を覆されるような体験ができて、とても面白い。ちょっと趣向を変えて、今回は海の向こうの「不思議の国」について書いてみたい。 旅行ガイドブックにも書いてあることだけれど、古代エジプトの素晴らしい遺跡群を有するこの国には、観光客のバクシーシ(チップ)で生計を立てているひとたちがものすごくたくさんいる。その結果、定価や正規料金というものが成立せず、ものの値段は融通無碍に変わり、常にぼったくられているような気がして、旅行者にはきわめて評判が悪い。 とはいうものの、せっかくカイロまで来たのだから、有名なギザのピラミッドを見学しようと、街で声をかけてきたタクシーに乗り込んだ。ここでの鉄則は最初に料金を決めてしまうことで、言い値の半額から交渉をはじめ、往復を条件に4割引にしてもらった。--ほんとうはバスターミナルまで歩いて、インド数字(アラブ世界では世界標

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  • 「子育て神話」から自由になるために – 橘玲 公式BLOG

    「遺伝子決定論?」で子育てについて書いたら、たくさんの質問をいただいた。 私にはそもそも子育てについて語るような資格はないが、ジュディス・リッチ・ハリス(『子育ての大誤解』)によれば、そもそも親が子育てについて語ること自体が間違っている(なぜなら、子育ては子どもの人生になんの影響も及ぼさないから)。だったら、(私のような)資格のない人間が勝手なことをいってもいいのでは、と考えて、進化と子育てについて思いついたことをいくつか書く。 1)親は子どもを愛するけれど、子どもは親を愛するようには設計されていない。 いきなり不愉快になったかもしれないが、進化論的にはこのことはとても簡単に説明できる。 親が子どもを気にかけないとしたら、子どもはすぐに死んでしまうから、後世に遺伝子を残せない(すなわち、この世には存在しない)。だったら、いま生きている私たちは、「自分の子どもを無条件に愛する」という感情を基

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    junkcollector
    junkcollector 2010/11/24
    『ただしここで親は、どのような集団を選ぶかで子どもの人格形成にきわめて大きな影響力を行使する』。親の人間関係が子供の人格を作ると言っても過言ではなかろうと思う。
  • ニューヨークのホームレス – 橘玲 公式BLOG

    全国には約3万人のホームレスがいると推定されている。ニューヨーク市にはそれを上回る3万7000人のホームレスがいるが、旅行者がその姿を見かけることはあまりない。彼らは公園や河原のダンボールハウスに住んでもいないし、残飯を漁ることもない。 チャイナタウンの東側、ブルックリン橋に近いローワー・イーストサイドはハーレムと並ぶマンハッタンの貧困地域だ。ニューヨーク市の再開発事業でハーレムは今や観光地となったが、この一帯は旅行者が訪れることもなく、薄汚れた表通りに昼間から失業者が徘徊している。 この街の一角に、古い3階建てのビルを改造した簡易宿泊施設がある。部屋は男女別のドミトリー(共同寝室)形式で、照明を落とした部屋にカーテンで仕切られた小型のベッドが並んでいる。ホームレスはここで無料の事とベッドを与えられる。室内は殺風景だが清潔で、スタッフが忙しく立ち働いている。 私がこの施設を訪ねたのは

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  • 沖縄をタックスヘイヴンに(2) – 橘玲 公式BLOG

    「沖縄をタックスヘイヴンに」のエントリーに、予想外の反響があった。政策にかかわるひとたちも読んでくれているようなので、これが荒唐無稽な話ではないことをもうすこし説明してみたい。 私の提案は、沖縄にジャージーやガーンジーのような自治権を与えることだ。とはいえ、ほとんどのひとはチャネル諸島なんかに行ったことがないだろう。 ジャージー島は伊豆大島くらいの大きさで、人口は約9万人、1人当たりGDPは56,000ドル。首都セント・ヘリアはこんなところだ。 セント・ヘリア(ジャージー) ガーンジー島はひとまわり小さく(八丈島くらい)、人口は約65,000人、1人あたりGDPは約4万ドル。首都セント・ピーター・ポートはこんな感じだ(港のすぐ裏手が丘陵になっていて、平地はほとんどない)。 セント・ピーター・ポート(ガーンジー) ちなみに、日の1人当たりGDPは約39,000ドルだから、漁業と牧畜、観光以

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