荒木優太『これからのエリック・ホッファーのために 在野研究者の生と心得』(東京書籍、2016年2月)で取り上げられた平岩米吉。昭和9年の『動物文学』創刊前に『変態随筆』なる雑誌を出していたというので、より詳しい片野ゆか『愛犬王平岩米吉伝』(小学館、2006年4月)を見てみた。すると、 (略)米吉は、翌年の昭和六年に『変態随筆』と『母性』というふたつの雑誌を刊行した。 『変態随筆』は、子どもを生み育てる女性だけにできる性と生命について探求する内容だった。体裁はオールグラビアの小冊子で、「平岩米吉個人雑誌」として不定期に七号まで出版された。(略)特集は毎回、性の神秘、尊さなどを各方面から分析・紹介するものだった。とどまることのない探求の結果、人獣交婚を扱った号が発禁処分をうけるということもあった。 ということで、発禁年表の昭和6年の新聞・雑誌の部を見るも見当たらない。発行年と発禁年に間があく場