「普連土」という字面からは仏教用語のような印象を受けるかもしれないが、読みは「フレンド」であり、キリスト教フレンド派の流れをくむ。この当て字の校名は、津田塾大学創始者・津田梅子の父で農学者の津田仙が、「普(あまね)く世界の土地に連なる」との思いを込めて考案した。世界には100以上のフレンド派の学校があるが、日本ではここ普連土学園中学校・高等学校のみである。 普連土の1日は毎朝の礼拝から始まる。特に水曜日は「沈黙の礼拝」という形式。聖書の朗読もない。讃美歌も歌わない。説教もない。誰も何も話さない。約20分間、沈黙のうちにただ神を待ち望む。これがフレンド派に独特の礼拝スタイルなのだ。 独特の礼拝スタイルに象徴されるように、普連土の教育理念はフレンド派の思想と深く結びついている。そしてフレンド派とは、教義的にローマカトリックから最も遠いとされる宗派である。宗教改革の文脈をたどると、フレンド派の思
ミュージアム研究者・小森真樹さんによる新連載「ミュージアムで迷子になる」を開始します。本連載では、2024年5月から11ヶ月、ヨーロッパとアメリカなど世界各地でおこなう小森さんのフィールドワークをもとにして、ミュージアムの営みについて辿っていきます。 ミュージアムでは古代から現代までの美術品、考古標本、動物や植物、はては人体など、さまざまなものが収集・展示されます。それらをどのように収集・展示するかの判断には、そのときどきの社会や経済、歴史、政治状況の影響があります。 ミュージアムの営みを辿ることは、私たちが生きる社会とその歴史がどのように作られているのかを考えるということです。その中に迷い込むことで、この社会の思いがけない一面を発見することができるかもしれません。 第一回は、まさに現在第60回が開催されている、世界三大芸術祭のひとつ「ヴェネツィア・ビエンナーレ」を取り上げます。国際政治の
映画「「マルタのやさしい刺繍( Die Herbstzeitlose ) 」( 2006年 ) が全国の劇場で空前の大ヒット。2007年の大阪ヨーロッパ映画祭でも上演され、老女たちのパワーをコミカルに描いた映画として話題になった。 主人公のマルタを演じたシュテファニー・グラーザーさんはスイスのエンターテインメントの大女優として70年間活躍している。 ベルン州エメンタール ( Emmental ) のとある村。夫に先立たれたマルタは死を待つばかりの余生を送っていた。ある日マルタは、3人の友だちを連れベルン市の生地屋を訪れる。若い頃ランジェリーを縫っていたマルタは、ふと思う。村にランジェリーショップを作ろうと。牧師の息子をはじめ村人たちにはそっぽを向かれ、いじめにもあうが、老女4人が力を合わせた事業は大成功。全国から注文が殺到したのだった。今年、米寿 ( 88歳 ) を迎える女優グラーザーさん
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