<政府は、感染症による死者と同時に経済悪化による死者を抑えなければならない。そのために必要なのは、消費減税や現金給付ではなく企業の倒産を防ぐ政策だ> *この記事は、ニッセイ基礎研究所レポート(2020年3月23日付)からの転載です。 「経済的な死者」を増やさないことが重要 通常のインフルエンザでは世界で毎年数十万人の人が亡くなるが、それでも経済活動の制限は特別に行わない。それは、インフルエンザによって失うものよりも、経済活動を制限することによって失うもののほうが大きいからである。新型コロナウイルス感染症による死者は現時点で約1万3千人(3/22時点)だが、世界各国が渡航制限、移動制限、店舗閉鎖、イベント中止など経済活動の大幅な制限に踏み切ったのは、そうしなければ経済の悪化によって失うものよりも、感染拡大によって失うもののほうが大きいと判断したためと考えられる。 したがって、新型コロナウイル