ミュージアム研究者・小森真樹さんによる新連載「ミュージアムで迷子になる」を開始します。本連載では、2024年5月から11ヶ月、ヨーロッパとアメリカなど世界各地でおこなう小森さんのフィールドワークをもとにして、ミュージアムの営みについて辿っていきます。 ミュージアムでは古代から現代までの美術品、考古標本、動物や植物、はては人体など、さまざまなものが収集・展示されます。それらをどのように収集・展示するかの判断には、そのときどきの社会や経済、歴史、政治状況の影響があります。 ミュージアムの営みを辿ることは、私たちが生きる社会とその歴史がどのように作られているのかを考えるということです。その中に迷い込むことで、この社会の思いがけない一面を発見することができるかもしれません。 第一回は、まさに現在第60回が開催されている、世界三大芸術祭のひとつ「ヴェネツィア・ビエンナーレ」を取り上げます。国際政治の